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    @t_utumiiiii

    @t_utumiiiii

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    @t_utumiiiii

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    弁護士四年目誕生日手紙(一通の遺書)を受けた二次妄想 リディア・ジョーンズを追跡するフレディ・ライリー ※途中で急に転生現パロ(広義の弁医)になります

    Chase for L(弁護士と医師) リディア・ジョーンズを探している、という話をすると「そんなことは警察に任せておけば良いだろう」と返されることがある。目の前の愚鈍は、怪訝に眉を傾けながら首を傾いでいる。時にそれは、他人の事情に首を突っ込みたくて仕方がないという、いかにも下世話な態度を隠しきれていない角度に上がった口角を、それとなく手で隠しながら、「それとも、なにか折り行った事情でも?」などと続けることもある。
     そのようなとき、どのように振る舞うべきかをライリーはよく心得ており、彼はさも心を痛めているように歯の出た口元を結びながら「まさか! むしろ、“先生”にはお世話になったんです」と返すのだ。
    「彼女は今、色々と大変な身の上でしょう……恩人に恩返しをしたいんですよ」
     だから警察よりも早く、内密にお話がしたいのだというと、さも感心したように目を丸くする愚鈍な面や、つまらなさそうに鼻を鳴らすこれもまた愚鈍な面を拝むことになるが、どれもこれもどうでもいいことだ。簡単な挨拶の後別れた質問者の面が見えなくなると、ライリーは誠実を取り繕っていた表情をみるみるうちに、そしてあからさまな程不機嫌に歪ませる。
     不愉快な気分から顔を顰めてはいるが、「リディア・ジョーンズを警察よりも先に見つけ出したい」、というのは、ライリーの本心だった。現在指名手配を食らっているあの女は、刑事事件として告訴されればいずれにせよ、重罪にはなるだろう。しかし、そうなると、裁判において彼女は、マーシャは、あの女が殺した俺の幸福は、「1」という、あまりにも軽い数字でしかない。それは許し難い冒涜だった。


     自己弁護などさせるものか。あの女に汲まれるべき事情など、何一つ存在しない。あの人殺しは、生まれてきたことを心底悔いながら死ぬべきだ。


     故に、ライリーは“彼女”の意識が戻る瞬間を待っていた。
     西暦201X年、どういうわけか、自分に与えられたものではない名前の人生ーー仏教徒(ブッディスト)の宗教用語で言うところの“前世”ーーの記憶を持ったままこの世紀に物心付いた彼の人生は、始まる前から終わっていた。
     彼は決して熱心というほどではないが、人並みのーー19世紀末のロンドンにおいて一般的とされる程度のーーキリスト教徒であり、人生は線路の上を一度通過するき、りの一過性の事象である筈だった。しかし、これでは、死後に見えるという希望も叶わない。
    (これが"俺の"地獄か)
     ライリーは試合の場で惨たらしい死を迎えようと五体満足に生き返ってしまう荘園で噛み締めた遣る瀬無い怒り、というには若干乾いてしまったそれを、荘園に囚われていた頃よりも心なしか若い体で日々噛み締めた。

     ひょんなことから「再会」したその女は、ライリーよりもずっと死に近いところに横たわっていた。
     その女が自分と同じように記憶を持っているのか否かはわからないが、その女は未だに医師を続けていた。そして、階段で足を滑らせた患者を庇い、自分が頭を強く打ち付けて、それから数年の間、昏睡状態に陥っているらしい。
     病床に揃えられている筋肉の瘦せ衰えた手足は、人間のものというよりむしろ作られた人形のそれのようで、この身体が眠りについてからどれほどの時間が経ったのかを明らかにしているようだった。

     その女の所在を偶然知り、『高校時代の卒業生を集めて久しぶりに同窓会を開くんだが、彼女と連絡が取れない』などと、もっともらしい顔で嘘を吐いてその病院を訪れ、昏睡状態の女が置かれた病室の存在を知ったライリーは、それ以来、月に二回はその病室に通っている。
     毎回、病院と道路を挟んで向かいにある花屋に寄り、適当な花束を買って持ってくるのは、手ぶらで病室に来るのは悪目立ちをするからだ。
     念願の医師の夢を叶えた娘がいつ目覚めても問題の無いよう、老後の資金を切り崩して“維持費”を出し続けるその両親の話もライリーは知っていたし、定期的に花を持って見舞いに来るようになった自分が、病棟をうろつく看護師からどのように見られているのかも知っている――というのも、その階の受付で面会名簿に記入するたび、名簿を出してくる看護師はきまって緩く微笑み、「熱心ですね」という回りくどいものの言い方をするからだ。

     リディア・ジョーンズの個室に入ると、ライリーは荷物でしかない花束を病床横の棚に置き、棚とベッドの間に立て掛けてあった面会者用の折りたたみ式パイプ椅子を引き摺り出し、開き、座り、黙り込む。
     病室には昏睡状態の患者の他にはまるで誰もいないように、心電計の刻む規則的な音だけが繰り返されている。パイプ椅子に座るライリーは、惰性で肩を丸めながら背もたれに深く腰掛け、やり場のない腕を取り敢えず組んでみる。土曜午前の日差しが窓から入ってくる病室はあくまでも白く、長らく病床に差し込む窓越しの光のみを浴びて眠る女の顔は、青白く痩せていた。

     この女が、覚えているのかそうではないのかだけを確認して殺そうと、ライリーは思っていた。そこに意味がないことも、彼は十分知っていた。彼女を手に掛けて、あまつさえのうのうと逃げ延び生きているこの女の息の根を止め、彼女を失ったくそったれの人生を終えることだけが、ライリーの望みだった。彼の幸福は、遥か遠い昔に過ぎ去ったあの一瞬だった。それは最早、決して訪れることのない日である。
     ライリーは諦めたわけではない。わけではないが、この女を殺したところで、彼女と同じ地獄に落ちることが出来るのかを逡巡し、そうしたところで、彼女の痕跡がこの世に一つも存在しない世界で、再び息を吹き返すのだとすれば、それは、最早、何を、どうするべきなのか。
     ライリーにわかることは何もなかった。彼にわかることは人間社会を支配する法律であって、この世界を支配する「法則」といった衒学的なコンセプトは、全く彼の趣味ではなかった。今もそうだ。彼はこの社会を支配する法律という仕組みを熟知することを好んでいる。それを武器に他人を捌くことを愛してすらいる。
     愛を知る前であれば、彼はいずれの地獄、いずれの時代に堕とされたところで、上手くやっていくことが出来ただろう。法律の運用は社会の要だ。社会の運用に重要とされた学問を修め、それを実用できるものは、いずれの世においても相対的に高い社会的地位を占めている。
     しかし、その愛の記憶を知ったまま、その痕跡を一つも残さない世界で息をすることを、ライリーは上手くイメージすることが出来なかった。彼女を切り刻んだメスですら、今となっては、彼女の存在を証明する一つのピースですらあるように思えた。

     だから、この女が目を覚ました時に、覚えているか、覚えていないのかを聞くことにしている。答えがどうあれ、この女を殺すことに変わりはない。
     ライリーは不愉快に巡る考えを前に知らず知らず詰めていた息を吐くと、組んでいた腕を解いて嵌めている腕時計を見る。入室から15分間が過ぎていた。
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    Replies from the creator

    @t_utumiiiii

    DOODLE公共マップ泥庭

    ※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定
    一曲分(泥庭) 大勢の招待客(サバイバー)を招待し、顔も見せずに長らく荘園に閉じ込めている張本人であるのだが、その荘園主の計らいとして時折門戸を開く公共マップと言う場所は、所謂試合のためのマップを流用した娯楽用のマップであり、そのマップの中にもハンターは現れるが、それらと遭遇したところで、普段の試合のように、氷でできた手で心臓をきつく握られるような不愉快な緊張が走ることもないし、向こうは向こうで、例のような攻撃を加えてくることはない。
     日々試合の再現と荘園との往復ばかりで、およそ気晴らしらしいものに飢えているサバイバーは、思い思いにそのマップを利用していた――期間中頻繁に繰り出して、支度されている様々な娯楽を熱狂的に楽しむものもいれば、電飾で彩られたそれを一頻り見回してから、もう十分とそれきり全く足を運ばないものもいる。荘園に囚われたサバイバーの一人であるピアソンは、公共マップの利用に伴うタスク報酬と、そこで提供される無料の飲食を目当てに時折足を運ぶ程度だった。無論気が向けば、そのマップで提供される他の娯楽に興じることもあったが、公共マップ内に設けられた大きな目玉の一つであるダンスホールに、彼が敢えて足を踏み入れることは殆どなかった。当然二人一組になって踊る社交ダンスのエリアは、二人一組でなければ立ち入ることもできないからである。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定

    マーサが香水使ってたらエブリンさん超怒りそう みたいな
    嫌いなもの:全ての香水の匂い(広義のウィラマサでエブマサ) チェス盤から逃れることを望んだ駒であった彼女は、空を飛び立つことを夢見た鷹の姿に身を包んでこの荘園を訪れ、その結果、煉獄のようなこの荘園に囚われることとなった。そこにあったのは、天国というにはあまりに苦痛が多く、しかし地獄というにはどうにも生ぬるい生活の繰り返しである。命を懸けた試合の末に絶命しようとも、次の瞬間には、荘園に用意された、自分の部屋の中に戻される――繰り返される試合の再現、訪れ続ける招待客(サバイバー)、未だに姿を見せない荘園主、荘園主からの通知を時折伝えに来る仮面の〝女〟(ナイチンゲールと名乗る〝それ〟は、一見して、特に上半身は女性の形を取ってはいるものの、鳥籠を模したスカートの骨組みの下には猛禽類の脚があり、常に嘴の付いた仮面で顔を隠している。招待客の殆どは、彼女のそれを「悪趣味な仮装」だと思って真剣に見ていなかったが、彼女には、それがメイクの類等ではないことがわかっていた。)――彼女はその内に、現状について生真面目に考えることを止め、考え方を変えることにした。考えてみれば、この荘園に囚われていることで、少なくとも、あのチェス盤の上から逃げおおせることには成功している。
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    @t_utumiiiii

    DOODLEクリスマスシーズンだけど寮に残ってる傭兵とオフェンスの象牙衣装学パロ二次妄想ですが、デモリー学院イベントの設定に準じたものではないです。
    the Holdover's Party(傭兵とオフェンス ※学パロ) 冬休み期間を迎えた学園構内は火が消えたように静かで、小鳥が枝から飛び立つ時のささやかな羽ばたきが、窓の外からその木が見える寮の自室で、所持品の整理をしている――大事に持っている小刀で、丁寧に鉛筆を削って揃えていた。彼はあまり真面目に授業に出る性質ではなく、これらの尖った鉛筆はもっぱら、不良生徒に絡まれた時の飛び道具として活用される――ナワーブの耳にも、はっきりと聞こえてくる程だった。この時期になると、クリスマスや年越しの期間を家族と過ごすために、ほとんどの生徒が各々荷物をまとめて、学園から引き払う。普段は外泊のために届け出が必要な寮も、逆に「寮に残るための申請」を提出する必要がある。
     それほどまでに人数が減り、時に耳鳴りがするほど静まり返っている構内に対して、ナワーブはこれといった感慨を持たなかった――「帝国版図を広く視野に入れた学生を育成するため」というお題目から、毎年ごく少数入学を許可される「保護国からの留学生」である彼には、故郷に戻るための軍資金がなかった。それはナワーブにとっての悲劇でも何でもない。ありふれた事実としての貧乏である。それに、この時期にありがちな孤独というのも、彼にとっては大した問題でもなかった。毎年彼の先輩や、或いは優秀であった同輩、後輩といった留学生が、ここの“風潮”に押し潰され、ある時は素行の悪い生徒に搾取されるなどして、ひとり一人、廃人のようにされて戻されてくる様を目の当たりにしていた彼は、自分が「留学生」の枠としてこの学園に送り込まれることを知ったとき、ここでの「学友」と一定の距離を置くことを、戒律として己に課していたからだ。あらゆる人付き合いをフードを被ってやり過ごしていた彼にとって、学園での孤独はすっかり慣れっこだった。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE象牙衣装泥庭二人とも怪我してるみたいで可愛いね🎶という趣旨の象牙衣装学パロ二次妄想(デモリー学院イベントの設定ではない)です
    可哀想な人(泥庭医 ※学パロ) 施設育ちのピアソンが、少なくとも両親の揃った中流階級以上の生徒が多いその学園に入学することになった経緯は、ある種“お恵み”のようなものであった。
     そこには施設へ多額の寄付したとある富豪の意向があり、また、学園側にもその富豪の意向と、「生徒たちの社会学習と寛容さを養う機会として」(露悪的な言い方になるが、要はひとつの「社会的な教材」として)という題目があり、かくして国内でも有数の貧困問題地区に位置するバイシャストリートの孤児院から、何人かの孤児の身柄を「特別給費生」として学園に預けることになったのだ。
     当然、そこには選抜が必須であり、学園側からの要求は「幼児教育の場ではない」のでつまりはハイティーン、少なくとも10代の、ある程度は文章を読み書きできるもの(学園には「アルファベットから教える余裕はない」のだ)であり、その時点で相当対象者が絞れてしまった――自活できる年齢になると、設備の悪い孤児院に子供がわざわざ留まる理由もない。彼らは勝手に出ていくか、そうでなければ大人に目をつけられ、誘惑ないしだまし討ちのようにして屋根の下から連れ出されるものだ。あとに残るのは自分の下の世話もおぼつかないウスノロか、自分の名前のスペルだけようやっと覚えた子供ばかり――兎も角、そういうわけでそもそも数少ない対象者の中で、学園側が課した小論文試験を通ったものの内の一人がピアソンだった。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE #不穏なお題30日チャレンジ 1(2).「お肉」(傭オフェ)
    ※あんまり気持ちよくない描写
    (傭オフェ) ウィリアム・ウェッブ・エリスは、同じく試合の招待客であるナワーブと共に、荘園の屋敷で試合開始の案内を待っていた。
     ここ数日の間、窓の外はいかにも12月らしい有様で吹雪いており、「試合が終わるまでの間、ここからは誰も出られない」という制約がなかろうが、とても外に出られる天候ではない。空は雪雲によって分厚く遮られ、薄暗い屋敷の中は昼間から薄暗く、日記を書くには蝋燭を灯かなければいけないほどだった。しかも、室内の空気は、窓を締め切っていても吐く息が白く染まる程に冷やされているため、招待客(サバイバー)自ら薪木を入れることのできるストーブのある台所に集まって寝泊まりをするようになっていた。
     果たして荘園主は、やがて行われるべき「試合」のことを――彼がウィリアムを招待し、ウィリアムが起死回生を掛けて挑む筈の試合のことを、覚えているのだろうか? という不安を、ウィリアムは、敢えてはっきりと口にしたことはない。(言ったところで仕方がない)と彼は鷹揚に振る舞うフリをするが、実のところ、その不安を口に出して、現実を改めて認識することが恐ろしいのだ。野人の“失踪”による欠員は速やかに補填されたにも関わらず、新しく誰かがここを訪れる気配もないどころか、屋敷に招かれたときには(姿は見えないのだが)使用人がやっていたのだろう館内のあらゆること――食事の提供や清掃、各部屋に暖気を行き渡らせる仕事等――の一切が滞り、屋敷からは、人の滞在しているらしい気配がまるで失せていた。
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