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    32honeymoon

    @32honeymoongwt

    ◇gw:t KK✕暁人至上主義者
    ◆書くものは癖が強めなものが多いので要注意。
    ◇中の人は30over↑
    ◆主に夜中に書いてあげるスタイル
    ◇リクエストとか感想とかめちゃくちゃ喜びます。もちろん読んでくださるだけでも感謝🙏
    ◆リスト申請についてはTwitter固定ツイ参照下さい

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    32honeymoon

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    ◇フォロワーさんのイラストに文章つけてみったー◆
    大変遅くなりました&あまりにも長くなってしまったので3編に分けてお出しします。
    ぽすわい様のジューンブライドイラストにどうしても物語をつけたくて書かせていただきました!
    ・便宜上全7パートに分かれています。今回は前章~プロポーズまで。
    ・プロポーズ~初夜まではR18となりますので別途パス付で上げます。
     皆様のお気に召しますと幸いですm(__)m

    #K暁

    雨が連れてきたはじまり<前編>別れと復活、そして再開「・・・ありがとうーおやすみ、KK」
    そう言って別れを告げたあの日。
    そういえばあの日も、あれから雨が降り始めて。まるで別れの涙のようだなんて思ったことを、覚えている。


    【覚醒前夜ー夜明けの手紙】

    これは、僕の罪の記憶。
    もう二度と同じことを繰り返さないために、ここに書き残しておくことにする。


    ーあの夜、KKはたしかに僕のなかから姿を消した。黒い靄が霧散するように消えて、僕の右の手のひらについた傷は何事もなく消えてなくなって。
    それくらい遺してくれたってかまわないと思っていた。だって、KKを思い出せる何もかもが消えてなくなってしまったような気がしたから。
    それでももう、きっと二度と逢えないのだと。そう覚悟は決めていたし、
    自分の中ではあの日の全てを大切な思い出としてーずっとこころの中に置いておこう、と誓ったんだ。
    けれど、どうしてなのか、KKの肉体は朽ち果てることなく魂の帰還を待っていて、そして、僕の知らない所で瀕死状態のところを発見されたらしい。
    渋谷中央病院に収容されている、と凛子さんから連絡があったのはあのすべてが終わった日から1週間程度たったころだった。
    そう、凛子さんと絵梨佳ちゃんも同じように、肉体を奪われることなく戻ってきたふたりだ。

    ーけれど、麻里は、戻ってこなかった。

    分かっている。麻里は自分から死を選んだのだし、たぶんーあの事故のときすでに、死んでいたのだと思う。
    誰よりも守らなきゃと思っていた。それでも、病院でとうとう冷たくなった麻里の肉体を見たとき、僕はー
    本当に不謹慎で、酷いことだけれど、少しだけうらやましいとさえ、思ったんだ。

    麻里は父さんと母さんの所へ行った。僕もできることなら一緒に、逝きたいとさえ、思った。
    そうすれば、KKにも会えるーそんな気がして。

    凛子さんからKKが肉体とともに戻ってきたことを聞いたときの僕は、ただ、そうなんですね、と呟いただけで。
    彼女にしてみればとても冷たい反応だと思われただろう。きっと驚かれたと思う。
    だって、このまま会わないほうが良いと、そう、直感的に思ったんだ。
    死んだら傍に行けるかもだなんて。そんなことを思ってしまうくらい、僕はいつしかKKに対して深い思いを抱いてしまっていた。
    家族がいるひとなのに。守るべきものが他にある人なのに。男同士なのに。すべてが僕とKKを引き離すだけの十分な理由になった。
    だから、もう会えないと、そう思った。
    でも、最後に託されたあの『お願い事』。
    行く必要がなくなったかわりに、僕には預かったものを返す「義務」があった。

    だから、一度だけ。
    できたら眠っている間にそっと、枕元にでもパスケースを置いて、すぐに病室を出るつもりだったんだ。
    なのに、凛子さんから届いた留守番メッセージに、僕は動揺してしまった。

    『彼、一度目が覚めてからまた昏睡状態なの。それでも時折あなたの名前を呼んでる…うわ言みたいにね。もしかしたらこのまま・・・ってことも・・・あり得る。
    でも、あなたの声を聞けば目が覚めるかもしれない。辛いかもしれないけれど・・・一度でいいの。来てあげてくれないかしら』

    気づけばあの日のように降りしきる雨の中、僕はあの病院の前に立っていた。傘をたたみ、前髪から滴る水滴をはらう。

    今日が晴天でないことを、心から有り難いと思った。…会えることを素直に喜べないこの醜いこころも、隠してくれるような気がして。

    病室に入れば、凛子さんが出迎えてくれた。人工呼吸器をつけたまま横たわる姿を見て、それまで抑え込んできた気持ちが溢れてきて止まらなくて、僕は大声でKKを呼んだ。

    ー起きろよKK。僕はここにいる。あんたは、あんたはー幸せにならなきゃいけないんだ。だから。起きてよ。

    あの夜、たくさんの怪異と対峙して。僕は思った。ヒトの知らない世界は確かに存在する。ならば、ヒトには使えない力もまた、確かに存在するのだろう。
    それに対抗する力を持つ彼はきっと、この世界に必要な存在だ。だから、死んじゃだめだ。神様が存在するというなら何度だって祈ってやる。
    僕が手を合わせて祈りたいことはたったひとつだ。KKを生かして。ただそれだけ。ただそれだけでいい。
    この世界を救おうと、一度は自らの命さえも犠牲にして戦った男を、このまま死なせてなんてやるものか。

    一度顔を見てしまえば強欲になる。最初はすぐに帰ってくるつもりだったのに、いつのまにか僕は子供のようにベッドに縋り付いて、預かったパスケースを返すことも忘れて、ただ、泣きながら何度も彼を呼んでいた。
    ーKK。ねえ、僕を呼んでよ。あの夜みたいに。

    応えるものの居ない部屋。面会時間の終わりを告げるアナウンスが流れる。ふらり、と立ち上がった僕の目の前で、突然彼の指がぴくり、と微かに動いた。思わずその手を握り締める。・・あたたかな血液の通う、人の手のぬくもり。
    冷えていた彼のてのひらに、僅かではあるけれど熱が戻ってきた。

    「・・・・K・・・K・・・ッ、KK・・・・!!けぇ・・・けぇえっ」

    何度も繰り返し、そう呼びかける。看護師さんも駆けつけて、もっと呼びかけてください、と指示されて、無我夢中で呼び続けた。
    KKが夢の中で僕を呼んでくれたというなら、僕も呼んでやる。
    帰ってきて。帰ってきてよ・・・!

    自発的な呼吸が確認されて、呼吸器が外される。駆け寄って、彼の耳元で、泣きそうになりながら、もういちどKK、と呼んだ。
    ゆっくりと開かれる瞼。暗鼠色の瞳に確かに僕を映して。

    「ぁ・・・と・・・?」

    ちいさく動いた唇がたしかに、僕を呼んだ。



    結局、病院側の厚意で僕はその日そのまま病室に泊まることになった。
    時折暁人、とちいさくちいさく呟くその声がするたび、うん、とか、ここにいる、とか、何でもいいから返してやると、ちょっとだけ笑って、ああ、と返事をするように呻く。そしてまたゆるゆると眠りに落ちる。
    うつらうつらと椅子に腰かけたままでゆるく目を閉じていると、不意にまた暁人、と声がした。
    ゆっくりと目を開けて、いるよ、と返せば、て、と一言だけが聞こえて。
    「て?」
    「・・・・・て、にぃ、・・・・・て、」
    舌足らずのその言葉が聞き取れなくて、少しだけ顔を寄せる。
    目じりに涙が溜まっていて、苦しいのだろうか、と不安になる。

    「・・・・て、にぎ、て、・・・くれ・・・」

    ー手を、握ってくれ。

    彼の声が、届いた気がして。そっと、彼の右手を包み込んだ。その行動は、彼のお気に召したようで、また、ああ、と口端を緩ませて、目を閉じる。
    そっと手のひらを持ち上げて、押し当てるだけのキスをした。そうしてしまってから、僕は何を、と顔が熱くなる。

    ちゃんと目が覚めたら、忘れていてほしいと願った。今夜のこともすべて、夢だと思ってくれたらよかった。
    それでも、この夜が明けるまでは。その手を離したくなかった。ごめん、滑り出たその言葉に返ってくるものはなくて、ほっと唇をつぐむ。

    (目が覚めたら、今度はあんたが一番会いたいだろう人に手を握ってもらうんだよ)

    空いた左手で、ズボンのポケットに入ったままのパスケースをベッドのマットレスに押し込む。これで目的は達成した。
    KKを目覚めさせること。そして、これを返すこと。
    もう僕があんたにできることは、何一つなくなった。

    カーテンの隙間から白い光が射し込む。朝が来た。今度は僕が、何も言わずに去る番だね。
    昼には凛子さんも来る。もうきっと大丈夫だろう。

    そっと手を離して、静かにベッドを離れる。もう振り返らないとそう決めて。

    後ろからまた、暁人、そう彼が呼ぶか細い声がした。
    でも、今度は気づかないふりをした。次に呼ぶのは僕じゃなく、きっと違う名前になる。

    ふと病室の扉に掲げられたネームプレートを見て、こんな名前だったんだ、と少しだけ、彼のことを知れたような気になって、嬉しくなった。
    そして、同時にいっそう、哀しくなる。
    自分の元を離れてしまった彼のたましいは、もう二度と自分のなかに戻ってこないんだって、KKという存在はもういないんだって、現実を突きつけられた気がして。

    僕はきっともう二度と、ここに来ることはないだろう。麻里も、そしてKKも。自分の側からいなくなってしまった、たいせつなひとたち。
    この病院にきたら、たくさんの事を思い出してしまうから。

    ーさよなら、KK。どうか、今度こそ幸せに。
    声にならない声で告げる。

    結局朝になっても雨は降り続いていた。でもそれも今の僕には有り難かった。
    傘をさす気にもなれなくて、そのままパーカーのフードを被る。一気に助走をつけて、走り出す。
    すべてを振り切るくらいに、息を吐ききって。呼吸ごと、自分という存在の全てを置いていくかのように、ただ、走った。

    ーさよなら、僕のーたったひとりの、相棒。


    こうして僕は、彼に別れを告げた。一方的な別れを、彼は怒っているだろうか。
    それとももう、僕のことなど、忘れてしまっただろうか。

    これを書いている今も、彼からの連絡は無い。これがきっと答えだろう。
    この手紙は『あの日』に処分することにする。未だ捨てられずにいるこの数珠とともに・・・





    【寿ぎの真昼ー祝言の雨】

    「…結局今日も雨、か。なんだってこんなふうに雨ばかり降るんだろうね。あんたって雨男だったのか?…ほんと、迷惑」

    そぼ降る雨の日。
    暁人はまた、あの神社にいた。
    最後に彼と別れた、あの場所。
    もちろん、もうあの世への入口はそこにはない。
    あるのは長く伸びた階段だけで、その上にはなんの変哲もない古びた社がぽつんとひとつあるだけの、ちいさな神社。

    それでもその社に手を合わせ、暁人は祈る。

    ーどうか彼がしあわせでありますように。
    それだけを願って。

    左手に嵌めた数珠のブレスレットをそっと撫でる。
    あれからどうしても手放せなくて、つけたままだったそれを。
    ずっと自分を守っていてくれた、その唯一かたちあるものを。
    そして、何より、自らの気持ちを。
    すべてを、今日ようやく返す覚悟で、暁人はここを訪れた。

    亡くなった人を弔うために用意された49日間。
    今日はその、49日目になる。

    ーKKは確かに今も生きている。そのはずだ。でも、僕にはもう彼のもとに行く権利はない。この先生きていったとしても、あんなふうに胸を焦がす相手には二度と巡り会えないだろう。だから、僕は。ここに、あの日のかけらたちをおいていく。どうやっても消せない想い出だけを、傷跡がわりに胸に残して。

    そっと数珠を手から外し、ぐしゃぐしゃに握りつぶされた手紙とともに、数珠が乗せられていた台の上にことん、と置く。

    「ー今までお世話になりました」

    もう一度手を合わせて、祈る。
    零れる涙をぬぐって顔を上げたーその、瞬間。

    「ーー暁人ッ!!」

    後ろから、声が、聞こえた。同時に、がしっ、と肩を掴まれる。
    反射的に、手を祓った。
    走り出そうと腰を捩る。けれど、強く握られた腕を振りほどけない。
    あの日病院で握った、生気のない白い腕じゃなく、しっかりと血の通った男の腕。それがいま、強く、自分の腕を掴んでいた。
    微かに香るのは、煙草ではなく、消毒用のアルコールの匂い。けれど間近で聞く声は、忘れられるわけがない、大切な人の声。

    それでも、信じられなかった。ここにいては、駄目だと思った。
    なのに、その男は暴れる自分をまるで造作もなく完全に胸中に収めてみせると、思い切り抱きしめて。泣きそうな声で、ほかならぬ自分の名を、呼んだ。

    「暁人ッ・・・!暁人!もう、頼むから、逃げるな。オレから、逃げないでくれッ・・・!」
    声を聴いてさえ、到底信じられなかった。
    目の前の光景が、まるであの日の夢の中にいるかのようにぼんやりと霞んで見えたのは、自分が泣いているからだということにさえ、しばらく気づけずにいた。

    「KK・・・どうして・・・」
    「・・・迎えに来た」
    「どうして、」
    「ずっと、探してたんだぜ?・・・でもな、今日はきっと此処にいるだろうって、すぐに分かった。」
    「そうじゃない!!どうして!?どうして僕を探したりなんかー」

    震える声を遮るように、KKの手が暁人の顔を優しく包んで、そっと上げさせる。視線が交わって、暁人のその色素の薄い綺麗な瞳のなか、
    自分が写っていることを確認したKKが、ふ、と笑った。

    「オマエに逃げらんねえように、ちゃんとケジメつけてきたんだよ。ーー離婚届、出してきた。」
    「は・・・!?何、言って・・・!」
    「ちゃんとオレの言葉で、伝えてきた。今まですまねえってな。そしてーありがとう、も。
    オレが家族として最後にできることを、全部やってきたつもりだ。アイツらも笑って言ってくれたよ。幸せにね、ってな。だからー」

    暁人の瞳を覆う涙の膜を、右手でそっと掬い取る。誰よりも愛しいこの相棒に、誓いのキスをして、KKがはっきりと告げた。

    「暁人。オレは、残りの人生をオマエと共に、歩みたい」

    彼の声が耳に届いた瞬間、カラスが一斉に飛び立つ。

    「・・・馬鹿だな。僕はそんな風に愛してもらえるような器じゃない。」
    「馬鹿はオマエだよ。結局あれから一度も見舞いにも来ねえで・・・あのまま逃げるつもりだったろ?・・・逃がすわけねえんだよ、暁人」

    はぁはぁと荒い息は、彼が今もまだ本調子ではないことを如実に物語っていた。それでもその瞳は暁人をしっかりと見つめ、そして続ける。今の自分の気持ちをすべて吐き出すように。
    「暁人。オレがどんな気持ちで必死でリハビリして、こうしてなんとか外出できるまでに身体を回復させたか、わかってんのか?・・・オマエに伝えるためだ。オマエを取り戻して、オマエと生きるためだけに、こうしてオレは今、オマエの目の前に立ってる」

    「K、K」

    「今すぐには無理だがーいずれきちんとした形で、オレと正式に一緒になって欲しいって思ってる。色んなモン抱えたままで、情けねえ男だがー
    頼む。オマエを生涯守り通すためにー隣に立つ権利をくれねえか」

    肩を抱く手が震えている。
    どれだけの勇気を振り絞って、その言葉を告げたのだろう。

    「・・・狡いよ、KK。僕が断れないって、知ってて、こんな・・・」

    「ああ、狡いさ。オマエを手に入れるためなら、幾らでも卑怯な手を使ってやる。それほどにー惚れてんだよ」

    「ばか・・・馬鹿だよあんた本当に・・・・ッ」

    「馬鹿でいい。頼むから、もうあの日みてえにオレを置いていくな。なあ暁人ー答えをくれよ」

    涙を何度も救ってくれる右手が、熱い。あの日のように、まるであの夜、自分の中にKKがいた時と同じように。
    愛しくてたまらなくなって、暁人は思わずKKをつよく抱きしめた。

    「ねえ、もう一度・・・ちゃんと言ってよ、KK」

    「ああ、何度でも言ってやる。オレと結婚してくれ、暁人」

    「・・・僕で、良かったら。・・・お願いします」

    そのままぎゅうと強く強く抱き締められる。啜り泣く音と共に、良かった、という声が暁人の肩口を濡らして。
    暁人も静かに涙を零した。でもそれは、よろこびの、涙だ。今まで生きてきてはじめて得た、心の底から湧き上がるような、よろこびの、涙だ。

    ーいつの間にか雨の上がった空には虹が輝いていた。天からの祝福を受けて、
    この日ふたりは名実ともに、唯一無二の存在となった。

    ~続く
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    そう言って別れを告げたあの日。
    そういえばあの日も、あれから雨が降り始めて。まるで別れの涙のようだなんて思ったことを、覚えている。


    【覚醒前夜ー夜明けの手紙】

    これは、僕の罪の記憶。
    もう二度と同じことを繰り返さないために、ここに書き残しておくことにする。


    ーあの夜、KKはたしかに僕のなかから姿を消した。黒い靄が霧散するように消えて、僕の右の手のひらについた傷は何事もなく消えてなくなって。
    それくらい遺してくれたってかまわないと思っていた。だって、KKを思い出せる何もかもが消えてなくなってしまったような気がしたから。
    それでももう、きっと二度と逢えないのだと。そう覚悟は決めていたし、
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