雨が連れてきたはじまり<前編>別れと復活、そして再開「・・・ありがとうーおやすみ、KK」
そう言って別れを告げたあの日。
そういえばあの日も、あれから雨が降り始めて。まるで別れの涙のようだなんて思ったことを、覚えている。
【覚醒前夜ー夜明けの手紙】
これは、僕の罪の記憶。
もう二度と同じことを繰り返さないために、ここに書き残しておくことにする。
ーあの夜、KKはたしかに僕のなかから姿を消した。黒い靄が霧散するように消えて、僕の右の手のひらについた傷は何事もなく消えてなくなって。
それくらい遺してくれたってかまわないと思っていた。だって、KKを思い出せる何もかもが消えてなくなってしまったような気がしたから。
それでももう、きっと二度と逢えないのだと。そう覚悟は決めていたし、
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