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    rokuta456

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    rokuta456

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    本のおまけにしてました

    鳥とフーシーについて風息が鳥と一緒に映っているグッズ及び公式描き下ろしイラストの数を数えてみたことがある。私が知っているだけで7種類くらいあった(記憶頼みなところがあるので、あまり正確な数字としては捉えないでいただけると幸い)。
    これが多いのか少ないのかは分からない。
    鳥と風息の関係って一体なんだろうと私が初めて思い至ったのは、字幕版パンフレットの表紙(日本語吹き替え版でエンディングの最後に出てくる集合イラスト)だった。
    わたしがいちばん好きな羅小黒戦記の絵だ。ものすごく余談ですが、この絵に映ってる虚淮が全虚淮の中でいちばん可愛いカットだと思うので見てください。
    この絵に描かれている風息が、小鳥と見つめあっているのを見たのがすべての始まりだったように思う。
    あまりにも違和感がないので初見はほぼスルーしていたが、よく見るとこの風息、小鳥を手に乗せている。一体どうしてこんな可愛いことをしているんだろうか。なぜ小鳥。いやほんと何なんですか本当に可愛い。
    わたしが初めて買った羅小黒戦記のグッズはクラファンのフィギュアだったが、ここでも彼は鳥といる。
    そう、またいるのだ。また小鳥を指先に乗せている。しかもよく見ると、肩にもう一匹いた。増えている。
    その次に買ったグッズはアクキーだったが(ココナッツを持っているデザインのやつです)ここにもやっぱり小鳥がいた。当時は今ほどグッズの数は多くなく、その中で三種類も小鳥と一緒の絵があるのはやはり多い方なのではと思いはじめた。
    当時羅小黒戦記未視聴だった友人に「フーシーって、あの小鳥と一緒に映ってる子ですか?」と言われたことを未だに覚えているが、つまり何も知らない人がグッズだけを見たら鳥と戯れる系のキャラだと思いかねない程度には鳥と一緒にいるということだろう。
    かわいい猫ちゃんが出てくるハートフルストーリーだと思って見たらボコボコにされて帰ってくるのが羅小黒戦記という作品だが、もしわたしがこのグッズの風息だけしか知らずに映画を見ていたら、やっぱり可愛い森の妖精さんが出てきて鳥や動物と暮らすハートフルストーリーだと思っていたかもしれない。いずれにしてもおまえは死ぬ。
    ちなみに、本編では一度も鳥は手に乗せていない。もしかしたら見えないところで100回くらい戯れていたかもしれないが、少なくとも見えるところではいなかった。
    一体どうして、彼はこんなにもグッズやオフ絵で小鳥と一緒に描かれることが多いのだろうか。自然を愛する妖精というキャラ付けは本編からも見受けられるが、それにしたって戯れすぎである。
    考えて、ひとつの結論にいたった。
    かわいいからだ。それ以外思いつかなかった、
    小鳥を指に乗せることを許されるのは古来よりディズニープリンセスだけだと相場が決まっているにも関わらず、なんの違和感もない。
    かっこよくて、小黒の憧れの存在で、条件付きとはいえ无限と互角に近いところまで対等に戦えた龍游一強い妖精が、たびたび手に小鳥を乗せている。
    これで気が狂わないほうが無理である。
    日本語吹き替えがヒットして、初期の頃に比べて考えられないほどにグッズが出たが、体感4割鳥と一緒だ。
    ここまでセットにされるならもうニコイチでよくない????いっそ鳥こそパートナーでよくない???
    そう思って書いたのが今回の本だ。もふもふともふもふ、かわいいとかわいい。風息と小鳥というこの組み合わせは、いわば食でいうところのチーズとワイン、アップルパイとバニラアイス。世界に祝福されし天才的マリアージュであり、生まれるべくして生まれた奇跡だ。
    なお、便宜上カップリングカップリング言ってはいるものの、このふたりについては別に恋愛感情はなくても良く、「愛し慈しむものの対象として鳥を見守り傍にいる風息」という関係がたいそう好きというところが大きい。
    一緒にいられる時間は短いけれど、ただ精一杯に生きて、死んで、終わった命のその先も見続けるような風息のことを考えると今日も情緒が伸びたり丸くなったりすくすくと飛び立っていく次第である。もう何を言っているのかわからなくなってきたのでそろそろ終わりにします。
    最後に、タイトルについて少しだけ。
    もともとは「春を告げる」という鶯にちなんだタイトルにしていたのですが、直前で変更しました。
    「色は匂へど」は、このお話を書くにあたり浮かんだ世界観からとったものですが、あとがきでも書いたように出典はいろは歌です。花が咲いても散ってしまうように、この世のすべては変わり過ぎ去っていく。いろは歌は諸行無常をうたったものと言われていますが、全てが変わって流れていく世界の中でなお残るものがあれば、それを描きたいなぁと羅小黒戦記にはまったあたりからずっと思っていることを改めて感じるなどしました。
    これが心ばかりになるかといったら絶対にならないと思うのですが、こんな趣味全開の本にご興味もって下さった方々へ、心より感謝申しあげます。
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    rokuta456

    DONE夜行列車に乗るふたり。
    イベントで頒布した本「春の隅」の書き下ろし部分です。
    夜行列車ふと気がつくと、揺れる列車の中にいた。
    そもそもそこから妙だった。


    近頃の私の生活は、いたってごく静かなものであった。館の謹慎期間が明けても与えられた部屋から外に出ることは殆どなく、一日の大概をその部屋で過ごしていたからだ。
    インドアと言えばいくらか聞こえが良いが、ようは単なる引きこもりだ。自覚している。
    だが、別段閉じこもろうという強い意思があったわけでもない。元より兄弟分と違ってあちらこちら動き回るのは向かないたちで、おまけに、思ったより今の部屋は居心地が悪くなかったのだ。
    半ば厄介払いのように妖精会館管轄の牢を追い出されたのは二年前。しばらく監視下での生活を送った後に紆余曲折を経て選んだのが、今のワンルーム。窓が広く、光をよく集める、がらんどうの部屋。そこで日がな一日、特に何をするでもなく静かに過ごす。たまに仲間に呼ばれたら外に出て、買い物なんかをして、人間の店で、あるいは日当たりの良い公園で話をして、また家に戻る。私の暮らしぶりは、どこにいても変わらなかった。かつてはその場所が故郷の森で、今より少し賑やかで、そして少しだけ、暖かかった。違いといえば、そのくらいだと思っていた。私が一日中家にいようが外にいようが、誰と何をしていようが関係ない。
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