mystuki短編集 やることもないし、やる気もないからゲームの画面を開いたままベッドに寝転がった。無駄に広い友人のベッドは誰かが寝転んでいなければ少し寂しい。無理やり浮奇を呼びつけて、彼と一緒にしばらくの間虚無を共有した。
黙っているのは好きだった。ミスタは黙っていても、特に気まずさは感じなくて好きだった。
「メンバーのこと、好き?」
「は?」
殆ど眠たいとしか考えていなかった思考が、ふとずっとループし続けてしまいに諦めた話題を見つけ出した。ミスタなら分かってくれるかもしれないなんて、思ってみたり。
「いや……友達としては好きだけど」
「そう」
浮奇はいまいち、友達と恋人との差をはっきり見出せずにいた。それが異性であれば友達としての好きだと断定できても、じゃあそれが同性であれば、果たしてこれは純度百パーセントの、なんの混じり気のない好きだろうか、と一つ立ち止まってしまう。
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