暁人は涙で濡れたぐしゃぐしゃの顔で、太陽のように笑った。
「KK、言って」
生者を死者に縛り付ける言葉を言えと、彼は残酷な事を言う。
自身で枷を作ろうとしているのだ。ただ、彼の事を一生忘れず、姿形無き後も共に歩むと誓うため。
そして、KKもまた。
粒子となって消えゆく最中、静かな夜の静寂のように微笑んだ。
「暁人」
「なぁに?」
「愛してる。ずっと」
「ぼくも!」
生と死の境界で二人は永遠の愛を誓い合った。
冥府に堕ちた渋谷の街で育んだ愛など、到底"普通"ではない。
2人だけしか分からぬ愛で、2人だけの世界で、二人は笑い合う。
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