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    @t_utumiiiii

    @t_utumiiiii

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    @t_utumiiiii

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    ウッズさんに記憶がない泥庭同人誌の設定(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12846692)で、ピアソンさんがウッズさんを寝かしつける二次

    淑女の夜(泥庭) 少し前のことだ。羅刹緋春――例の、異国風の派手な赤いワンピース――を着ていた試合中に頭を強く打ったせいで、ただでさえ緩い頭のネジが弾けとんだのか、それまでの記憶のすべてが飛んだエマ・ウッズを捕まえて「自分たちは恋人同士」だと騙すことに成功したので、彼女はもうクリーチャーを拒むことはない。何なら少し構ってやらないで放ったらかしていると、どこで覚えたのかピッキングなんかしてドアの鍵を開けた挙げ句、クリーチャーの部屋に勝手に上がり込んで、帰りを待ち構えていたりする(最初はさすがの俺様もぎょっとしたが、しばらく続くと慣れた)。
     とはいえ、そうやって部屋の鍵を勝手に開けて、中で「待ち構えている」といっても、まあ可愛いもので、物々しい面持ちをしているわけでもなく、彼女は部屋の中で勝手に掃除をしていたり、そこらに放っておいたクリーチャーのシャツを繕ったり、繕うようなシャツがない時には、自分で持ち込んだ布に、何かを熱心に縫い付けたりなんかしていて、それで、クリーチャーが戻ってきたのを見ると「おかえりなさい!」と言って、花の開くように笑うので、クリーチャーは「留守の部屋の鍵をピッキングで開けて上がり込むんじゃない」「一体何のために鍵をかけていると思っているんだ」「だいたい、ピッキングなんかどこで覚えたんだ!?」というようなまっとうな苦情をずっと言い損なっている。
     それで、女ににこっと微笑まれてしまって、何を言うべきか忘れたクリーチャーが暫くぼーっとしてから、こうやって部屋に勝手に上がり込んでいるのだから、何か用事があるのだろうと思い立って、わざわざ用向きを聞いてやっても、彼女は「今日は先生とこういうお話をしたの」だの「庭でお花が咲いたの」だのとしょうもないことばかりをぺらぺら喋るので、まあ、これは誘いに来たんだろうな、と、クリーチャーは考えて、女のぺらぺら喋ることを適当に聞き流しながら彼女をベッドに寝かせて、シャツのボタンを外してやっているところで、少し頭の鈍いところのある彼女も流石に気付くようで、それまであけすけにペラペラ喋っていたところからふと口籠ると、(端からそのつもりがあって上がり込んでいるくせに)恥ずかしげな小声で「するの……?」と続けながら、膝を擦り合わせる。その仕草は、なかなか悪くないので、もじもじと擦り寄せられる膝を掴んで開かせながら、クリーチャーが膝頭で股の間をぐりぐり擦ってやると、彼女は腰を引くどころか、「んっ」「あっ」と、息を詰めて控えめに喘ぎながら、膝頭に股を押し付けて来る。

     ある日、クリーチャーが遊興室にあるバーカウンターで酒を引っ掛けてから部屋に戻ると、また鍵が開いていて、ああウッズさんが来ているのかと思って、扉を開けてみても人影がない。あいつ部屋開けっ放しにして帰りやがったかと腹立たしく思っていると、彼女はクリーチャーのベッドの端の方に潜り込んで、すーすーと随分健やかな寝息を立てていた。
     普段の仕事着――ところどころにツギを宛がった緑のエプロンと、シャツに細身のジーンズ――を着たままだから、まあ、寝るつもりはなかったんだろう。寝るつもりなくベッドに潜り込んだ時には手に持っていたのか、少し擦り切れた麦わら帽子が、ベッドからだらんと垂れている彼女の手元から床に落ちている。クリーチャーはそれを拾って、一旦ベッドの上に投げておきながら、空いている手で彼女の頬を抓ってみると、彼女は顔をうっすら顰めながら目を覚まして、「あ、ピアソンさん……」と眠たげに言うので、別に、眠っている女を起こして相手をさせる程、今のクリーチャーは相手に飢えているわけでもないし、そもそもペニスを使う気分ではなかったので、「お、おお、起きなくて、い、いいぞ」と言ってやりながら、起き上がろうとする女の顔を手の平で押してベッドに戻して、「ま、まだ、ね、寝てな」と嘯いたところで、そういえば、そもそもこいつ、何でクリーチャーのベッドを勝手に使っているのか? 自分の部屋に戻ればいいじゃないか、というぐらいの、文句を言い忘れていることを思い出す。ただ寝るだけで男のベッドを使う奴がいるか。誘っているのか? まあ、誘っているんだろうが。
     男の骨ばった手の平で、力任せに、というには多少の手加減はあるものの、多少乱暴な手つきでぐいとベッドに押し戻されて、うーんと眠たげに唸っている彼女の、縛ったまま仰向けに寝るものだから、今はぐちゃぐちゃになっている髪留めを解き、付けたままのエプロンを外してやって、そのままここで、朝までぐっすり眠る気なら、衣服を緩めておいてやるのが良いだろうし、取っておいたほうがいいかと、ジーンズの留め金を外してやりながら、ピアソンは若干辟易していた。
     無論、彼は求められるのが好きな性質であったし、特段の工夫もなく適当に撫でているだけで、簡単に喜んでしがみついてくる、至極単純な彼女の肌の滑らかさと、暖かな体温を好んでいた。そもそも、それを好きなようにいじくり回したいのもあって、記憶が飛んだエマを相手に「クリーチャーがあんたの恋人だ」という嘘(もとい希望的な観測)を言って、彼女を騙したのだ。
     とはいえ、こうも夜な夜な、顔を合わせる度にべたべたとされて、何かと求められるのは、正直、きついところがある。今もクリーチャーが寝てろと言ってやったのに、あいつは誘うように気怠く目を細めたまま、寝ぼけ眼でクリーチャーを見上げながら、「したいの?」と、眠たげというには甘ったるい声で言いながら、シャツのボタンをもたもたと外し始めている。

    「…………いや、お前、き、きょっ、今日は、いい、いいよ……」
     ピアソンは、自分の考える「男らしさ」――女から求められれば、当然それに応じるようなその態度――と、既に酒を飲んでいる上、連日求められていると流石に食傷する、という現実問題を天秤に掛け、眉間に気難し気な皺を寄せながら、複雑そうな面持ちで断ると、その「男らしくなさ」に、きっと呆気にとられたような態度をしているに違いない彼女から目をそらしながら、その顔を見ないために、中途半端に脱がしていた手を止めると、ベッドに仰向けになっている彼女の上にどさっと覆いかぶさり、両腕で彼女の頭を抱き込んだまま、寝返りを打つように彼女の隣で横になる。
    「ウ、ウウ、ウッズさんもさあ、たまには、しゅっ、淑女らしく、しし、してくれよ……」
     「し、淑女はな、夜には、ち、ちゃんと、寝るもんだ」と、歯切れの悪い調子でぶつぶつと続けるピアソンの痩せた胸板に顔を押し付けられながら、エマはキョトンとはしていたものの、彼の想像するような、「男らしくなさ」への呆れや失望というものは、そこにはなかった。寝ていろというピアソンの言葉に、彼女はうんと返事をしようとしたものの、頭を強く抱き込まれているせいで、硬く薄い胸板に顔を押し付けられて、「んん」に近い音になる。

     彼女は(それをピアソンにはっきりと伝えたことはないが、)ピアソンが思っているように、毎度彼の肩に凭れ掛かりながら性行為を期待しているわけではなく、そもそも、特段性行為が好きという訳でもなかった。ただ、「恋人」がそれを求めるのなら、恋人としてきちんと応えるべきだという義務に近い感覚があるだけで、彼女は、恋人にもたれ掛かったり、その身体を抱きしめたりして、それにただ、ぎゅっと抱きしめて返してほしいだけだ。だって恋人なのだから。それで、恋人がセックスをしたいというのならそれでもいいし、そうやって服を取り払って肌と肌を合わせているのは、この上なくぎゅっとしているし、されているような心地で、悪くはないけれど、普段下着で隠している恥ずかしいところを触られながら、ひっきりなしにぐちゅぐちゅとお腹を掻き回されるのは落ち着かないし、それに、彼はそうやってひどく興奮すると、時々すごく乱暴な振る舞いをするので、それが少し怖い。
     けれど、今は呆れたようにため息を吐きながらエマの頭を撫でてくる手は、力こそ強いけれど、怖くはない。頭をがっしりと抱き込まれているエマは、若干の息苦しさからもぞもぞと身動ぎをして彼の腕から逃れ、ぷは、と息を吐き出すと、その頃にはもうさっさと寝ることにしたのか、それとも、エマから追及を受けないために寝たふりをしているのか、とにかく瞼をしっかりと瞑っているピアソンを見上げ、円らな緑の目を明るいほどに輝かせながら、閉じたままの口元を緩め満足気に微笑む。そして、彼の鎖骨の辺りに頬を摺り寄せながら手を伸ばして、早くも鼾をかいているピアソンの痩せた背中に、腕を回して抱き着いた。
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    Replies from the creator

    @t_utumiiiii

    DOODLE公共マップ泥庭

    ※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定
    一曲分(泥庭) 大勢の招待客(サバイバー)を招待し、顔も見せずに長らく荘園に閉じ込めている張本人であるのだが、その荘園主の計らいとして時折門戸を開く公共マップと言う場所は、所謂試合のためのマップを流用した娯楽用のマップであり、そのマップの中にもハンターは現れるが、それらと遭遇したところで、普段の試合のように、氷でできた手で心臓をきつく握られるような不愉快な緊張が走ることもないし、向こうは向こうで、例のような攻撃を加えてくることはない。
     日々試合の再現と荘園との往復ばかりで、およそ気晴らしらしいものに飢えているサバイバーは、思い思いにそのマップを利用していた――期間中頻繁に繰り出して、支度されている様々な娯楽を熱狂的に楽しむものもいれば、電飾で彩られたそれを一頻り見回してから、もう十分とそれきり全く足を運ばないものもいる。荘園に囚われたサバイバーの一人であるピアソンは、公共マップの利用に伴うタスク報酬と、そこで提供される無料の飲食を目当てに時折足を運ぶ程度だった。無論気が向けば、そのマップで提供される他の娯楽に興じることもあったが、公共マップ内に設けられた大きな目玉の一つであるダンスホールに、彼が敢えて足を踏み入れることは殆どなかった。当然二人一組になって踊る社交ダンスのエリアは、二人一組でなければ立ち入ることもできないからである。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定

    マーサが香水使ってたらエブリンさん超怒りそう みたいな
    嫌いなもの:全ての香水の匂い(広義のウィラマサでエブマサ) チェス盤から逃れることを望んだ駒であった彼女は、空を飛び立つことを夢見た鷹の姿に身を包んでこの荘園を訪れ、その結果、煉獄のようなこの荘園に囚われることとなった。そこにあったのは、天国というにはあまりに苦痛が多く、しかし地獄というにはどうにも生ぬるい生活の繰り返しである。命を懸けた試合の末に絶命しようとも、次の瞬間には、荘園に用意された、自分の部屋の中に戻される――繰り返される試合の再現、訪れ続ける招待客(サバイバー)、未だに姿を見せない荘園主、荘園主からの通知を時折伝えに来る仮面の〝女〟(ナイチンゲールと名乗る〝それ〟は、一見して、特に上半身は女性の形を取ってはいるものの、鳥籠を模したスカートの骨組みの下には猛禽類の脚があり、常に嘴の付いた仮面で顔を隠している。招待客の殆どは、彼女のそれを「悪趣味な仮装」だと思って真剣に見ていなかったが、彼女には、それがメイクの類等ではないことがわかっていた。)――彼女はその内に、現状について生真面目に考えることを止め、考え方を変えることにした。考えてみれば、この荘園に囚われていることで、少なくとも、あのチェス盤の上から逃げおおせることには成功している。
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    @t_utumiiiii

    DOODLEクリスマスシーズンだけど寮に残ってる傭兵とオフェンスの象牙衣装学パロ二次妄想ですが、デモリー学院イベントの設定に準じたものではないです。
    the Holdover's Party(傭兵とオフェンス ※学パロ) 冬休み期間を迎えた学園構内は火が消えたように静かで、小鳥が枝から飛び立つ時のささやかな羽ばたきが、窓の外からその木が見える寮の自室で、所持品の整理をしている――大事に持っている小刀で、丁寧に鉛筆を削って揃えていた。彼はあまり真面目に授業に出る性質ではなく、これらの尖った鉛筆はもっぱら、不良生徒に絡まれた時の飛び道具として活用される――ナワーブの耳にも、はっきりと聞こえてくる程だった。この時期になると、クリスマスや年越しの期間を家族と過ごすために、ほとんどの生徒が各々荷物をまとめて、学園から引き払う。普段は外泊のために届け出が必要な寮も、逆に「寮に残るための申請」を提出する必要がある。
     それほどまでに人数が減り、時に耳鳴りがするほど静まり返っている構内に対して、ナワーブはこれといった感慨を持たなかった――「帝国版図を広く視野に入れた学生を育成するため」というお題目から、毎年ごく少数入学を許可される「保護国からの留学生」である彼には、故郷に戻るための軍資金がなかった。それはナワーブにとっての悲劇でも何でもない。ありふれた事実としての貧乏である。それに、この時期にありがちな孤独というのも、彼にとっては大した問題でもなかった。毎年彼の先輩や、或いは優秀であった同輩、後輩といった留学生が、ここの“風潮”に押し潰され、ある時は素行の悪い生徒に搾取されるなどして、ひとり一人、廃人のようにされて戻されてくる様を目の当たりにしていた彼は、自分が「留学生」の枠としてこの学園に送り込まれることを知ったとき、ここでの「学友」と一定の距離を置くことを、戒律として己に課していたからだ。あらゆる人付き合いをフードを被ってやり過ごしていた彼にとって、学園での孤独はすっかり慣れっこだった。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE象牙衣装泥庭二人とも怪我してるみたいで可愛いね🎶という趣旨の象牙衣装学パロ二次妄想(デモリー学院イベントの設定ではない)です
    可哀想な人(泥庭医 ※学パロ) 施設育ちのピアソンが、少なくとも両親の揃った中流階級以上の生徒が多いその学園に入学することになった経緯は、ある種“お恵み”のようなものであった。
     そこには施設へ多額の寄付したとある富豪の意向があり、また、学園側にもその富豪の意向と、「生徒たちの社会学習と寛容さを養う機会として」(露悪的な言い方になるが、要はひとつの「社会的な教材」として)という題目があり、かくして国内でも有数の貧困問題地区に位置するバイシャストリートの孤児院から、何人かの孤児の身柄を「特別給費生」として学園に預けることになったのだ。
     当然、そこには選抜が必須であり、学園側からの要求は「幼児教育の場ではない」のでつまりはハイティーン、少なくとも10代の、ある程度は文章を読み書きできるもの(学園には「アルファベットから教える余裕はない」のだ)であり、その時点で相当対象者が絞れてしまった――自活できる年齢になると、設備の悪い孤児院に子供がわざわざ留まる理由もない。彼らは勝手に出ていくか、そうでなければ大人に目をつけられ、誘惑ないしだまし討ちのようにして屋根の下から連れ出されるものだ。あとに残るのは自分の下の世話もおぼつかないウスノロか、自分の名前のスペルだけようやっと覚えた子供ばかり――兎も角、そういうわけでそもそも数少ない対象者の中で、学園側が課した小論文試験を通ったものの内の一人がピアソンだった。
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    recommended works

    @t_utumiiiii

    DOODLE #不穏なお題30日チャレンジ 1(2).「お肉」(傭オフェ)
    ※あんまり気持ちよくない描写
    (傭オフェ) ウィリアム・ウェッブ・エリスは、同じく試合の招待客であるナワーブと共に、荘園の屋敷で試合開始の案内を待っていた。
     ここ数日の間、窓の外はいかにも12月らしい有様で吹雪いており、「試合が終わるまでの間、ここからは誰も出られない」という制約がなかろうが、とても外に出られる天候ではない。空は雪雲によって分厚く遮られ、薄暗い屋敷の中は昼間から薄暗く、日記を書くには蝋燭を灯かなければいけないほどだった。しかも、室内の空気は、窓を締め切っていても吐く息が白く染まる程に冷やされているため、招待客(サバイバー)自ら薪木を入れることのできるストーブのある台所に集まって寝泊まりをするようになっていた。
     果たして荘園主は、やがて行われるべき「試合」のことを――彼がウィリアムを招待し、ウィリアムが起死回生を掛けて挑む筈の試合のことを、覚えているのだろうか? という不安を、ウィリアムは、敢えてはっきりと口にしたことはない。(言ったところで仕方がない)と彼は鷹揚に振る舞うフリをするが、実のところ、その不安を口に出して、現実を改めて認識することが恐ろしいのだ。野人の“失踪”による欠員は速やかに補填されたにも関わらず、新しく誰かがここを訪れる気配もないどころか、屋敷に招かれたときには(姿は見えないのだが)使用人がやっていたのだろう館内のあらゆること――食事の提供や清掃、各部屋に暖気を行き渡らせる仕事等――の一切が滞り、屋敷からは、人の滞在しているらしい気配がまるで失せていた。
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