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    @t_utumiiiii

    @t_utumiiiii

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    エンジェルから「アラスターってロリコンなの?」という話を振られたハスクのお腹が痛くなるタイプの二次 ※ハズビンホテルへようこそS1Ep7ぐらいまでのネタバレを含みます。 ※フィーリングの二次なので捏造がいっぱいあるとおもう

    (アラチャ ハスクとエンジェル) 彼の魂の支配者によって「ハスクの持ち場」と定められたホテルのフロント兼バーカウンターに四対の内の上から二番目の肘を掛けながら、「ハスクのあの赤いご主人サマってさぁ、ロリコンなの?」と言うエンジェルの訝るようにもからかうようにも響く声の調子に、ハスクは思わずそれまで手に持っていた酒瓶を、危うくカウンターの裏の床に落としてぶち撒けるところだった。
    「なっ、急に、な、なな……」
     なんでそんな事を急に、と、彼がバリトンの声をらしからぬ調子に震わせながら返すさまを、エンジェルは首を可愛らしく見えるような角度に小さく傾ぎ、艷やかな桃色の鬣を揺らしながら、さも愉快そうなものに目をつけたとき猫のようににんまりと笑うと、「だぁってさぁ~」とこれみよがしに続けながら、彼の持つ四対の腕の中で一番上のそれを、やれやれというように広げつつ肩を竦めて見せる。
     曰く、例の「苺うさぎさん」(ハスクはその呼び方を聞くにつけ、彼の知る悪魔の姿と相容れない可愛らしいそれにぞっとするほど居心地悪くなり、耳のやり場というべきだろうが、結果的には目のやり場に困って、爪先で自分の頬をぽりぽりと掻きつつ、例の悪魔を悪びれずに苺呼ばわりする友人から目を逸らしていたが)は、チャーリーにだけやたらと馴れ馴れしい。あいつが顔を近づけて物を言うのも、距離を詰めて手を取り合ったままそつなくターンするのも、ここではチャーリー相手にだけだ。下ネタは嫌いみたいだけど、ま、どうだかね。極めつけにだ、あいつ、ヴァギーが側にいない時を見計らうみたいにチャーリーに話しかけるだろ。ひょっとしてさ、彼にとっての理想的な獲物の趣味っていうのが、あの、ふわふわの雲の上でレインボーの先を追い求める、金髪巻き毛ちゃんってことなんじゃない? それに、そうだ、ニフティ! あの子を連れてきたのもそう。あいつ、小さい女の子が好きなんじゃないか。俺のリップサービスにちっとも乗らないしさ、近寄っても来ないんだぜ。
    「……ああいう手合いに気に入られて、ろくなことはないだろ。」
     そう言うハスクから、ゲテモノ喰らいを見るように細められた――要は、「ドン引き」といった調子に細められた目を向けられたエンジェルは、それが不当だと言いたげに、しかし、節度を持ってテーブルを叩く。
    「俺だってさ、他人の趣味にケチつけるつもりで、こんなこと言ってるんじゃないぜ?」
     そうやって続く彼の意気込みには、ハイになっているときの破滅的にから回る調子はないとはいえ、それはきちんと真っ当に酔っ払って、気も声も大きくなっている者のそれだ。
    「俺はあいつらが好きなんだよ。チャーリーとヴァギー、可愛いだろ? 女の子二人で仲良くしてる。俺は死ぬ前だって、あんな可愛いの見たことなかったよ。ハハ、地獄って、ホントに何でもありなんだな? そらチャーリーも、それからヴァギーも、俺たちと違って特別製さ。でも、いや、兎に角さ、俺はあいつらが好きなんだ。それがさ、『ああいう手合いに気に入られて、ろくなことはない』、だろ?」
     エンジェルは時に女性的な艶っぽさを浮かべるテノールの声を、そこだけはまるで、ハスクの酒焼けした声を真似るようにわざとらしく低くしながら、器用に細長い人差し指と中指を両方使って、これ見よがしにダブルクォーテーションの仕草をすると、身体ごと傾けるように首を傾げる。
    「勘違いするなよ? 俺はあの苺変人だって、今は、まあ、仲間だと思ってる……あいつとは、〝戦場での絆〟はねえけどな。でもま、大事なんだよ。大事な仲間がさ、内輪でギスギスするのって、よくないだろ?」
     そう言う彼のすらりとしたピンクの長細い、いかにも器用な指先が、口の広いカクテルグラスの縁を、煽情的に辿っていく――のを、ハスクはぞっとするような心地で見ていた。彼はエンジェルのすぐ後ろに、例のどす黒い影を広がっていく様を、まさに目にしていたから――
    『そうですね、君の懸念については、私から説明をするべきかな?』
     出し抜けにノイズ混じりの声を耳に吹き込まれて驚いたエンジェルが目を丸くし、ハスクが強張っている間に、その唐辛子のように赤くすらりと痩せた、それでいて、いかにも周囲を刺激する悪魔の姿は、軽やかにカウンターチェアに着席すると、ハスクに注文するまでもなく次の瞬間、指先一つで、氷塊の入った上等なグラスに注がれた琥珀色のウイスキーを持って見せる。しかしそれを取り出した当の本人は、真紅よりも禍々しく見える爪先でグラスを傾けてみせるばかりで、グラスに口を付けようとしない。
    『そうですねェ、可愛らしいチャーリー。彼女は確かに魅力的だ。彼女の夢や不安なこと、恥ずかしい癖、どんな消臭剤が好きかなんてことに、私は、あまり、そそられないんだ! アハハ! 確かにそれらの情報は便利かもしれない。秘密を共有するということは、とォっても魅力的な響きだ。まあ今の私には、無用のものだけれど。』
     普段のマイクを片手に突如影から生えるように現れたアラスターの演説に一旦耳を傾けていたエンジェルは、口の広いグラスから薄青色の液体を一口はしたなく音を立てて啜ってから、アラスターのいかにも胡散臭い笑顔で弓なりになった眉が、その無礼に微かに歪むのを楽しむように頬を緩めつつ、カクテルグラスの縁に載せられていた(彼たっての強い希望から、ハスクが載せてやったものだった)缶詰のチェリーを一粒、舌先でころころと踊らせると「じゃああんたさ、何で、チャーリーにやたら絡むんだ?」などと、口角に粘るような微笑みの気配を浮かべて問いかけた。
    「前に来た小さい王様にだって、やたら張り合ってたじゃんか? そう言う趣味? 俺がパパって呼んであげよーか?」
     大袈裟に甘ったるい声で「パパ♡」と十八番を続けようとするエンジェルのそれに被せるように『結構』と、ノイズ音の混じる機械的な声が投げられる。(だろうな)というのがハスクの感想である。彼はこの場に――彼の友人が、彼の恐ろしい主人を楽し気におちょくる場面に――強制的に立ち合わされることに、いささか以上の苦痛を感じていたし、アラスターの趣味にだって、ハスクは興味を持ってなんかいなかった。彼らは生前からの知り合いであるのだが、ハスクはアラスターの「趣味」を知らない。強いて言えばこの怪物は、慇懃に、それも魅力的に振舞い、それに宛てられて近づいたものから次々食べ尽くしていく。強いて言えば、彼の趣味は、そのおぞましい「それ」だろう。この地獄で再びこの男に繋がれることになってしまった時、ハスクはまず、彼と「同族の姿」を自分が取っていないことに安堵したものだった。
    『私、彼女のプライベェトに興味はないもので! とはいえ共同の事業者ですからね、ビジネスの話をする必要はあるでしょう。私はチャーリーと話をする必要があるというのに、目を尖らせて彼女を守ろうとするあの健気な彼女は、ンー、少々、ジャマだね。あの親父もジャマだ。』
     常にブロードキャストを意識しているのかエンターテイメントを煽っているのか、やたらと通りながら過剰に乱高下するその声で言い切るように続きがちなノイズ混じりの声が、言葉尻に至るといつになく打ち明け話風にあっけらかんとそう溢すのを、エンジェルは面白がってけたけたと高い声で笑い、アラスターはそれに応えるというには普段通りの、怪しげな笑顔をいっそう明らかなものにしながら、それまで爪先でかたかた揺らす程度だったグラスを唐突に手で鷲掴みにすると、グラスをそれこそ口の上でひっくり返すように逆さにして、痩せた身体を不気味にぐらぐら揺らがせながら、氷ごと例の恐ろし気な牙で噛み砕く。砕氷機の立てるような不穏な音がして、エンジェルの笑い声がそれに掻き消される。骨を砕くような音の後、笑っていたエンジェルが流石に目の前で氷を喰らった男にやや引いたか、それとも彼に何か言い分があると悟って誘うような目をしながらそれを促したのか、最早その恐ろしい場面を見ていられずに目を伏せてグラスを絶えず磨き続けているハスクには何とも言えなかったが、兎に角、グラスを空にしたアラスターは立ち去ろうとせず、ノイズ混じりの声で続けた。
    『私はチャーリーの話を聞きたいというのに、横からピーチクパーチクと口を突っ込んでくる連中は邪魔だろう? 彼女は可能性に満ちているんだから! 無闇に翼の後ろに隠しておきたがる連中よりも、私は遥かに適任だ。彼女の導き手としてね。』
    「……何か面倒臭い話してる?」
     矢張り先程氷をばりぼりとやったのを見て引いたのか、それともその頃には、話が彼の期待するような方向に転がっていないことがあからさまになってきたからか、生前であれば耳のあるような位置に小指を立てて耳をほじる真似をしつつ、退屈を隠しもしない態度でそう言って小さく尖った金色の牙を見せるエンジェルに、ハスクはいっそのこと高い声で叫びかけたが、アラスターは大して気に掛けてもいない様子で音も無く笑っている。この男の琴線は全く以てよくわからない。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE公共マップ泥庭

    ※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定
    一曲分(泥庭) 大勢の招待客(サバイバー)を招待し、顔も見せずに長らく荘園に閉じ込めている張本人であるのだが、その荘園主の計らいとして時折門戸を開く公共マップと言う場所は、所謂試合のためのマップを流用した娯楽用のマップであり、そのマップの中にもハンターは現れるが、それらと遭遇したところで、普段の試合のように、氷でできた手で心臓をきつく握られるような不愉快な緊張が走ることもないし、向こうは向こうで、例のような攻撃を加えてくることはない。
     日々試合の再現と荘園との往復ばかりで、およそ気晴らしらしいものに飢えているサバイバーは、思い思いにそのマップを利用していた――期間中頻繁に繰り出して、支度されている様々な娯楽を熱狂的に楽しむものもいれば、電飾で彩られたそれを一頻り見回してから、もう十分とそれきり全く足を運ばないものもいる。荘園に囚われたサバイバーの一人であるピアソンは、公共マップの利用に伴うタスク報酬と、そこで提供される無料の飲食を目当てに時折足を運ぶ程度だった。無論気が向けば、そのマップで提供される他の娯楽に興じることもあったが、公共マップ内に設けられた大きな目玉の一つであるダンスホールに、彼が敢えて足を踏み入れることは殆どなかった。当然二人一組になって踊る社交ダンスのエリアは、二人一組でなければ立ち入ることもできないからである。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE※日記のないキャラクターの言動を背景推理等から捏造
    ※捏造荘園設定

    マーサが香水使ってたらエブリンさん超怒りそう みたいな
    嫌いなもの:全ての香水の匂い(広義のウィラマサでエブマサ) チェス盤から逃れることを望んだ駒であった彼女は、空を飛び立つことを夢見た鷹の姿に身を包んでこの荘園を訪れ、その結果、煉獄のようなこの荘園に囚われることとなった。そこにあったのは、天国というにはあまりに苦痛が多く、しかし地獄というにはどうにも生ぬるい生活の繰り返しである。命を懸けた試合の末に絶命しようとも、次の瞬間には、荘園に用意された、自分の部屋の中に戻される――繰り返される試合の再現、訪れ続ける招待客(サバイバー)、未だに姿を見せない荘園主、荘園主からの通知を時折伝えに来る仮面の〝女〟(ナイチンゲールと名乗る〝それ〟は、一見して、特に上半身は女性の形を取ってはいるものの、鳥籠を模したスカートの骨組みの下には猛禽類の脚があり、常に嘴の付いた仮面で顔を隠している。招待客の殆どは、彼女のそれを「悪趣味な仮装」だと思って真剣に見ていなかったが、彼女には、それがメイクの類等ではないことがわかっていた。)――彼女はその内に、現状について生真面目に考えることを止め、考え方を変えることにした。考えてみれば、この荘園に囚われていることで、少なくとも、あのチェス盤の上から逃げおおせることには成功している。
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    @t_utumiiiii

    DOODLEクリスマスシーズンだけど寮に残ってる傭兵とオフェンスの象牙衣装学パロ二次妄想ですが、デモリー学院イベントの設定に準じたものではないです。
    the Holdover's Party(傭兵とオフェンス ※学パロ) 冬休み期間を迎えた学園構内は火が消えたように静かで、小鳥が枝から飛び立つ時のささやかな羽ばたきが、窓の外からその木が見える寮の自室で、所持品の整理をしている――大事に持っている小刀で、丁寧に鉛筆を削って揃えていた。彼はあまり真面目に授業に出る性質ではなく、これらの尖った鉛筆はもっぱら、不良生徒に絡まれた時の飛び道具として活用される――ナワーブの耳にも、はっきりと聞こえてくる程だった。この時期になると、クリスマスや年越しの期間を家族と過ごすために、ほとんどの生徒が各々荷物をまとめて、学園から引き払う。普段は外泊のために届け出が必要な寮も、逆に「寮に残るための申請」を提出する必要がある。
     それほどまでに人数が減り、時に耳鳴りがするほど静まり返っている構内に対して、ナワーブはこれといった感慨を持たなかった――「帝国版図を広く視野に入れた学生を育成するため」というお題目から、毎年ごく少数入学を許可される「保護国からの留学生」である彼には、故郷に戻るための軍資金がなかった。それはナワーブにとっての悲劇でも何でもない。ありふれた事実としての貧乏である。それに、この時期にありがちな孤独というのも、彼にとっては大した問題でもなかった。毎年彼の先輩や、或いは優秀であった同輩、後輩といった留学生が、ここの“風潮”に押し潰され、ある時は素行の悪い生徒に搾取されるなどして、ひとり一人、廃人のようにされて戻されてくる様を目の当たりにしていた彼は、自分が「留学生」の枠としてこの学園に送り込まれることを知ったとき、ここでの「学友」と一定の距離を置くことを、戒律として己に課していたからだ。あらゆる人付き合いをフードを被ってやり過ごしていた彼にとって、学園での孤独はすっかり慣れっこだった。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE象牙衣装泥庭二人とも怪我してるみたいで可愛いね🎶という趣旨の象牙衣装学パロ二次妄想(デモリー学院イベントの設定ではない)です
    可哀想な人(泥庭医 ※学パロ) 施設育ちのピアソンが、少なくとも両親の揃った中流階級以上の生徒が多いその学園に入学することになった経緯は、ある種“お恵み”のようなものであった。
     そこには施設へ多額の寄付したとある富豪の意向があり、また、学園側にもその富豪の意向と、「生徒たちの社会学習と寛容さを養う機会として」(露悪的な言い方になるが、要はひとつの「社会的な教材」として)という題目があり、かくして国内でも有数の貧困問題地区に位置するバイシャストリートの孤児院から、何人かの孤児の身柄を「特別給費生」として学園に預けることになったのだ。
     当然、そこには選抜が必須であり、学園側からの要求は「幼児教育の場ではない」のでつまりはハイティーン、少なくとも10代の、ある程度は文章を読み書きできるもの(学園には「アルファベットから教える余裕はない」のだ)であり、その時点で相当対象者が絞れてしまった――自活できる年齢になると、設備の悪い孤児院に子供がわざわざ留まる理由もない。彼らは勝手に出ていくか、そうでなければ大人に目をつけられ、誘惑ないしだまし討ちのようにして屋根の下から連れ出されるものだ。あとに残るのは自分の下の世話もおぼつかないウスノロか、自分の名前のスペルだけようやっと覚えた子供ばかり――兎も角、そういうわけでそもそも数少ない対象者の中で、学園側が課した小論文試験を通ったものの内の一人がピアソンだった。
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