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    karen_nyamnyam

    @karen_nyamnyam

    囚墓メインで活動してます( ˇωˇ )

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    POIPOI 47

    karen_nyamnyam

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    ポッキーの日なのでポッキーの日ネタの現パロ囚墓です。
    年齢差関係なく出てくる鯖達が同い年になっています。

    恋人はポッキーゲームをしたい ポッキーの日、なんて呼ばれる日。
    この日は毎年学生達はやたらポッキーを持ってきてポッキーを使った遊びをしていたり、友達同士でポッキーを分け合って食べていたりしていた。
    アンドルーは鞄の中に入れているポッキーの箱をチラリと見ては頬を赤く染め、鞄のチャックを閉めて机の横に鞄をかける。

    「アンドルー、歴史の教科書を貸してくれないかい? 忘れてきてしまって」
    「っ……! あ、ル、ルカ……」

    アンドルーはビクッ、と跳ね上がりながらも机の中から歴史の教科書を取り出してルカに渡す。
    ルカは隣のクラスの同級生であり、アンドルーの恋人でもある。
    アンドルーから教科書を受け取ったルカは、「ありがとう!」と言いながら教室から去っていき、アンドルーはほんのりと頬を赤く染めたままルカの背中を見つめた。

    「アンドルー、おはよ! うわ、どうしたのその顔? 真っ赤だよ?」
    「えっ……ぁ、レ、レズニック、それにサベダー……おはよう……」
    「体調悪いなら保健室行ったらどうだ?」

    アンドルーは俯きながら「だ、大丈夫……」と呟き、筆記用具を取り出す。
    朝イチの授業は数学だったはず、と思いながら数学の教科書を机から出していると、イライとイソップも教室にやってきた。

    「皆、おはよう」
    「おー、おはよ」
    「おはよー!」
    「……おはようございます」

    イライは自分の席に鞄を起きながら「あぁ、そうだナワーブ」と声をかける。

    「今日の売店、ポッキーがいっぱいあったよ」
    「あ、そっか! 今日ポッキーの日だったもんね!」
    「売り切れる前に買いに行ってくる」

    ナワーブは制服のズボンから財布を取り出しながら駆け出し、イライは「廊下は走っちゃダメだよ〜」とナワーブに言ったが、既にナワーブは階段を駆け下りるところだった。

    「相変わらずすんごい食欲だよねぇ……」
    「まぁ……いつもの事ですよね……」
    「今日は多くの生徒がポッキーを欲しがる日でもあるからね。アンドルーも、ポッキーを買ったのかい?」

    アンドルーは急に話を振られ、驚いたように目を丸くさせながらもにょりと口を動かす。

    「ぁ……い、いや……僕は……か……って、ない……」
    「そーなの? てっきりルカとポッキーゲームでもするのかと思った」

    トレイシーにそう言われ、アンドルーは更に顔を真っ赤にさせながらぶんぶんと首を横に振る。
    本当はそのポッキーゲームがしたくて、アンドルーはポッキーを買ってきた、のだが。
    誘うタイミングも誘い方も何も考えていなかったのだ。

    (……鞄に入れては、いるけど……いつ、誘ったら……ひ、人前であんな……あんなの、出来ないし……うぅ……)

    昼休みでは人前というのもあるため、無理がある……放課後なら出来るだろうか、とアンドルーは考える。
    それでもどう誘おうかと悩んでいると、予鈴のチャイムが鳴り響いた。

    「あ、予鈴鳴った。ナワーブ君授業に間に合うかな」
    「うーん、多分ギリギリじゃないかな。すごい数のポッキー買ってそうだし」

    トレイシーとイライが話している間も、アンドルーはどうやってルカにポッキーゲームをしようと誘おうかと悩み続けてしまった。


    ◇ ・ ◆ ・ ◇


    放課後。
    結局昼休みも何も言い出せず、あっという間に放課後になり、アンドルーは教科書を鞄の中に戻しながらポッキーの箱を見つめた。
    未だにルカにどう誘えばいいのか、というのが分からないままで小さくため息をつくと、アンドルーの肩をポンとルカが叩いた。

    「アンドルー、帰ろうか」
    「っわぁ……」

    大袈裟な程に驚いたせいか、ルカは面白そうにクスクスと笑い、「そんなに驚くことないだろう?」と言われてしまう。

    「きゅ、急に肩叩かれたら、びっくりするだろうが……!」
    「ハハッ、悪い悪い。ほら、帰ろう」
    「……う、うん……」

    並んで教室を出て、階段を降りて靴を履き替えていつもの帰り道を歩く……これではいつも通りだ。

    (……言わない、と……せっかくポッキーを買ったし……それに……たまには、僕から……恋人らしいこと、したいし……)

    普段ハグもキスも、デートの誘いも……全てルカからしてくれている。
    アンドルーはいつも、それを受け入れているばかりなのだ。
    だから、今日こそはアンドルーから恋人らしいことを出来るようにと、ポッキーゲームをしようと誘いたかった。
    アンドルーは意を決したように息を呑み、「ル、ルカ」と呼び掛ける。

    「ん? なんだい?」
    「きょ……今日、その……僕の家に、来ないか……べ、勉強……見てほしい……げ、月曜日、数学の小テストある、から……」

    ルカはじぃ……とアンドルーを見つめ、アンドルーはドキドキと胸を高鳴らせながらルカの返事を待つ。
    ルカはクス、と笑っては「ああ、いいよ」と言いながらスマホを取り出し、自分の母親にメッセージを送った。

    「ん、これで良し。じゃあ行こうか」
    「ん……」

    二人でアンドルーの家に向かい、他愛のない会話をしながら横断歩道を渡って公園の前を通り過ぎると、子供たちの笑い声が聞こえてくる。
    そのまま踏切で電車が通り過ぎるのを待って、踏切を通り過ぎて住宅街の道を歩いていけば、アンドルーが住んでいる二階建てのアパートが見えてきた。
    二階の突き当たりの部屋の扉を開け、アンドルーが「母さん、ただいま」と声をかけると、奥からアンドルーの母が笑顔を浮かべながら出てきた。

    「おかえりなさい、アンドルー。あら、ルカ君、いらっしゃい」
    「こんにちは、お邪魔します」
    「部屋で、その……勉強、するから」
    「あら、そうなの。いつもありがとうねルカ君、アンドルーの勉強見てもらって。あ、お茶とお菓子用意するわね」

    アンドルーの母親はキッチンの方に向かい、アンドルーはルカを自室に案内しては鞄を置いて「母さんの手伝いして来る」と廊下に出ていった。
    アンドルーはキッチンにいる母を手伝い、棚からクッキーの箱を取り出して中身の個包装されたクッキーをトレーに乗せると、アンドルーの母が紅茶を淹れながら顔を上げた。

    「あ、そうだわ。アンドルー、今日夕方からお仕事があるから……お夕飯、冷蔵庫に入ってるのと、お鍋にあるのを温めて食べてね」
    「ん、分かった。ありがとう、母さん」

    湯気を立てているミルクティーとストレートティーをトレーに乗せると、母親はすぐに仕事に行く準備をして家から出ていく。
    母を見送った後、アンドルーは半開きにしていた部屋の扉の隙間に足を入れて開き、テーブルにトレーを置くとルカは「お、ありがとう」と言い、アンドルーはそっと扉を閉めた。

    「いつも悪いね、色々と用意してもらって」
    「い、いい……この間、お前が持ってきた菓子と紅茶の茶葉の方がずっと高いやつだったし……」
    「ああ、あれかい? あれは母さんに渡されたやつさ。いつも仲良くしてもらってるんだからこれぐらい渡さないとってね」

    アンドルーが鞄のチャックを開き、数学の教科書やノートを取り出すと、ルカが「……なぁ、アンドルー」と声をかける。

    「ぇ……な、んだ……」
    「……本当は、数学の勉強が目的じゃないんだろう?」
    「っ……!」

    アンドルーは目を見開いてルカを見ると、ルカは意地の悪い笑みを浮かべながら、アンドルーの鞄の中からポッキーの箱を引き抜く。

    「あっ……!」
    「帰る時にこれが見えてね。その上、今日はずっと君がソワソワしてたし、家に来ないかと誘ってきたし……ヒヒッ、本当に君、可愛いな?」

    ポッキーの箱を開けられ、中身の袋を取り出したルカは、ゆらゆらと袋を揺らしながらアンドルーを見つめる。

    「なぁ、アンドルー? これで何がしたかったのか……教えて?」
    「ぁ……う……」

    アンドルーは顔を真っ赤にさせて目を逸らしたけれど、ルカに「だーめ、こっち向いて?」と言われてしまい、目線をルカへと戻す。
    グレーグリーンの瞳は意地が悪いけれどどこか愛おしそうに細められ、アンドルーはゆっくりと口を開いた。

    「ポ……ポッキー、ゲーム……して、みたく……て……」
    「……よく言えました」

    ルカはアンドルーの頭を撫でてはピリッ……と袋を開けてポッキーを一本取り出し、チョコがかかっていない方を咥えては「ん」とアンドルーにチョコがかかっている方を向ける。
    ゴクリ、と唾を飲み込んで恐る恐るポッキーを咥えると、ルカからサク、サク……とポッキーを食べていく。
    アンドルーもゆっくりポッキーを食べていくと、だんだんルカの顔が近くなって、アンドルーは思わず固まる。
    けれどルカが止まることはなく、そのまま互いの唇がちゅ……と当たって、アンドルーがぎゅっ、と目を閉じるとルカの唇が離れた。

    「ほら、アンドルーももっと食べないと。さ、二本目行こうか」
    「ぁ……まっ、て……こ、心の、準備、が……」

    アンドルーはルカとキスをしたチョコが少しついた唇を指で抑えたけれど、ルカに手を退けられてはポッキーをまた咥えさせられる。
    ああ、行っても聞かないパターンだ、と悟ったアンドルーは、先程よりも少し多く食べていくのだが、やはりルカの顔が近くなる度に思わず止まる。
    それでもルカはお構い無しに食べ進め、またちゅっ……と唇が触れ合っては離れた。
    ああ、やっぱり恥ずかしい、これ以上は心臓がもたない、そう言おうとするとルカはまた新たに一本取り出す。

    「よし、次は三本目」
    「っ、ルカ、待って、も、もう無理、心臓、もたない……!」
    「おや、二本でギブアップかい? まだこんなに残っているのに」

    ルカはアンドルーのチョコがついた唇をぺろりと舐め、アンドルーは思わず「ひゃぁっ……」と可愛らしい声を上げる。

    「……なぁ、アンディ。母君は仕事で居ないんだろう?」
    「そう、だけど……っ」
    「……母さんに、君の家に泊めてもらうって連絡しておいたと言ったら……怒るかい?」

    その意味を理解したアンドルーは、真っ赤になっている顔を隠すように手で覆い、「怒りは、しない……けど……」と呟く。

    「じゃあ……いいかい?」
    「っ……」

    アンドルーは答える代わりにルカのヘアゴムをするっ……と解いてから、ルカを抱き寄せてちゅ、と頬にキスをする。
    パサッ……と肩にチョコレートブラウンの髪が滑り落ち、ルカは愛おしそうにアンドルーを見つめながら、そっと愛しい恋人にキスの雨を降らせた。
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