おねこKKさん「KK……頭……」
暁人がこちらを指差し震える声でそう言った。
「頭?」
さっきから妙に周りの音が鮮明に聞こえる。それも定位がはっきりと。そこにきて暁人の指摘。
嫌な予感しかしない。嫌だなー嫌だなーと、どこぞの講談師のような気持ちでそっと頭に手を伸ばす。そして、それに触れるのと同時に暁人が叫んだ。
「猫耳!!」
KK自身には見えないが暁人が言う通り、そこには猫耳が生えているのだろう。髪の毛とは明らかに違う手触りと形に思わず絶句してしまう。呪いの直撃は避けたはずだ。耳以外に影響が出ているところはないかと慌てて全身を確認する。少なくとも、自分で確認できる範囲は大丈夫そうだ。いや、尻のあたりに違和感があるが、それをここで確認するわけにはいかない。
1915