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    あまや

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    あまや

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    SSS/日和と英智 桃李について
    タイトルは同名の絵画から
    英智にとって桃李は白い馬(希望)だという話

    初出22.09.01

    ##CPなし

    白い馬の見える風景「きみの罪は数えきれないほどあるけれど」
    「なんだい藪から棒に」
    湖へ向かう木立の中で日和が徐に口を開いた。
    猛暑を嫌ってやってきた避暑地に日和がいると知っていれば英智はわざわざここを選ばなかっただろう。大財閥の御曹司の所有する避暑地は毎年異なる場所を選んでも余るほどある。それでも連れてきた可愛い桃李が日和を見つけて本当に嬉しそうに笑うので英智は大人気なく別の別荘へ行こうと声をかけることができなかった。格好悪いところは見せたくなかったのだ。
    「あの子をアイドルにしたことだけは、きみの唯一と言ってもいい功績だと思うね」
    日和の視線はずっと先を軽やかに進む桃李に向かっている。さわさわと麓よりいくらか涼しい風に吹かれて鳴る葉擦れの音に紛れて、少年特有の甘い声が微かに聞こえた。隣を歩く弓弦となにやら楽しそうに喋っている様子が微笑ましい。兄と弟のようなそれを見ながら英智はふっと笑った。
    「僕があの子をアイドルにしたんじゃないよ。あの子が、僕をアイドルにしてくれたんだ」
    「……そうだね、あの子が“ぼくたち(fine)”に意味を与えてくれたんだね」
    木漏れ日がまだらに桃李に影を落として、水面のように移ろう。振り返った桃李の瞳がちょうどその光に当てられて鉱石のようにきらりと眩く輝いた。
    「英智さまー!日和さまー!置いてっちゃうよー!」
    随分離れてしまった二人へ向けて桃李が大きく手を振った。弓弦に被せられた大きな麦わら帽子がひまわりの花のように見えた。
    希望の花は今日も美しく咲っている。

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    あまや

    TRAINING習作/凪茨(主人公ジュン、下二人メイン)
    ⚠︎パラレル。アイドルしてません
    三人称の練習兼、夏っぽいネタ(ホラー)(詐欺)

    登場人物
    ジュン…幽霊が見える。怖がり
    茨…ジュンの友達。見えない。人外に好かれやすい
    おひいさん…ジュンの知り合い。祓う力がある(※今回は出てきません)
    閣下…茨の保護者
    三連休明けの学校ほど億劫なものはない。期末テストも終わりあとは終業式を残すのみではあるのだが、その数日さえ惜しいほど休暇を待ち遠しく思うのは高校生なら皆そうだろう。ジュンはそんなことを思いながら今日もじりじりと肌を焼く太陽の下、自転車で通学路を進んでいた。休みになれば早起きも、この茹だるような暑さからも解放される。これほど喜ばしいことはない。
    「はよざいまーす」
    所定の駐輪場に止め校舎へ向かっていると、目の前によく知った背中が現れた。ぽん、と肩を叩き彼の顔を覗き込むとそれは三連休の前に見た七種茨の顔とはすっかり変わっていた。
    「ひええ!?」
    「ひとの顔を見てそうそう失礼な人ですね」
    不機嫌そうな声と共にジュンを振り返ったのはおそらく七種茨であろう人物だった。特徴的な髪色と同じくらいの背丈からまず間違いなくそうだろうと思い声をかけたのだから、振り返った顔はジュンのよく知るメガネをかけた、男にしては少し可愛げのある顔のはずだった。が、見えなかったのだ。間違った文字をボールペンでぐるぐると消すように、茨の顔は黒い線でぐるぐる塗りつぶされていた。
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