未定未推敲
いつもの名前ありのメスッテ
柔らかなシーツと上掛けの間に体を滑り込ませて隣にいる愛する恋人におやすみの挨拶をする。優しいキスをおでこにもらって嬉しさで胸がいっぱいの中、緩やかな眠りについた夜。そう、浅い眠りの中で自分を呼ぶ声がする。
「……れー…コレー、」
優しいけれども、どこか切ないような声。コレーは寝ぼけ眼で声の主、隣で横になっていた恋人の顔を見た。
「…ヘル、メス? どうかした…?」
あふ、とあくびが漏れて数度瞬きをすると、ヘルメスの大きな腕が回されて抱き寄せられた。突然の事に驚いて少し意識がはっきりとする。そして自分の首元に彼の顔が埋められて熱い吐息が漏れるのを感じる。
「その、すまない……突然だから、嫌なら拒否してくれて構わない、」
低くて優しい、けれどもどこか熱を帯びた声が余裕を無くしているのがわかる。こんな姿は初めて見るものだから胸が音を上げる。嬉しい、駄目だ顔に熱が集まって嬉しくてたまらない。
「君と、したくなってしまって…」
ああ、どうして、この人はこんなにも私の気持ちを掻き乱してくるのだろう!! 自分も彼を抱きしめ返して体を擦り寄せてみると、硬くなった彼自身が脚に当たり、胸が疼く。
「わ……熱い、…」
思わず呟くと彼は赤らんだ顔を耳まで赤くしてまた、恥ずかしそうに私の肩に顔を埋めた。そして小さな声で謝るのだ。
「謝らなくていいのに…嬉しい、から」
笑ってそう答えれば、埋められていた肩口に、首に、唇が落とされる。いつもより性急で、余裕と理性を失くした様に何故か泣きたくなる程に嬉しい。ああ、駄目だ、好きで一杯になってしまう。抱き寄せていた腕が、手が、服の上から背中を撫でる。そうしてお互いの唇が塞がれて、舌が絡まった。