たまには手書きもいいよね「何を書けばいいのか……押して何になるのか……それがわからないのです」
シュウはガラスペンやワックス入りの小瓶など卓上の様々な小道具を前にふぅ、とため息をついた。
「いや……好きなの書いたり押せばいいんじゃないのか?」
「こういった創作にまつわる趣味はあまりやってこなかったものでして」
「ロボット作ったやつが言う事じゃねえぞ……」
マサキは呆れながらもガラスペンを手に取ってみた。
シュウがモニカからもらったと言う薄青色のそれは電灯の明かりを反射して透明に輝いている。
「最近は均一ショップで流行の物が気軽に買えるからと買ったはいいものの買いすぎたようで……」
「なるほどなあ……」
色とりどりのインクをしげしげと見ていたマサキはふと顔を上げた。
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