御籤と責務と縁の絡まり「ッッやっべぇ」
「どうしたのおそ松兄さん?」
「また何かとんでもないやらかしでもしたのか?」
「そんな事ねーし!」
「ただ御籤古いやつ使い回してたのが上司にバレただけ」
「「うわぁ…」」
「そ、そんな顔すんなよ!俺はただお前らと一緒に居られる時間を少しでも延ばしたくて…!」
「いや仕事サボりたかっただけでしょ!」
「嗚呼、違いない…」
「それもまああるけど」
ビリッ
「げっやばいやばい早くしなきゃ」
「早くって何を…」
「とにかくそんな訳で俺当分は自室引き篭って新しい御籤作らされるから多分夕飯食べられないと思うごめん」
「はいはい、分かったよいってらっしゃいおそ松兄さん」
「今度はサボるんじゃないぞおそ松」
「したくてもできねーよ!いってきます」
バタバタバタッスパンッ
「やれやれ…もう何度目かなーこういうの」慣れっこだよもう
「さあな…」オレもだ
*
今回は…!今回ばかりはまじでサボれない…!だって…だって
『準備は出来たわね?さ、始めなさい』
遠隔でしっかり監視されてんだもん
『返事は?』
「はーい…」
『それは神力を込めるだけでいいわ…そうね』
『それはもう紙が古いから廃棄しなさい、やり方は分かってるわよね?』
「へいへい…神術の炎で燃やすんでしょ?」
ボッ
「あーめんどくさ…」
『あら、何か言ったかしら?』
「いいえぇ?大それた事は言っておりませんけど?」
『そう、まあ何でもいいわ…早く続きやっちゃいなさい』
「言われなくてもやるっつの…てかコレの手順書前くれたよな?わざわざ監視までしなくても」
『こうでもしないと貴方、すぐ手を抜くでしょう…せっかく貴方の為に時間を作ってあげたんだから、謹んで仕事しなさいな』
「ちぇっ…余計なお世話ってやつですー」
『ん?』
「はいはいやりますやらせて頂きます」
半刻後…
「うぇ〜…」
『変な声出してる暇あったらさっさとやっちゃいなさいよ』
「そんな事言われてもぉー…やだ疲れた」
『全く…相変わらず集中力が続かないのね』
「俺はそういうヤツなの」
「てかさなんで御籤新しいのにしてなかった事知ってんの京都住まいの癖に」
『嗚呼、それはね…以前、貴方の社に参詣しに行ったからよ』
「はあっなんでまたそんな面倒な事…」
『面倒なんかじゃないわ…大事な事だったの』
「…?」
『ねえ…ひとつ聞いていいかしら?』
「えー?休憩していいなら良いけどぉ」
はあ…『仕方ないわね…少し休憩するといいわ』
「よっしゃチョロ松にお茶入れてもらおー」
『待ちなさい』
「げっ」
『…質問に答えてくれたら行っていいから』
「…しょうがないなー…何?」
『夏越の祓の時』
「…!」
『貴方、…神族の者に会ったでしょう』
「…」
『答えないのね…口止めでもされているのかしら?』
『でもね…少量とはいえあの子の神力が貴方に譲り渡された事、私は知っているし…あの子もそれを分かっている筈だから』
『私だけ、特別って事で…ちょっと聞かせて貰えないかしら?』
「…まあ…そーね…あんたの〝想定〟が間違ってる事なんざねーんだろうけどさあ…」
「『居た痕跡を残さない』って条件で願いを聞き受けた以上、あいつがどこいったとかそういうのは教えらんないよ?」(知らないだけだけど)
『ええ、分かっているわ…ただ、…様子を聞かせて欲しいの』
「様子?」
『元気そうだったか、とか…そういうのでいいから』
「あー…そういう事なら…ええっとぉ」
「…最初は辛気臭そうな面してたけど、俺が願い叶えてやったら笑ってたよ」たしか
『そう…そうなの…!良かった…』
「…なんか良く分かんないけど、もう休憩行っていい?」
『ええ、いいわよ』
「っっしゃあ」
スパンッダダダッ
「チョロ松ぅ!お茶ちょ〜だい」
「うわびっくりした!」
「おそ松お前…仕事は終わったのか?」
「…オワッタヨ」
「そうなんだ、早かったねー!」
「騙されるなチョロ松!あれはどう見ても嘘だ!」
「あっ千里眼使うなよ卑怯だぞカラ松〜」
ハハハッ…
『本当に…良かったわ』