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    subaru_no_iine

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    subaru_no_iine

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    情緒がバラバラなので、ジュンブラで出る予定の居酒屋以蔵繁盛記(ステークホルダー編)の冒頭を流します~イドとは全然関係ないですが後輩バイトくんが安藤リカルドくんになりました。
    ゆるふわ土佐弁・現パロ

    #Fate
    #FGO
    #以ぐだ♀

    居酒屋以蔵繁盛記(ステークホルダー編)『土佐居酒屋以蔵』のドアを開けると、ドアベルが鳴った。
    「いらっしゃいませ!」
     ロゴ入りエプロンを着けたアルバイトの安藤リカルドが声を上げるが、
    「……あ、藤丸さん」
     と言い直す。
     その言葉が聞こえたのか、以蔵が厨房から顔を出した。
    「おう、よう来たのう」
     頭にタオルを巻いて、ロゴの入った前かけを着けているのは立香が働いていた時と同じだ。夏になりかけているから、既にTシャツ姿になっている。
    「……来ちゃいました」
     立香はとろみ素材の、身体の線が出ない長袖ブラウスにワイドパンツを合わせている。
     オフィスカジュアルはカジュアルと言う割には気を遣う。学生時代に着ていた服は役に立たず、結局着回しのできる服を何着か買った。
     スーツで働ける男の人はいいな……と思うこともある。
     バッグをカウンター下の荷物置き場にしまうと、リカルドがおしぼりとお通しの切り干し大根の煮物を差し出してきた。
    「かばん重そうっすね」
     トートバッグは丈夫で、タブレットやA4サイズの書類が入る。
    「荷物置いてから来てもよかったんじゃないっすか」
    「一度座っちゃうと動けなくなるから……」
     研修が明けて、営業に配属された立香にはやることも覚えることも山のようにある。今日は初めて会議の議事録をつけた。前もって作り方を調べたとはいえ、実際の業務とはやはり違う。
     これから先輩について営業の現場を回ることになるが、その前に学ぶことはいくらでもある。パワーポイントの作成方法やデザインの基礎などは大学で学んだものの、ビジネスにおける基本的なことは何もわからない。プレゼンの際の効果的なスライドの見せ方や文字の適切な大きさなどを会社で共有されている資料から引き写して勉強する。
     くたくたになって帰宅して、メイクを落として入浴して夕食を摂ってベッドに倒れ込んで、気づけば朝だ。
     ノー残業デーの水曜日も、放っておけば肉体的な疲れを取ることに時間を取られてしまうのはわかりきっている。
     心の栄養を摂るために月二回は『土佐居酒屋以蔵』に顔を見せたいのに、少し休むつもりで朝まで寝落ちしたら切なすぎる。
     ため息をつく立香に、リカルドは微笑んだ。
    「いつものっすか」
    「いつものっす」
     長財布から、A4の紙を縦二等分、横六等分した紙を取り出す。
    「店長、生一丁」
    「わしが出すき」
     三ヶ月以上働いているリカルドも既にビールサーバーの使い方は習っているはずなのに、立香が『ドリンク券』を差し出す時はいつも以蔵がビールを注ぐ。
    「ほれ」
    「ありがとうございます!」
     差し出されたグラスを受け取り、正面を見ると以蔵もグラスを持っていた。
    「乾杯」
    「はい、乾杯」
     カウンターの内と外でグラスを合わせ、麦わら色の液体を喉に流し込む。弾ける炭酸と、ほどよい苦味が舌を刺す。
     立香がひと口飲む間に、以蔵はグラスの中身を半分にしていた。
    「大将、飲みすぎですよ」
    「こがぁなん、まだまだ序の口じゃ」
     心配する立香を、以蔵は笑う。己の健康を微塵も疑っていないところを、アルバイト時代から気にしているのだが。
     そもそも、本来なら以蔵が自分の分のビールを飲む必要はない。
    「おまんに一人で乾杯さすわけにはいかんき」
     と、初めてドリンク券を使った時に言ってくれた。
     それだけ、立香をねぎらいたいと思ってくれている。卒業したアルバイトのことを、今も気にかけてくれている。
     そのことに、立香の胸は温かくなる。
     三月にドリンク券をもらってしばらくは、『かえって気を遣わせてしまったのでは?』と不安になって使うのをためらっていた。
     けれど、もらった厚意を無碍(むげ)にするのもそれはそれで失礼だ。
     だから、己のペースで居酒屋以蔵に顔を出すことにした。
     その代わり。
    「大将、注文いいですか。揚げ出し豆腐ひとつお願いします」
     立香が頼むと、以蔵はため息をついた。
    「ほいじゃき、言(ゆ)うちゅうろう。おまんはビールだけ飲んじょきゃえいがじゃ。ほんためのドリンク券じゃき」
    「そんなわけにはいきません。わたしだってもうお給料もらってるんです、このお店のアルバイトじゃなくてお客さんなんです」
    「あー……めった。揚げ出し豆腐、一丁」
     そう言って、以蔵は厨房に戻った。
     立香は改めて、ビールを呷る。
     成人してから、女子会やゼミの飲み会で飲酒を始めた。甘いカクテルは口当たりがよく、ビールは苦かった。
     よく、「大人になったらビールのおいしさがわかるよ」なんて言われるが、就職しただけではまだ大人になりきれていないらしい。
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    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・ふたなり
    ・メリバの予定
    ジュンブラで本になります。
    両想いになります!話自体は両想いで終わる予定なんです(すれ違いも盛り込まれますが)幸せな空気を目いっぱい吸っている以ぐだちゃんだけを見ていたいですけどこの話オメガバなんですよ(ゲス顔)お互いに相手をわかり合ってるのいいですよね🙆‍♀️
    すてきなわたしの夢 7 金曜の夜、イタリアンバルのドアの前で、会計を済ませる立香を待つ。
     ほどなく、上機嫌の立香が出てきて以蔵の腕にしがみついた。
    「いぞーさん、お待たせ~」
     ハートの絵文字が見えるような口調だ。
    「そしたら、行こっか。いいお茶買ったの、淹れて飲もう」
    「茶か……茶なら、ちっくと飲むがが遅れたちえいろう?」
    「え?」
     以蔵の言葉が思いがけなかったのだろう、立香は目を丸くした。
    「ケーキ買うてあるがじゃ。今夜はうちん家に来んかえ」
    「ケーキ……なんで?」
    「おまんと食いとうて」
    「なんで、うちじゃなくて?」
    「おまんと話いとうて」
    「何の話だろ……」
    「着いたら話す。おまんがえいなら行くぞ」
    「はい」
     以蔵の腕に掴まり、立香はふわふわと歩を進めた。
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    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・メリバの予定
    ジュンブラで本になります。
    実は漫画家鉄蔵先生という設定はこれありきではなく展開の都合上生まれたのですが、天才が存在する・絵がうまいからやっていけるわけではないというのがキャラクターに合ってるなと思ってます。
    少し風向きが変わってきて、二人はどうなるんでしょうね。
    わたしのすてきな夢 6 何度か『取材』を重ねた。
     少しずつ、立香のクレバスの様子が変わりつつある。
     硬直していた襞に柔軟さが宿り、一本だけなら以蔵の指を受け容れられるようになった。
     しかも、縁の花弁の厚みがわずかだが増した。
    (こがぁにざんじ変わるがかのう……?)
     と、疑問を覚えるが、ネットにはαやβがホルモンバランスを崩してΩへと変化してしまったという話もあるので、そんなものだろうという感覚でいる。ネットの話に信憑性を見出すのも間違っているかもしれないが。
     人一人の身体を作り替えてしまっている、ということの恐ろしさも感じるものの、
    (まぁ、本人がえい言いゆうことじゃき。わしは知らん)
     今夜も立香のしなやかな脚の間に陣取って、長く伸びたものと狭い穴に愛撫を施した。
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    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・メリバの予定
    割と岡田の行動が酷い男寄りです。純情を踏みにじられたと怒っているので、今は見逃してやってつかあさい。βは『男が会計を持つもの』と思っていますがαは『αが持つもの』と思ってそうです。そういう常識のギャップを描くのも楽しいです。
    前半パートと後半の頭をWebで公開して残りは本に入れようと思っています。
    わたしのすてきな夢 5 最寄り駅のロータリーに、知らされていた通りの黒に近い濃紺の色のセダンが滑り込んだ。
    「以蔵さん!」
     車窓から身を乗り出して手を振る立香を危なっかしいと思いながら、以蔵は助手席に乗り込んだ。
    「お待たせ」
    「言うほど待っちゃぁせんよ」
    「じゃぁ、待ってなかったってことにしようかな」
     くすくすと小さく笑いながら、立香はアクセルを踏んだ。
     先日のオフィスカジュアルもフェミニンだったが、私服だとよりその傾向が増すらしい。
     ショート丈の白いジャケットに、紫色のシアースカートを合わせている。メッシュ素材が運転席のレバーなどに引っかかりはしないかと心配してしまうのだが、本人は気にしていないらしい。
    「車らぁ、持っちょったがか」
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    subaru_no_iine

    DONE以ぐだ♀ オメガバースパロ β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ゆるふわ漫画業界
    ・今後バッド~メリバエンドになります
    ぐだちゃんと岡田が逢いました!次はRがつきます。漫画業界の話をするとここがオメガバースの世界だってことを忘れそうになりますが、オメガバの世界だってみんな普通に生活してるんだよな…と思い出します。βから見たαとΩを考えるのも楽しいですね。
    わたしのすてきな夢 3『やりました!』
     立香は歓声を上げた。
    『五百バズですよ!』
     しかし以蔵は現実を知っているから諌める。
    「漫画で五百らぁ、珍しゅうもないですき」
     イラストで『バズった』と言われるには、最低でも一万はいいねがついていないといけない。
     以蔵はそんなにいいねをもらったことがない。コミックスの表紙イラストを発表した時でさえ、千いいね程度だった。
    (しかもほれも、わしの実力でもろうたわけやないきのう……)
     けれど立香は、興奮を抑えない。
     きっと頬を赤くして、目をきらめかせているだろう――と考えてから、
    (わしはこん人の顔も知らん)
     と、当たり前のことに思い至る。
    『わたしは漫画やイラストのことはわからないですけど、このブランドを担当してから五百いいね行ったのは初めてなんです!』
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    subaru_no_iine

    DONE以ぐだ♀ オメガバースパロ β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ゆるふわ漫画業界
    ぐだちゃん登場です。わたしの中のぐだちゃんはブルドーザーαなんです…普通に土佐弁と意思疎通できてますがそういうものだと思ってください、後で直すかもしれません。わたしも天才作家(まだ内実はない)土井鉄蔵先生と一緒に創作作業がしたい…これはもしや初めての共同作業なのでは?
    わたしなすてきな夢 2 藤丸立香と名乗った女とスカイプでフレンドになった。
     コスモスの花をアイコンにした立香は広告代理店の営業だと言う。
     初手は通話とチャットでやり取りすることにした。
     活発そうな声で、立香は話しかけてくる。
    『すぐ仕事お願いできる漫画家さん探してて、土井先生のツイッターとポートフォリオ拝見したんです。あっ、うまいなって』
     通話で妙に高い熱量をぶつけられる。
     今の以蔵にとって、『うまい』は褒め言葉ではない。
     精確な絵を描ける技術があっても、北斎のように世界の美しさを切り取って紙の上で鮮やかに再現させたり、ティーチのように既視感を抱かせない世界で血湧き肉躍る読後感を与えられなければ、宝の持ち腐れだ。
     コミカライズは小説やゲーム媒体へのハードルを高く感じてしまっている読者とコンテンツを橋渡しする仕事で、確かに意味はある。けれど、自分のあずかり知らないところでトラブルが起きたらどうしようもない。
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