真夜中のごちそう冬の冷たさが身に沁みるようだった。
爪先のささくれが痛い。乾燥肌は静電気を帯びて毎日が苦痛である。肌を刺激する不快感もそうだが、悠仁に触れたときにどうしても歳の差を感じずにはいられない。若さは肌にでてくる。悠仁と交際を始めて、初めて感じたことだった。
現在時刻は深夜一時。外は真っ暗だ。
自らの上着のポケットに手を突っ込んで、夏油は温もりを求めて自販機へと向かった。
夏油は高専の寮を間借りしている。
いつでも食事にありつけるよう、自販機と共用キッチンにいちばん近い部屋を、だ。
常日頃任務に追われている身としては、腹を満たす手間が省けるのが第一である。つまり、インスタント、冷凍食品万々歳というわけだ。
寮の共同キッチンには夏油、五条専用の100L冷凍庫があるくらい、ほぼ毎食冷凍食品生活である。カップ麺なども食べていたが、飽きるほど食べてしまい舌が拒絶している。
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