DD宇煉、恋人になって最初のクリスマス話01
まさしく理想通りのホテルだと、宇髄は室内をぐるりと見回した。
早速窓辺に寄って景色を臨む。まだチェックイン開始時間の十五時の街は明るく、昼間の顔をしている。だがこの港町はデートのテーマパークも同然。街中のそこかしこがクリスマスのイルミネーションに彩られ、定時にあちこちで音楽と光が競演し、レーザーが空を彩るのだ。
宇髄はバスルームを覗きに行く。フロア端にあるこの部屋は、窓付きの広々としたバスルームが特徴だ。ガラス張りのシャワーブースがあり、その向こうには白いバスタブ。大きな窓から見えるのは観覧車である。夜にはこいつもド派手なイルミネーション力を発揮して、夜景という媚薬に一役買ってくれるはずだ。
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