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    @t_utumiiiii

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    @t_utumiiiii

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    ※謎時空探偵パロ(1990年代を想定)
    Mr.ミステリーが男やもめのレオ・ベイカーの依頼を受けて失踪した娘の行方を探す二次妄想です(還…パロ)

    4「子ども部屋」に入ったMr.ミステリーの目を引いたのは、その部屋全体に埃が薄っすらと積もっていること、そして、ベッドの上に吊るされたモビールだった。
    レオの話を聞くに、娘のリサは初等科に通う8歳の子供で、赤ん坊を寝かせておくベッドの上よろしく、天井からモビールを吊るしておくような寝たきりの年齢ではない。埃を撒き散らすカーテンを開けてみても薄暗い部屋でよく目を凝らしてみると、天井から吊り下げられた円形にぶら下がっているのはすべて、十字架や何らかの羽根、羊の頭を象ったシンボル、藍色のガラス玉、目玉など、何らかの宗教的意味合いを帯びたお守りであることが容易に想像のつく形をしていた。

    「あれは」とMr.ミステリーが問うと、レオは特段憚ることもなく、何となれば、壮年の男性らしくどこか頑なさのある口元を幾分綻ばせながら、「お守りです」と答えた。
    「あの“羊飼い”の言う通り、このモビールを通して御方に見守られるようになってからというもの、リサは夜中に魘されることもなく眠れるようになったんです……」
    「……その、“羊飼い”というのは?」
    その時ばかりは、事務所に駆け込んできたその時から常にある焦燥ぶりが落ち着き、レオはいつになく穏やかに見えた。そこに、いくらか怪訝に眉を寄せながらさらに探偵が問うてみると、レオの方もまた訝られているとも思っていない様子で、事もなげに答える。

    曰く、ここからそう離れていないホワイトサンドストリートの一角に祈祷所を構える祈祷師がおり、彼は主の意向を伺うだけでなく「託宣」を授かり、それを迷える子羊ーー要は、己の信者たちーーに伝える能力を以て、社会に奉仕する善行者であるらしい。
    西洋とは異なるルーツを持つMr.ミステリーは大した疑問を挟まず(そういうものか)とその説明を受容したし、仮に彼が疑問を呈したところで、それを根っから信奉している様子でめぼしい家具も売り払い祈祷道具を購入している状態にあるレオは聞き入れなかっただろう。
    レオはさらに、Mr.ミステリーが彼の説明に一旦納得した様子で口を噤んだのをよそに、“羊飼い”が家族のーー主に父と娘の生活において、いかに重要な働きをしたのかについて熱心に続けていた。医者に匙を投げられたリサの体調は、あそこに通うようになってから改善しただの、今は工場の経営についても託宣をお願いしているだの。
    熱心に信奉している様子のレオの姿に注意を払うというより、むしろ子供部屋の学習机の上に並べられたノート、女児の持ちそうな匂い袋、そして、机に所狭しと貼ってある折り紙の花を観察していたMr.ミステリーが何気なく、「娘の行方について、その“羊飼い”には聞いたのか」と問いかけてみると、それまで熱心に羊飼いの功績について語っていたレオの口がふと止まり、レオは、彼自身も困惑しているように首を傾ぐ。

    依頼人の記憶喪失(或いは記憶の混乱)は、年単位のものなのかもしれない。Mr.ミステリーはやや(参ったな)と言いたげに首を竦めたが、彼はあまり表情が表に出ないタイプということもあり、レオにそれを見咎められることはなかった。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE公共マップ泥庭

    ※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定
    一曲分(泥庭) 大勢の招待客(サバイバー)を招待し、顔も見せずに長らく荘園に閉じ込めている張本人であるのだが、その荘園主の計らいとして時折門戸を開く公共マップと言う場所は、所謂試合のためのマップを流用した娯楽用のマップであり、そのマップの中にもハンターは現れるが、それらと遭遇したところで、普段の試合のように、氷でできた手で心臓をきつく握られるような不愉快な緊張が走ることもないし、向こうは向こうで、例のような攻撃を加えてくることはない。
     日々試合の再現と荘園との往復ばかりで、およそ気晴らしらしいものに飢えているサバイバーは、思い思いにそのマップを利用していた――期間中頻繁に繰り出して、支度されている様々な娯楽を熱狂的に楽しむものもいれば、電飾で彩られたそれを一頻り見回してから、もう十分とそれきり全く足を運ばないものもいる。荘園に囚われたサバイバーの一人であるピアソンは、公共マップの利用に伴うタスク報酬と、そこで提供される無料の飲食を目当てに時折足を運ぶ程度だった。無論気が向けば、そのマップで提供される他の娯楽に興じることもあったが、公共マップ内に設けられた大きな目玉の一つであるダンスホールに、彼が敢えて足を踏み入れることは殆どなかった。当然二人一組になって踊る社交ダンスのエリアは、二人一組でなければ立ち入ることもできないからである。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定

    マーサが香水使ってたらエブリンさん超怒りそう みたいな
    嫌いなもの:全ての香水の匂い(広義のウィラマサでエブマサ) チェス盤から逃れることを望んだ駒であった彼女は、空を飛び立つことを夢見た鷹の姿に身を包んでこの荘園を訪れ、その結果、煉獄のようなこの荘園に囚われることとなった。そこにあったのは、天国というにはあまりに苦痛が多く、しかし地獄というにはどうにも生ぬるい生活の繰り返しである。命を懸けた試合の末に絶命しようとも、次の瞬間には、荘園に用意された、自分の部屋の中に戻される――繰り返される試合の再現、訪れ続ける招待客(サバイバー)、未だに姿を見せない荘園主、荘園主からの通知を時折伝えに来る仮面の〝女〟(ナイチンゲールと名乗る〝それ〟は、一見して、特に上半身は女性の形を取ってはいるものの、鳥籠を模したスカートの骨組みの下には猛禽類の脚があり、常に嘴の付いた仮面で顔を隠している。招待客の殆どは、彼女のそれを「悪趣味な仮装」だと思って真剣に見ていなかったが、彼女には、それがメイクの類等ではないことがわかっていた。)――彼女はその内に、現状について生真面目に考えることを止め、考え方を変えることにした。考えてみれば、この荘園に囚われていることで、少なくとも、あのチェス盤の上から逃げおおせることには成功している。
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