黒電話それは、避難誘導中偶然見つけた物だった。
大型ヴィランの進行方向の住民たちを避難させ、まだ取り残されている住民は居ないか確認している時の事。
暑い日だったからか、避難するときに戸締まりを怠ったのかはわからないけれど、その家はガラス戸が大きくあけ放たれていた。
不用心だなと思って覗き込んだ先に、今時珍しい、というかまず使えないのではないかという代物が有る。
「黒電話……?」
懐かしいを通り越して異様な物を感じた。
ネット小説で何度か見かけた、電話線を切断しても鳴る黒電話の話を思い出す。
いやまさか、鳴らないよな?
流石に置物だよな?
黒電話の中身の機械を外して貯金箱にしてる人、見た事有るもんな。
などと考えていたら、嫌な予感は的中しやすいもので
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