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    botanseijin2

    @botanseijin2

    Twitterに出せないものや落書き
    撮って出しからpixivに入れないもの

    大正おばみつのエロスは【恋する美大生の夢か現実か妄想】という事にしています

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    botanseijin2

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    ・ネタSSです
    ・あえて未完成にしています
    ・低俗な方の野球拳です
    ・柱は特別な訓練を受けています

    野球拳のもとになるものは
    江戸の頃にはあったとか

    どちらが本当の結末かは
    ご想像にお任せします!

    #おばみつ

    野球拳をしないと出られない部屋に入ってしまうおばみつ………………………………………………………

    部屋を出たければ〈じゃんけん〉をすること

    一、出す手を示し合わせることまかりならぬ
    一、どちらかがX回勝つこと即ち終いなり
    一、謳い文句ののちにジャンケンをすること
    ………………………………………………………

    「それだけで良いのかしら」
    「こんなくだらない術を使うなど大した奴では無いだろうが 油断はできないな 夜のうちでなければ逃げてしまう」
    「時間がないわね やりましょう!」

     ♪やきゅうするなら
     ♪こういうぐあいに しやしゃんせ

    (甘露寺が楽しそうなのは気のせいだな)

    「「アウト セーフ よよいのよい!」」

    「私の勝ちね」
    「では次だ」
    「あら、何か出てきたわ!」
     突然現れた巻物が、ころころと勝手に開く。


    ………………………………………………………

    一、勝者が敗者の衣服を脱がすこと
    一、履物は数に入れぬこと
    一、対になるものはひとつと数えること
    ………………………………………………………

    「…なに これ
     勝った者…私が伊黒さんの」
     楽しそうに歌っていた甘露寺はもうそこには居なかった。巻物を見ながら硬直している。
    「くだらん 本っ当にどうしようもない術だ」
     ハア、と短く溜息を吐く伊黒。
    「伊黒さん!じ、時間がないので!羽織を脱がしてしまっても良いでしょうか!」
    「ああもう ひと思いにやってくれ」
     柱ともなると判断が遅いでは済まされない。アシリパさんの父の如く、即決断できて当たり前である。
    「は、はい!あっ鏑丸くん失礼します…」

     伊黒は甘露寺よりもはるかに冷静。甘露寺は半分動揺しながらも、もう半分は冷静だった。伊黒がいるから動揺し、また冷静で居られる。反する感情が同居する中、どう切り抜けるかを考えた。しかし肝心のそれが浮かばない。

    (伊黒さん、お召し物は何枚かしら。足袋は履き物に入るの?うーん…)

     羽織の下、その下の隊服、見たことないその下をさらに想像してみる。白いシャツの、更に下…

    (ああっダメ!変なこと考えてるわけじゃないの、これは任務!ににに任務よ!)

    (X回。甘露寺が負けたら?明らかにアウトだ。俺が負けるしかない。その時は目を閉じてもらうか… くだらない)

    (わ、私が負けたらどこまで…ぬ、脱ぐことに?
    伊黒さんの隊服の下なんて何枚着てるかなんて知らない、でも聞けない!聞いた方が良いかしら…どうしよう)

     互いの着ているものを勝手に想像すると、最後の一枚を剥いだ肌まで勝手に浮かんでくるが、それも任務。あくまで任務のため。

    「甘露寺」
    「はっ、はい!!」
    「俺はX回負けても問題ない。だからお前が勝つんだ、良いな」
     強い言葉と真剣な面持ちとは裏腹の、優しい声。
    「わ、わかりました、がんばります!きゃあ!」
     期待されている。頼りにされている。そして私を気遣ってくれている。こんな時でも甘露寺はキュンとした。


    ………………………………………………………

    二回戦 ◯伊黒 ×甘露寺

    「伊黒さん よろしくお願いします…」
     伊黒に気を遣わせてはいけないと、両腕を軽く広げて見せる。
    (うふふ 何だかお母さんみたいだわ)
     甘露寺はそう思う事にした。


    ………………………………………………………

    三回戦 ◯伊黒 ×甘露寺

    「わ、わたしジャンケン弱いのかしら??」
    「弱いと思ったら勝てない。次は勝つこと。君ならできる」
    「はい…」
    「悪いな」
    「ひと思いにお願いします!」
     甘露寺の上着を脱がすために、伊黒がベルトに手をかける。

    (ああ、伊黒さん。ドキドキしちゃう。こんなの冷静になんてなれない。だめよ、ダメダメ!)
     伊黒は動揺していない。自分だけ顔に、脈に、力の入る手に、唇に。わずかとは言え、表に出ている。柱なのに、これではいけない。普段ならば、胸の高鳴りは彼女の力の原動力でもあるが、今回は制御できなくなるのではないか。呼吸に集中しなければ。甘露寺は己に言い聞かせる。


    ………………………………………………………

    四回戦 ◯伊黒 ×甘露寺

    「さ、さすが伊黒さんジャンケンも強いなんて!」
    (あ、呆れてるわよね…)
    「………甘露寺、どうすれば」
    (ひゃあああ!何を脱がしてくださいって言わなくちゃいけないのね!そうよね、伊黒さん困ってる!!)
    「わ、私あまり厚着していないので!靴下をお願いします!座りますね」
     隊服の丈が短く、恥じらっていたから送った靴下だったのに、それを自分の手で脱がす事になるとは。しかも鬼のせいで、こんな場所で。
    「甘露寺、任務ゆえ許せ」
     伊黒は跪き、肌触りの良いそれを淡々と脱がしてゆく。その肌に指先すら触れないよう、速やかに。
    「不調法だった」
    「すみません!お、お手数をおかけしました」
     あわあわと手を出して靴下を受け取る。
    (これ以上負けられない。背水の陣!)


    ………………………………………………………

    五回戦 ◯伊黒 ×甘露寺

    「……最初の勝利はどこに行ったんだ」
    「伊黒さんが強過ぎるのよおお!!」

    (…あのシャツが無くなったらどうなる)
    (どうしようどうしよう…)

    「伊黒さん、ごめんなさい ほんとうに 私ならできるって言ってくれたのに こんな事させるなんて申し訳なくて」
    「君のせいじゃない 俺も勝てと圧力をかけた 怪我をするわけじゃない 問題ない」
    「伊黒さん こんな時まで優しいのね…」
     恥じらっていても、何一つ解決しない。
    「あの、ごめんなさい 見苦しいと思うけれど… スカート、お願いします あの!あの、もちろん下穿きは身につけています それにシャツで半分隠れているから…」
    「…わかった 悪いが腹を括ってくれ 動かずじっとしていて欲しい 絶対に触れないようにする」
    「は、はいっっ!!」
    「鏑丸、頼む」
    「えっ?」
    「頃合いを見て、鏑丸が俺の目を隠す」
    「なるほど!」

     さして躊躇わずにベルトに手をかける。
    (伊黒さん… ごめんなさいごめんなさい)

    「あのう、ちなみに上はシャツでお終いです」
    「……承知した」 

     伊黒の相棒は不思議で仕方がない。なぜ人間はどいつもこいつも色々な布を何枚も巻き付けているのかと。そう思いつつ、しゅるしゅると動いて伊黒の目を隠す。


    ………………………………………………………

    六回戦 ◯甘露寺 ×伊黒

    「はあ やっと勝てたあ」
    「頼む」
    「はい♡」

     ぷち ぷち ぷち

    (……甘露寺が楽しそうなのは気のせいか)
    (あわわ 白シャツの伊黒さんも素敵!!)
     甘露寺はため息をついた。隙のない隊服姿から、かなり私的な雰囲気になる。身体の線に合わせて縫製されているため、その下を嫌が応にも想像させる。
     今はひたすら目の毒だ。鬼殺隊に入り、男性の上裸などとっくに見慣れたはずだが、訳が違う。

    「甘露寺、ここから出られず腹が減っても、俺は不味くて食えないだろうな。鏑丸ならいけるだろうか」
    「え?」
     甘露寺と鏑丸がキョトンとする。
    「早く出なければ甘露寺が飢えてしまう」
    「あわわ、かっ鏑丸くんは食べないわ!」
     本当に?鏑丸も甘露寺をからかった。


    ………………………………………………………

    七回戦 ◯伊黒 ×甘露寺

    「…甘露寺、もう一度確認するがシャツの下は」
    「あの、何も身に付けていません… すみません」
    「ことが終わるまで動かないでくれ もし部屋が開いたらすぐに出ろ 開いたらの話だが」
    「はい!」

     もうだめ気絶しそう!!動揺しないでいろという方が無理だ。皮一枚の「冷静」を突き破って、恥ずかしさに支配されそうだ。伊黒が甘露寺のシャツの一つ目のボタンをはずす。甘露寺の体温と心拍数が上がる

    「何も考えなくて良い」
    「は…」
    (恥ずかしがったらだめだめ!伊黒さんの方が困ってるはず)

     さすがは正確な太刀筋に定評のある蛇柱。見えてるかのように、シャツにだけ触れる。それでもシャツが動けば、伊黒が甘露寺の肌を間接的に撫でる。
     直接見ていなくても触れていなくても、伊黒が彼女の身体を頭の中に描き、指先に神経を集中させているという事実。異性を知らない甘露寺にとって、それはもう見て触れているのとあまり変わらない。

     残酷なほど順調に、背中からもシャツが離れて行く。何の覚悟もないまま、この人の前でこの身の半身を晒している。冷静でいろと言う方が無理だ。

    「伊黒さんごめんなさい、私、わたし」

     少し身じろぎしてしまった、では済まなかった。思った以上に身体が揺れ、伊黒の手に甘露寺の胸が触れた。よりにもよって敏感な部分が、よりにもよって左右とも。

    「ああっ」

     甘露寺は自分の口と胸を押さえた。
     何?今のは、今の感覚は…

    「甘露寺、動くなと言ったぞ」
    「ご、ごめんなさい!本当にごめんなさい」
    「謝らないでくれ 何も悪くない、何も 俺が悪い」
    「こんな、こんなの初めてなの伊黒さん」
     甘露寺は冷静さを失いかけている。いけないと分かっているのに。
    「呼ぶな 終わったら身体を隠せ」
    「伊黒さん、こんな、わたし」
    「何も言うな」
    「伊黒さん、私を見て お願い、一度だけ」
    「できない」
    「私、見苦しいかな、やっぱり」
    「そういう意味じゃない 絶対に綺麗だ」
    「み、見た事ないのにそんな風に言われても」

    (アア イツマデ コウシテイル?)

     一瞬だった。呆れた鏑丸が、しゅるんと伊黒の顔から離れた。
     甘露寺のシャツに手をかけたまま、彼の視線が甘露寺の顔から下に動いたのがわかった。勝手に目が吸い寄せられた。鏑丸が離れるのに気付いていながら、抗えなかった。この世の何よりも君が
    「綺麗だ、とても 本当に」
     甘露寺の目に涙が滲んだ。



     部屋が開いた。勝負すら出来ずに終わるだろうと、すっかり鷹を括っていた低俗で姑息な鬼。あっさり頸を斬られた。これにて勝負有り。



     静かに身なりを整える。当然互いに背中を向けたまま。
    「伊黒さんごめんなさい 綺麗って言われて、嬉しかった 私、ちょっと見た目とか体質が人と違うし、その…」

    「         」
     伊黒は、さも当たり前のように言った。

    「それに、そんなに謝らないでくれ むしろ俺の台詞だ 本当に悪かった」
    「…はい」
     甘露寺も、そう答えるのが精一杯だった。それ以上言わなくても、二人には充分だった。



     空が夜明け色に変わっていく。終わりの時、彼は理不尽な文句を言われるために来たようだった。
    「無事のようだな」
    「わざわざ何しに来た。つくづくお前は使えぬ奴だ、遅い」
    「遅い?まあ、無事であれば問題ないな」
    「ああそうだな。擦り傷ひとつない。だからお前が来た意味もない」
    「何かあったのか」
    「うるさい!もう喋るな」
     何故そんなに怒っている?冨岡には訳がわからなかった。





    ………………………………………………………

    甘露寺勝利バージョン


     羽織、隊服の上着、シャツ、足袋と来て、さて次はどうすればと甘露寺が考え出すのと同時だった。伊黒が右手で己の左頬に触れる。

    「人に見せるのは気が引けるが、この包帯を外してくれ」
    「あ…」

     煉獄と三人でいた時に聞いた事がある。古い傷があり、痛むことはないが、見る人間に詮索されたり気を遣わせたりしてしまう。いちいち事情を説明するのも面倒なことであるし、人前に晒す事はしたくないからと言う事だった。煉獄は包帯の下の顔を知っているようだった。

    「俺は全く気にならないが、そう思わない人間が居ることも想像できる 痛みがないのであれば問題ないだろうと俺は思う」

     目は口ほどに物を言う、とはよく言ったものだ。伊黒はいつも優しい眼差しを向けてくれる。見せない口の代わりに、人柄や感情を豊かに物語っていた。

    「…わかったわ あの、伊黒さんは嫌かも知れないけれど、私は気にしないわ」
    「君は優しいから、そう言ってくれるだろうな ただ、見苦しい傷なのは事実だ」
    「そんな風に言わなくても良いのよ 失礼します えっと…」
      伊黒の背に回り、包帯の先を探す。
    「首の後ろ……そう、そのあたりで解ける」

     はらり  

     頬を手で隠そうか、いやいっそ見せてしまおうか。親しくしているからこそ気になっているだろう。その頬が、少しだけ外気に晒されたかというその時。

     間違いない、あいつだ。
     あの人が来てくれた。

     ゴトリ

     外で硬く重そうな何かが落ちる音がした。その直後、二人を閉じ込めていた部屋は、砂が舞うように、瞬時に消えた。

    「無事か?二人とも居るな」
    「煉獄さん!来てくれたのね!」
     甘露寺がはしゃぐ。煉獄の目には否が応にも、脱ぎ捨てられた衣服が目に入る。
    「後生だ 面倒だから何も聞かないでくれ 利口なお前に説明するまでもなく、やましい事は何もしていない 怪我もない 鬼の奴が斬れればそれで良い」
     話の早すぎる男には、それで伝わってくれた。
    「うむ、了解した お前がそう言うのならば何も聞かん!」
     二人は落ち着いた様子で衣服を拾い身に付ける。
    「今日はこれで終いだな、夜明けだ」




    「なあ煉獄よ」
    「うむ、何だ」
    「やはりお前は頼りになる男だ」
     包帯の下に柔らかな笑みを浮かべ、伊黒は呟いた。
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