No title #1渡り廊下から見える隣の棟の小さな教室
そこで一人キャンバスに向かう君を見つけた
「…天使が居たんだ」
顔を両手で覆いながらつぶやく浮奇に、ユーゴはミルクシェイクを啜りながら質問した。
「…Angel?どこでそんな可愛い子を見つけたんだよ?」
学食で購入したまだ一口も手を付けていないパスタをフォークで虐めながら、浮奇は恨めしげに顔を上げる。
「…わかんないんだよ」
そう言って、浮奇はことの顛末を話し出した。
A教室から出てすぐの渡り廊下あるでしょ?…そう、三階の。
一限が始まる前、ちょっと声出しがしたくて早めに教室に行こうとしてたの。
そうしたらいつもはカーテンが閉まってるところ、その窓から見える教室に天使が居たんだよ。
2691