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    yasako_kofnow

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    yasako_kofnow

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    別ジャンルのお題ss行き詰まってたら炎の起源完結したので九割くらい友人のためにカッとなって書きました。深夜のワンドロクオリティなので色々お許しください
    2巻でディレクターズ・カットばりの大量加筆やおまけページあるといいなあ

    #KOF

    真吾、記録書っきまーす! 自室でウンウンうなりながら一生懸命大学ノートに何文字か書いてはシャーペンを投げ出して頭を抱えて……を彼は繰り返していた。
    「書けない……あまりにも書けない……!」
     学校で習った作文の書き方とも普段熱心に書き込むメモとも勝手が違うことに彼は、矢吹真吾は苦しんでいた。
    「書かないといけないのに……」
     はぁ、と天井に向かってため息をついて、ついこの間までの奇妙な体験を思い出す。

     草薙と八神の因縁の始まりとなったあの時、真吾は何の運命のいたずらかそこに居合わせる事となってしまった。
     おそらく師匠である京も、その父である柴舟も知らないであろうターニングポイントを真吾だけが知っていると言う事実が真吾の胸をジリジリと焼き焦がす。
    「この事は絶対忘れちゃいけないんだ……草薙さんにも八神さんにも、いや……世界中の誰にも言えないからこそ俺だけがしっかり覚えてないといけないんだ」
     そう思い立った真吾はあの時見聞きした事を書こうと新品の大学ノートを購入し、帰ってすぐ書き始めたのだった。

     買ったノートを机に広げ、牢に入れられる辺りまではなんとか書けたのだがその先が中々難しい。
    「あの時メモ取る余裕あったりなかったりだったからなあ……あ、そうだ。こういう時って時系列順であったこと書けば頭もまとめて整理できるって姉ちゃん言ってたっけ」
     以前姉にレポートの書き方を教わった事を思い出した真吾は、メモ用紙サイズに小さく切り揃えられたチラシの裏紙に書き込んでいく。
    「そういやこんな事もあったな……赤ちゃん元気いっぱいでかわいかったよなあ」
     庵がいる以上あの赤ん坊が少なくとも子孫を残せるまで生きていたのはたしかなのに、それでも真吾は無事を願わずにはいられなかった。
    「草薙さんのご先祖様からはもうちょっと色んな話聞きたかったなー、もしかしたら俺でも炎出せる方法とかあったのかなあ」
     手帳に描いた草薙の先祖の似顔絵を見て、真吾は自分の手をじっと見つめた。
     あの時、無我夢中だったけどたしかに炎を出せた。今まで戦ってきた中で炎を出せたような気がすることは何回かあったが、その時とは全く違う感覚がほんのわずかに真吾の手には残っていた。
    「カヤさん……俺、やることやれたのかな」
     真吾は目を伏せた。
     あの時自分がやれることは精一杯やったはずだ。それなのにどこかやりきれない感情が心の中で燻っていた。
    「はぁ……」
     真吾は憂慮のるつぼに陥ろうとしていた、がその時。
    「真吾ー、パステルのプリン買ってきたけど食べるー? チョコプリンもあるけどー」
     姉の声が聞こえてきた。
    「えっチョコプリン!? 食べる食べる食べる!」
     椅子から転げ落ちるように部屋を出ようと戸に手をかけた真吾はふと立ち止まる。
    「やべっ、ノートにタイトル書くの忘れてた! えーっと……これでいいかな? よし……今行くー!」
     慌ただしくチョコプリンのもとに向かう真吾。
     彼が机上に残したノートの表紙には『矢吹真吾の時空冒険日誌』と書かれていた。


                    〈了〉
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    yasako_kofnow

    DONEシュウマサ(?)お題ss完成しました、3ヶ月くらい待たせて本当に申し訳ありません!!!!!
    スパロボDDでグランゾン新技と聞いてここで完成させなきゃ女じゃねえ!!!!!!というテンションでなんとか書き切りました、口調違いとか○○はそんなこと言わないとかあっても許してください
    あとマスターデュエルネタありますが書きはじめの4月下旬当時の環境なのでそこら辺留意おねがいします
    むやみな賭けはやめましょう「えーと……やっぱ……あー……お前の事好きだわ……? 例えば……えーと……言わないとだめか?」
    「駄目です。賭けに負けたのだから守ってもらいますよ」
     午後のカフェに男二人。横向きにしたスマートフォン片手にマサキはどうやってこの場を切り抜けるか逡巡していた。
    「うー……」
    「どうしました? 早くしないと他の客が座れなくて困ってしまいますよ」
     チェシャ猫のような、と表現するにはいささか気品がありすぎるニヤニヤ笑いを浮かべながらシュウは一口紅茶をすすった。



     事の初めはほんの二十分ほど前。新商品のフラペチーノを飲みに来たマサキはたまたま居合わせたシュウと相席になった。
     初めは口数は少なくとも他愛のない話をしていたが、マサキの一言が空気をガラリと変えた。
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