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    suzuro_0506

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    suzuro_0506

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    カルデア 短髪杉と阿国 高高軸
    短髪杉が一人になりたい時によく行く場所と、それを知っている阿国
    雰囲気話

    短髪杉と阿国「高杉様、いつまであの方に隠しておくおつもりで?」
     阿国が問う。
    「隠す?誰に、何を」
     ごほ、と咳を1つして、高杉が阿国の問いに問いを返した。
    「もう1人の高杉様に、貴方の身体のことを」
    「いつまでも」
     今度こそ阿国の問い対するに答えを口にして、高杉は目を閉じた。背もたれにして寄りかかっていた桜の木の根元にしゃがみ込むと、横になり背を丸める。こほ、こほ、と時折肩を小さく揺らしながらうとうとしている様子の高杉を、阿国が見下ろす。陽を背に立つ阿国の影が、高杉の上に落ちた。
    「いっそ私が伝えてしまいましょうか」
    「好きにしたらいいさ、僕が死んだ後でならね」
    「何故今言わないんです」
    「言ってどうなる」
    「何か解決方法を一緒に探せるやも」
    「別に僕はそんなもの探してない」
    「後で知ったらあの方はどう思うでしょう」
    「さあ?別に気にしないんじゃないか」
    「本当にそう思ってます?」
    「ああ」
    「でしたら、先に言ってしまっても構わないのでは」
    「なんで」
    「後で知って気にしないのなら、今知ったところで変わらないでしょう」
    「……気にしない、かもしれないが」
    「が?」
    「万が一にもあいつの顔がそれで曇るのを僕は見たくない」
    「……」
    「心配なんてされたくない。気を遣われるのはごめんだ。僕はただ、あいつと過ごせるこの時を、何の憂慮も無く楽しみたい」
     阿国が溜息をつく。
    「意地っ張りですねえ、全く」
    「僕がそうだって、とっくに知ってたろ」
    「ええ、まあ」
     阿国が、高杉の頭の隣に座る。
    「いい景色ですねえ」
     伸びをしながら、眼下に広がる野を眺めて阿国が話す。
    「そうだろう」
     目を閉じたまま、高杉は微かに笑んだ。
     静かな風が、木々を揺らして春色の花弁を舞わせている。
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    malsumi_1416

    DONE「冬に備える」
    ED後生還軸
    二人で生きると決めたテデちゃんのささやかな日常と「死者の日」について。
    過去作「味を知る話」及び前作「元使用人…」を一部踏襲しています。

    構成成分:
    石化由来の身体不自由
    風俗・習慣の捏造
    テが少々不安定

    明るい話ではないかも
    上記をご了承の上、大丈夫そうな方はどうぞ
    冬に備える ガツッ、——トン、ト、ト、ト。
    家の裏手に残されている腰かけ代わりの切り株に座り込み、手鉈を振りかぶりながら大きな丸太をひたすらかち割っていく。
    半分、もう半分…これはまだ太いからもう一回。
     もう全身至る所が石化していたため節々に少しばかり固さが残るが、去年の今頃と比較すると幾分か動きやすくなってきた身体をリハビリがてらこうして動かして、最近では家の運営にかかわる事なら少しづつ携われるようになってきた。
    けれど元々細かな作業が得意かと言われればそうでもないので、街道を外れた森に分け入り獣道を進んだ末にたどり着くこの家で出来る仕事……もとい暇潰しと言えば、もっぱら掃除と薪割りと、テランスが町から仕入れてきたり隠れ家の誰がしかがストラスの足にくくりつける手紙に紛れて寄越してくれる、野菜や果樹の種を植えている小さな畑の世話ばかり。
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