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    オスカーの0721

    0721の日 じっと寝顔を見つめる。ここ数日、イクリプスの強襲により寝る間も惜しんで戦い、事後処理に追われていた。それがようやくひと段落ついて、こうして眠ることができている。
     何日かぶりに、同じベッドで眠ることができる。とはいえ明日も仕事で、触れることなど許されない。分かっている。分かっている、のだけれど。
    「……かわいらしい」
     静かな寝室に、その声は思ったよりも大きく響いてしまう。寝なければと思うほどに身体が昂る。処理をするなら、シャワーかトイレか、どちらかに行くべきだ。理性はそう判断するのに、本能がこの顔をずっと見ていたいと言って聞かないのだ。
     声を出さないように、起こしてしまわないようにと注意をして、自分のものを取り出す。まだほとんど触れていないにも関わらず、それは首をもたげている。先走りの滑りを借りて扱けば、すぐに臨戦体制になる。
     普段、目の前にいる、この小さな頭で俺のを舐めてくれている。小さな口は、ハンバーガーを食べることさえあまり上手ではないのに必死に俺のものを舐めているときがあまりにも愛おしくて、気持ちよくて、つい腰を動かしたくなる。それは、許容できないほどのものを突っ込むことで、何度かえずかせてしまった。目いっぱいに涙を溜めて、げほげほと喉を押さえながらえずく姿まで扇状的で、不安になった。
     俺はいつかこの人を壊してしまうのではないか。
     大丈夫と笑ってくれたけれど、その不安がいつだって頭を過ぎる。それでも、していい? と聞かれて嫌とは言えない俺の浅ましさをいつも実感するのだ。
    「っ、ふ……」
     声を抑えて、扱く。
    「は、……っ、ふぇいす、さん」
     扱いているのと反対の手で唇にそっと触れる。起こさないように、しなくては。
     俺のものとは違って、しっかりと手入れされた唇は柔らかい。緩く開いた口に指をそっと差し込む。ちうと吸われて、起こしてしまったかと顔を見てもまだ眠っているようだ。
    「ふ、は……っ、う」
     かり、と指を噛まれて、慌てて指を引き抜く。ティッシュでこぼさないように押さえて、出たものをゴミ箱に処理する。
     悪いことをしてしまった、ともう一度顔を見るとマゼンタピンクの瞳がこちらを見ていた。
    「おすかぁ、足りなかった?」
     最近、してなかったもんね。ごめんね……と俺の上に乗ろうとする。
    「ち、ちが、あの、えっと……」
     足りない、というよりも自制してるであってとしどろもどろに答える。
    「いいよ、しようよ。ね……満足するまで抱いてよ。俺が意識飛ばしちゃっても、」
    「ダメです! 俺はあなたと愛し合うためにセックスがしたいのであって、疲れたあなたに無理矢理なんて嫌です。……今度のお休みに、いっぱい愛させてください」
     ぎゅうと強く抱き締めれば、諦めたようにフェイスさんの身体から力が抜ける。
    「今日はそれで絆されてあげる。……今度、一人でしたら襲っちゃうから」
    「今回は俺が襲ったようなものだと思うんですが……」
     いいのとキスを一つ。
    「今日はもういい子に寝るんだよ?」
     腕の中で眠りにつこうとするこの人の、その温もりだけでもう一度と言い出す身体を叱咤して、眠りにつく。次の休みが楽しみだ。
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