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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/弓バス/オメガバース風味

    #轟爆
    bombardment

    エプロン 今日、金曜日は期末テストの最終日。放課後やっとバスケができると思ったのに、テストの結果が出揃うまでバスケ部は部活休みだなんてクソッタレ過ぎ!焦凍の弓道部は真面目揃いだけあって普通に部活があるってのに、…なんて文句言ってても仕方ないか。チームメイトには俺がみっちり仕込んだんだ、数学だけは赤点出させねェ自信はある。月曜日には採点結果が出て晴れてバスケを再開できるはず、

    (だったら今日にしか出来ないこと、しかも焦凍が居ない時じゃないと出来ないことをすりゃイイ)

     そう思っていそいそと帰宅し支度をしていたのに、

    『カツキ、英語教えてくれよ』

     インターホンの画面越しには部活のヤツら、ったく家まで押しかけてくるんじゃねーわ。

    +++

    『数学はカツキのスパルタ勉強会のお陰で全員どうにかなったけど、思ったより英語が難しかったじゃん?自己採点してみたら俺達マジヤバくてさ、赤点は免れねェけど再試で合格すれば部活は再開してくれるって。もうカツキしか頼みの綱はいないんよォ』

     そんな感じのことを言って泣きついてきたくせに、いざリビングに通すと、

    『爆豪のエプロン姿が見れるなんて超ラッキーじゃん』

     何ニタニタしとるンだ気持ち悪ィ、テメェらが料理しているところに押し掛けたんだろーが、

    『明らかにご馳走だよな、これ。ホールのショートケーキまで手作りとか勝己はマジ才能マンだな、誕生会でもするのか?』

     まあそんなところだわ、

    『もしかして轟の誕生日とか?あ、でもアイツ冬生まれって女子が言ってたっけ。カツキは4月っしょ』

     煩せェなァこれは“真ん中バースデー“の準備だわと言うと、何それって目を丸くして聞いてくる。知らねェのか字面そのまんまだわ、俺と焦凍の誕生日の丁度真ん中の日が今日!ガキの頃からずっと一緒に祝ってきんだわ、

    『そっか、お前ら幼馴染だもんな、いいなあ轟はカツキの手料理食べれてさ。カツキ毎日轟に弁当作ってやってるだろ、轟の弁当箱、カツキと同じおかず入ってるもんな』

     それがどうした?揶揄うならもう英語教えねェぞとっとと出てけと一喝し、ようやく大人しくなったチームメイトと一緒にリビングのテーブルを囲んでテストの復習から始め、途中で抜けては料理の面倒も見る。

     全く何で俺がこんなことしなくちゃなンねェんだ、あーそうか早くバスケしたいからか、そうだバスケするためにやってるんだと自分に言い聞かせていると、

    『カツキ、何か手伝おうか?実は俺は赤点取らなくてすみそうなんだ』

     そう言いながらこの中で一番背の高い奴が背後に立つ。背後はうなじが丸見えになるから絶対後ろを取られるなって焦凍に口酸っぱく言われているのに、俺はさり気なく振り返り、じゃあ何でついて来たんだよ?と睨みつけると、

    『そりゃカツキの家に上がり込むチャンスだったから、ガード硬いオマエは絶対2人きりにならねーだろ?』

     何だそりゃ、人ン家なんか見て面白いのかよ?2人きりとか、気持ち悪いこと言ってんじゃねェわ、

    『違えよ、カツキだ。カツキを見たかったんだ。ホントは解ってるだろ、オメガだって解ったとき教育受けてるもんな、自分が異性同性問わずどんな目で見られるかを。でもまさかエプロン姿が拝めるなんてな、人妻みてぇでスゲェ興奮するわ』

     何ワケ解ンねェこと言っとンだ、つうか見たくもねェけどこいつチンコ立ってンじゃ…?もしかして俺、知らないうちにフェロモン出してンのか、いや、そしたら他の奴らも反応するよな、

    (いや待てそんなことになったらー)

     コイツひとりならどうにか出来る、だろうか?バスケ部は皆んな俺より背が高くてガタイがいい、

    “身の危険を感じたらすぐに俺を呼べ”

     ここは焦凍に連絡すべきか、チームメイト相手に意識し過ぎ?そうだ、焦凍の名前だけでも借りよう。

    『俺は焦凍のものだから、知ってるだろ?オメガは誰かに所有される運命にあるって。俺は焦凍を選んだんだ、だから、俺に触ンな。解ったら英語の勉強に戻れ、あァテメェは用がなかったんだったなじゃあ今すぐ帰れ、さもないとー』

     スピーカーをオンにしたスマホをズイと突き出す。

    『俺にぶっ殺されたくなかったら今すぐ勝己から離れろ』

    +++

    『ちくしょう、マジで殺さねえと気がすまねえ』

     懐に入れてあったスマホが着信したのは勝己からの電話、慌てて耳を当てるとふざけた会話が聞こえてきた。カツキのエプロン姿、というワードだけでも頭が瞬時に沸騰したのに、勝己のことを人妻って揶揄されたらもう黙っていられねぇ。幸いというか会話の流れからカツキの家に押し掛けた連中は複数、輪姦されねぇ保証はないがピンで押しかけられたよりはマシだ。自分にそう言い聞かせ弓道場を飛び出て家まで駆け抜け、

     そして一悶着あってからの今、俺は盛大に拗ねている。みっともねえって解っている、勝己は何も悪くないことも解っているけど、

    『解っていても感情が抑えられねえ』

     よりにもよってエプロン姿を見せちまうなんて、これでアイツらのオカズにされること決定だ。

    『落ち着けって、だいたいこんなシンプルなエプロン、調理実習でも似た様なの付けとったわ』

     覚えてる、小学生高学年に始まった調理実習、あの時も誰にも見せたくなかった。中学の文化祭のメイド喫茶のエプロンドレス着たお前は大概ヤバかった、とにかくエプロンと名の付くものを勝己が着ると全部ヤバいが、やっぱりシンプルなエプロン姿が一番エロい。

    『もう、皆んなしてエロいばっか言うなって!ンなことより出来たから食おうぜ。焦凍が好きなモノと俺の好きなモン詰め込んでみたんだ、なんたって今日は真ん中バースディだからな』

     ああ、確かに好きなものばかりだ。美味そうだけれど、今は食い気より色で頭がいっぱいになってる。なぁ勝己、デザートはお前を食いてえ、もちろんショートケーキも食うけど、まずは勝己を食べたい、

     欲を言えばそのエプロンの下の服だけを脱いでほしい、なんて言ったらきっとまたエロ親父って言われるんだろうな、あぁ堪んねえ、俺のお嫁さんが可愛すぎる。
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