気持ちだけ先走っても進めません「なら、準備をしないとな」
「え……?」
俺の腹に回していたシュウの腕を掴み、バスルームへと引っ張っていく。
ベッドルームに連れて行かれると思っていたシュウは連れて行かれた先が、バスルームで少し混乱しながら導いた先の背中に問いかける。
「ふ、ふーちゃん?一緒にシャワー浴びるの…?」
「いや、⸺⸺⸺」
フォルガーは掴んでいたシュウの腕を引き寄せ、反対の腕を細い腰に回し抱き寄せた。
「シュウは男が抱かれる時に何処を使うか知っているんだろう?」
困惑の色を見せていたシュウの顔がこれから自分が行われる行為が分かったのか、みるみる顔が赤くなり視線を彷徨わせ俯く。
「わか…ってる…から、じぶんで…やる……」
「自分で?未経験のお前がか?ここの”ナカ”をキレイにするんだぞ?そんなこと一人でできるのか?」
腰に回していた腕を緩め、指先を滑らせるように臀部の割れ目へと沿わせていく
「…ぁ」
シュウはびくりと身体を跳ねさせ、怯えなのか、緊張からなのか、身体を震わせていた。
こんな微かな刺激でも震えている。
このまま本当にすすめていいのか?こんな状態で俺はシュウを抱くのか?
「……なぁ、シュウ聞いてくれ。お前はなんでsexがしたいんだ?俺で経験値を上げたいだけなのか?……俺は………お前のことが大事で、この関係も大切にしたい。こんな、勢いだけでsexはしたくないし、このままじゃできない」
そう告げると、シュウは俯き、自分の身体を抱き締めぽつぽつと喋り始めた。
「……ふーちゃん、だから……」
「俺だから?」
「ふーちゃんとだから…したいんだ。…前に『好きだ』って伝えた時に、『俺もシュウの事が好きだぞ!いつも皆を当たり前のようにサポートしてくれて〜〜』って語りだしたでしょ…………。告白したつもりだったのに、全然伝わってなかった。………もう、どうしたらいいかわからなくて。今夜、誘うしかないって思って……」
あぁ…過去の自分を殴り飛ばしたい。
シュウが告白するのにどれほどの勇気が必要だったか、それを気付なかったなんて…。
「シュウ、すまなかった…。お前がそんな風に思ってくれてたなんて………」
「………ふーちゃんもぼくの事好きなのは何となく分かってたけど、何もしてこないし、ぼくに魅力が足りないせいかなって」
「そんな事はない!シュウは魅力的だ!その口角の上がった口元も、その白い肌も、黒い髪も、細い腰も!」
「それってぼくの魅力って見た目だけって事?」
「いや、俺がシュウを語ったら一時間でも足らないずっと喋っていられるぞ!」
「ンフフフ、それはまた今度にして」
肩の力が抜けたのか、いつもの調子で笑い出したシュウを見て安心する。
やっぱりシュウとはこうやって笑いあっている方が好きだ、シュウには何時までも笑っていてほしい。
こうして君と一緒にいたい。
「シュウ、大好きだ。俺の恋人になってくれ」
両手を広げシュウがこの胸に身体を預けてくれるのを信じて待つ。
シュウは「えっ、あっ」と声にならない声を上げオロオロとしていたが、心が決まったのかおずおずと俺の身体に腕を回し胸に頭を埋め「……はい」と小さな声で答えた。
「シュウ、でこの後は”ヤる”のか?」
「え………………?」
言葉が理解できずフリーズしたままだったのが意味が分った瞬間に首から頭の先まで真っ赤に染まっていく。
これは意地悪な質問だったかな。「冗談だ…」と言いかけた時に。
「……………ヤる。……『後悔しない』って言った
」
そう言うと、シュウは抱き締めたままの俺の身体を更に強く抱き締めた。
「ふーちゃんと一緒になりたい」
初めての辛さは自分がよく分かっているせいか、意地になって事を進めようとするシュウが心配になる反面、こんなに強く自分と繋がりたいと思ってくれていることが嬉しくて事を進めたくなる。
「分った。辛そうなら途中でやめるからな?いいな?」
「………うん」
それから風呂場で”中”をキレイにする手解きをし、ベッドで愛撫をし、中に指を入れ解しながら前を扱いてイかせたらシュウは意識を手放した。
未経験者にはやはり刺激が強すぎたようだ。
シュウには俺でゆっくりと経験値を上げてもらうとしよう。