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    karen_nyamnyam

    @karen_nyamnyam

    囚墓メインで活動してます( ˇωˇ )

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    karen_nyamnyam

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    現パロ先天性女体化百合囚墓ちゃんがカフェで涼むお話です。
    フォロワーさんから頂いたリクエストの、メロンソーダフロートがお題の囚墓で書かせて頂きました。

    真夏のカフェで君と半分こ  ジリジリと暑い陽射しの帰り道。
      日傘を差していたところで暑さなど凌げず、ルカとアンドルーの額には汗が滲み、つぅ……と首筋から胸元へと汗は流れてシャツに染み込んだ。

    「暑いなぁ……」
    「ん……」
    「アンドレア、そこのカフェで涼んでいかないかい?」
    「ん……」

      まともな返事が出来ていないあたり、彼女はかなり限界が来ているのだろう。
      ルカは代わりに日傘を持ってやっては彼女の身体を支えつつ、街のカフェへと向かった。
      扉を開けるとチリンチリン、とドアベルが鳴り、レジ付近に居た店員や配膳をしている店員がこちらを向いて「いらっしゃいませ」と声をかける。

    「二名様でよろしいでしょうか?」
    「はい」
    「空いているお席にご案内しますね」
    「ああ、申し訳ないけれど……陽射しが当たる席は避けてもらっていいかな。この子が少し陽射しは苦手な体質で……」

      ルカがそう説明すると、店員は店内を見回しては店の奥側の二人用の席が空いていた為、「かしこまりました、こちらへご案内致します」とその席まで案内してくれた。

    「ご注文がお決まりになられましたら、そちらのベルを鳴らしてお呼びください」
    「ありがとう」

      水とおしぼりを置いていった店員に礼を言い、冷房の風を心地好く感じながら一息つく。
      アンドルーも水を飲んで涼んだことで、少しは体調も良くなったようで、顔色も先程より良くなっていた。

    「アンドレア、何頼む?」
    「え……えっと……」

      ルカはメニューを開いてはテーブルの真ん中に置き、アンドルーに見せながら問いかけると、アンドルーは何を頼もうか、とメニューを一通り見る。
      ドリンクの中でも目に付いたのは、メロンソーダの上にバニラアイスとチェリーが乗せられた、メロンソーダフロートだった。

    (……綺麗だな……)

      炭酸は舌がピリピリするから苦手だけれど、どうしてか美味しそうに見えて、ルカはアンドルーの目線を追っては「メロンソーダフロートにする?」と聞く。

    「え、あ、う、うん……でも、飲み切れるか、分からない……」
    「ああ、アンドレアは炭酸苦手だもんな。じゃあ、私はアイスココアにするから、半分こし合う?」
    「あ……それなら……うん」

      ルカはベルで店員を呼び、メロンソーダフロートとアイスココアを頼み、穏やかな曲が流れる涼しい店内でゆったりと過ごす。
      アンドルーはスカートのポケットからハンカチを取り出し、髪が首に絡みついて気持ち悪いな、と思いながら汗を拭いた。

    「アンドレア、髪伸びたな。切らないのか?」
    「んー……美容院の予約入れるの、めんどくさい……」
    「あー、君、電話嫌いだしなぁ……今度私が切ろうか?」
    「……お前、人の髪切れたのか?」

      ルカは頬杖をつきながら「やったことは無いがまぁ出来るだろう」とケタケタと笑う。
      ふとルカはアンドルーの髪に手を伸ばし、横髪を掬っては髪にキスをする。

    「っ……!  なっ、に、して……!」
    「ん、いや……やっぱり君の髪、綺麗だなって。にしても珍しいよな、君がメロンソーダフロートを頼むなんて。炭酸苦手なのに」
    「あ……それ、は……すごく、綺麗で……美味しそう、だったから……」

      そう話しているところで、店員がアイスココアとメロンソーダフロートが乗せられたトレーを持ってテーブルまでやって来た。

    「お待たせいたしました、メロンソーダフロートとアイスココアです」
    「あ、来た来た。ありがとう」

      アンドルーはシュワシュワとグラスの中で泡を煌めかせている色鮮やかな緑のメロンソーダと、ふわりとバニラの香りをさせているバニラアイス、それからちょこんと乗せられたチェリーを見て目を輝かせた。
      メニューの写真も綺麗だったが、実物はやはりもっと綺麗だ、と感じたのだ。

    「ああ、確かに美味しそうだな、こうやって見ていると」
    「うん……それに……綺麗だ……」

      まるで宝石でも見るかのように見つめているのが可愛くて、ルカはメロンソーダフロートを見ているアンドルーをどこか愛おしそうに見つめる。

    「アンドレア、綺麗なのは分かるけど……飲まないと温くなっちゃうぞ?」
    「あ……そうだよな……」

      ストローの袋を開けてグラスに差し込み、ちゅー……とメロンソーダを吸い上げては、パチッ……と舌に炭酸特有の弾ける感覚がやはり苦手だな、と思いつつも美味しいとも感じた。

    「どうだった?」
    「ん……炭酸はやっぱり苦手だけど……美味しい。アイスが溶け込んでるところとか、甘いし……」
    「ああ、アイスを溶かしながら飲むとまろやかになるからな」

      ルカはアイスココアを一口飲んでは、「ん、美味い」と微笑み、アンドルーは一粒だけ乗せられているチェリーを摘む。

    「……なぁ、アンドレア。知ってるかい?」
    「え?  何を……?」
    「チェリーの茎の部分を口の中で結べると、キスが上手いっていう噂」

      そう囁くと、アンドルーは顔を真っ赤にさせて「知、らない……」と呟く。

    「……そもそも……こんな短いので結べるのか……?」
    「出来ないことは無いさ。舌と歯を上手く使えばね」
    「……ルカは、出来るのか……?」

      アンドルーがそう問いかけると、ルカはクス……と笑ってはテーブルに手をついてアンドルーへと身体を倒し、アンドルーの耳元に唇を寄せた。

    「おや……私のキスが上手いかどうかは……君が身をもって知っているんじゃないのかい……?」
    「……っ!」

    ふわりとルカが使っているシャンプーの香りがして、ドキッ……と胸が高鳴る。
      ちゅ、とルカが軽く耳にキスをしてから身体を離すと、アンドルーは先程よりも顔が赤くなっていて、ルカは「ヒヒッ、かーわいい♪」と悪戯が成功した子供のように笑う。

    「な、アンドレア。私にもメロンソーダ、頂戴?」
    「……も、元々半分こするんだったろ……ほら」

      アンドルーがグラスをルカの方に向けると、ルカはアンドルーが口をつけたばかりのストローを咥え、ちゅー……とメロンソーダを吸い上げた。

    「んーっ、やっぱり炭酸はいいなぁ、特に夏は美味しく感じる!」
    「お前は割と炭酸好きだもんな。……そういえば、何でルカはアイスココアにしたんだ?」
    「ん? そりゃあ、君と半分こにするなら君の好きな飲み物の方が良いだろ? それに、私もアイスココア好きだしな」

    当たり前のように言って笑ってくれるルカを見ていると、ああやはり好きだな……と思って、アンドルーは穏やかに口元を緩める。

    「そうだ、ついでに宿題も済ませておくか」
    「そうだな……えっと……宿題のプリントは……」

    ルカは鞄からしわくちゃになっているプリントを取り出し、アンドルーはクリアファイルに折り畳んで入れて置いた宿題のプリントを取り出して小さくため息をつく。

    「……プリントぐらいファイルに入れたらいいのに……」
    「えー、面倒だし……提出さえ出来たらいいじゃないか」
    「それは……そうだけど」

    ルカは頭が良く、こんな宿題なんて数分あればすぐさま終わらせてしまうのに、こういった所が適当だしなんなら宿題のプリントを無くしてしまったりする。
    言ってもなかなか聞かないのだが、それでも。

    (……そういう所もひっくるめて……やっぱり……好き、だな……)

    そう思いながらアンドルーはシャーペンを握り、宿題である数学のプリントに向き合って一つずつ授業で教わったことを振り返りながら問題を解いていく。
    カラン、とグラスの中で揺れている氷がどこか心地好く聞こえ、穏やかな時間がゆっくりと流れていった。
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