「ポニーテール!」
「いいや、ツインテールだね!」
「絶対ポニーテールの方がいいわ!」
体育終わり、着替えて教室に入るなり聞こえてきた女子たちの声に僕はびっくりして声の方へと視線を向けた。そこには1人の子を囲んで女子たちが言い合いをしており、真ん中で囲まれた子が困ったように笑ってみんなを宥めてた。囲まれた子、もとい闇ノシュウは言い合っている女子、ぽむとエリーラの袖を掴んで落ち着いてよと声をかけている。
「あの、僕本当にどっちでもいいよ…?好きなようにしてくれれば」
「いいわけないじゃない!これは大事な問題よ!」
「そうよ!どっちでもなんて言葉、許さないから!」
ええ…、とさらに困った表情を浮かべたシュウは机の上に広げられた雑誌を見てはうんうんと首を傾げて唸っていた。後ろからポニーテール、ツインテールとぽむとエリーラがシュウに向けて呟いていて、それがなんだか可哀想に思えて僕は思わず声をかけた。
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