兄貴と弟分「よお、秀吉。聞いたぜ、お前、今度の戦で重要な役目を任されたんだってな。着々と出世してるじゃねえか。しかし、お前は出来る奴だとは思っちゃいたが、まさか、あの時行き倒れそうになってた子供が、あんな大役を任されるたあ、世の中わからねえもんだ。こりゃもう、昔みてえに一緒にやるか、とは軽々しく言えねえな。」
「そうだなー、確かに一緒にはやれねえな、昔みたいには。」
「ったく、お前も言うようになりやがったな。」
殊更明るく戯けて答えれば、百地の兄貴が笑う。
それはそれは嬉しそうに。
なあ、兄貴。
兄貴が出来る奴だって認めてくれてるかわいい弟分はちゃんと気付いているんだぜ。
おいらと昔みてえに一緒にやりたくねえのは兄貴だってこと。