Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    suzuro_0506

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 47

    suzuro_0506

    ☆quiet follow

    カルデア 短髪杉と阿国 高高軸
    短髪杉が一人になりたい時によく行く場所と、それを知っている阿国
    雰囲気話

    短髪杉と阿国「高杉様、いつまであの方に隠しておくおつもりで?」
     阿国が問う。
    「隠す?誰に、何を」
     ごほ、と咳を1つして、高杉が阿国の問いに問いを返した。
    「もう1人の高杉様に、貴方の身体のことを」
    「いつまでも」
     今度こそ阿国の問い対するに答えを口にして、高杉は目を閉じた。背もたれにして寄りかかっていた桜の木の根元にしゃがみ込むと、横になり背を丸める。こほ、こほ、と時折肩を小さく揺らしながらうとうとしている様子の高杉を、阿国が見下ろす。陽を背に立つ阿国の影が、高杉の上に落ちた。
    「いっそ私が伝えてしまいましょうか」
    「好きにしたらいいさ、僕が死んだ後でならね」
    「何故今言わないんです」
    「言ってどうなる」
    「何か解決方法を一緒に探せるやも」
    「別に僕はそんなもの探してない」
    「後で知ったらあの方はどう思うでしょう」
    「さあ?別に気にしないんじゃないか」
    「本当にそう思ってます?」
    「ああ」
    「でしたら、先に言ってしまっても構わないのでは」
    「なんで」
    「後で知って気にしないのなら、今知ったところで変わらないでしょう」
    「……気にしない、かもしれないが」
    「が?」
    「万が一にもあいつの顔がそれで曇るのを僕は見たくない」
    「……」
    「心配なんてされたくない。気を遣われるのはごめんだ。僕はただ、あいつと過ごせるこの時を、何の憂慮も無く楽しみたい」
     阿国が溜息をつく。
    「意地っ張りですねえ、全く」
    「僕がそうだって、とっくに知ってたろ」
    「ええ、まあ」
     阿国が、高杉の頭の隣に座る。
    「いい景色ですねえ」
     伸びをしながら、眼下に広がる野を眺めて阿国が話す。
    「そうだろう」
     目を閉じたまま、高杉は微かに笑んだ。
     静かな風が、木々を揺らして春色の花弁を舞わせている。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭😭😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator