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    アゲハワークス

    @monica7_seven

    文章を書くすらいむです。たまに絵も描きます。
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    本編ネタバレに繋がる内容があるので、ご注意ください。
    中の人はリバも読みます。
    メインはスプジャンおみ。
    そのうち狂聡を増やしたい。少しだけスミイサ。

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    アゲハワークス

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    マウキャン書き下ろし



    ちっさハウス四畳半で巻き起こる、ちょっとしたコスプレ話。

    ファ軸付き合ってる4419くらい。すでに体の関係アリ。
    とりあえずどうしたいの事件はスルーのif。
    合法制服プレイ/ふんわり大阪弁/ふんわり893/機関銃は出てきません

    イベント終了数日後にリスイン→パス解除予定です。

    #狂聡
    madGenius

    【iko】四畳半とブレザーと機関銃この作品は児童に対する性的虐待および性交渉を促進する目的で書かれたものではありません。
    また特定の組織との関わりをおすすめするものではありません。





    日当たりの良い四畳半。
    そこにはTシャツハーフパンツ姿という部屋着で仁王立ちする岡聡実十九歳の目の前で、土下座するワイシャツにスラックス姿の成田狂児四十四歳が居た。
    「いっぺんだけ、ええやろ?」
    「イヤです」
    「そこをなんとか」
    「イヤや」
    そうしてどちらも譲らないまま、三十分以上が経過していた。
    その間、狂児はずっと土下座をしたままだ。
    「ヤクザが簡単に土下座とかせんでください」
    「簡単やないから頭下げてるんや」
    土下座のまま、頭を上げない狂児に、聡実は大きくため息をついた。
    聡実の足元には、三種類の服が丁寧に畳まれて置いてあった。
    一つはブレザーの制服上下、一つは体操服、そして最後の一つはセーラー服だ。
    ブレザーと体操服はご丁寧にも、聡実が高校生時代に着ていたものと同じであった。
    「だいたいコレ、どこで手に入れたんです?」
    「それは蛇の道はヘビで」
    「クソヤクザが」
    聡実が盛大に舌打ちをした。
    「セーラー服はうちの系列のお店のやつで、ちゃんと新品なんで」
    「ほんで、ブレザーと体操服は?」
    「それはブラック企業なんで、企業秘密で」
    「クソヤクザが」
    聡実は冷たい目線のまま、土下座をしている二十五歳年上の恋人の後頭部を見つめた。



    そもそもなぜこんなことになったのかと言えば、一月前の逢瀬のときに、高校の制服姿が見られなかったことを狂児が嘆いたことから始まっている。
    「いい子にオツトメしてた狂児さんにご褒美ちょうだい」
    そう言いながら、狂児は聡実に擦り寄った。
    「今更やし、それ僕関係ないですやん」
    「そやけど、がんばったご褒美は欲しいやん」
    「オッサン、めんどくさ」
    聡実が冷たい目線を投げかけても、狂児はかまわず聡実を抱きしめ、擦り寄った。
    「ほんなら、なにがええんです?」
    「くれんの?」
    「僕があげられるもんなら」
    「なら、高校の制服姿が見たい」
    顔圧の強いイケメンが、満面の笑みで聡実を見つめた。



    そして約一ヶ月後の今日。
    聡実の部屋に来るなり、狂児はそれらを取り出した。
    聡実の目の前には、狂児の手によって揃えられた三種類の制服、それらを用意した土下座する本人が居た。
    「だいたいうちの学校、女子はセーラー服じゃないですけど」
    「それはなんつうか、気分の問題的な」
    「それに体操服まで」
    「それは白ソックス履いてな」
    「ショタコンか、クソ変態がっ」
    「聡実くん、さっきからお口悪いなあ」
    狂児がヘラリと笑いながら、頭を上げた。
    「誰のせいやと思っとる」
    聡実が狂児を睨みつけながら、ため息をついた。
    「どれかひとつだけ着てあげます」
    「おん? ひとつ!?」
    「ひとつ!」
    「……そんなん選べんよ」
    「ひとつっ!!」
    元合唱部部長の大声が、四畳半に響いた。



    結局、狂児が選んだものは、ブレザーの制服だった。
    オツトメしていた三年間、見ることのかなわなかった聡実の制服姿だ。
    今狂児は、聡実に言われたまま、素直に背中を向けて座っている。
    狂児の広い大きな背中を、聡実は見つめた。白いワイシャツに隠され、今は見えない刺青。肌に刻まれた極彩色ともいえる鶴の刺青が、見慣れたものになったのは、いつからだろうか。
    何十回と見たわけではないのに、慣れてしまった自分に、聡実は苦笑いした。
    「彼氏がヤクザなだけじゃなく、変態やった」
    聡実は大きくため息をつくと、かつて着ていたブレザーの制服を見つめた。
    「まだですか~」
    どこか気の抜けたような声の狂児に、聡実はまたため息をついた。
    「……まだや」
    「ええ子で待ってるんやで」
    「そのままええ子にしてろ」
    「聡実くん、塩対応」
    「うっとい!」
    聡実は、またため息をつくと、部屋着を脱ぎ、着替え始めた。
    高校を卒業してから、ほんの少しであるが身長も伸びた。体重も増えたはずだ。
    だが制服に袖を通せば、なぜかピッタリサイズであった。
    「なんでやねん」
    「なにが?」
    「サイズ!」
    「そんなん、狂児さんがこっそり測ったに決まっとるやん」
    「サイテーや」
    「彼ピの服のサイズは、いつも把握しとるで」
    「変態がっ」
    「な~、もう振り返ってええ?」
    「もう少し待っとき」
    聡実は、全身から期待を膨らませている狂児の背中を見つめ、ブレザーのネクタイを締めた。

    「振り返ってええよ」
    聡実の小さな呼び声に、狂児は胡座のまま、ゆっくり振り返った。
    目の前に立つ聡実を足元からゆっくりと見上げた。
    「はあ~……」
    狂児が詠嘆し、深くため息をついた。
    「可愛い、最高や」
    少し恥ずかしそうに、聡実は顔を逸らした。
    「ほな、もうええやろ。脱ぐで」
    「ちょお待ってよ、もっと見せてな」
    「今更恥ずかしいねん」
    「なんで? まだまだ現役やん」
    「もう卒業して、一年以上やん」
    「オッサンには誤差や」
    「エロオヤジ」
    「そうや、エロオヤジやで。聡実くんが一番知っとるやろ」
    「サイテーや」
    チラリと聡実が見つめると、狂児はゆっくり立ち上がった。聡実よりふた周り大柄な男は、見慣れたとはいえ迫力がある。
    「これが高校生の聡実くんかあ、ほんに可愛いな」
    眉尻を下げ、狂児はジロジロと聡実を見つめた。
    「ほんに可愛いな、ピカピカや」
    狂児はそのまま、聡実の周りをゆっくり回った。
    「最高や、かわええなあ」
    「さっきから、そればっかり」
    「だって本当に可愛いんだモン」
    「オッサンがモンとか、カワイコぶるな」
    「可愛いのは、聡実くんや。お兄ちゃんになっても、ほんまかわええわ。めっちゃピカピカでキラキラや」
    はあっと、狂児がため息をついた。
    「こんなん可愛いの犯罪や」
    「犯罪者はアンタでしょうに」
    「それは言わんといてよ。今はクリーンやで」
    「どこがや」
    聡実のため息に、狂児は苦笑いし見つめた。



    気がつけば、聡実はいつの間にか胡座をかいた狂児の上に、横抱きにされていた。
    そこにいくまでも、狂児はひたすら可愛いを繰り返していた。
    「もういい加減に離してください」
    「イヤや」
    「恥ずかしいです」
    「恥ずかしがってる聡実くんも可愛いな」
    「前科持ちのムショ帰りクソヤクザ」
    「聡実くん、ひど~い」
    狂児が、聡実の柔らかい髪を撫でながら、おかしそうに笑った。
    「前科持ちのムショ帰りのクソヤクザとお付き合いしてるのは、どこの誰?」
    「僕やな」
    聡実が大きくため息をつきながら、狂児を見つめた。
    「ほんで、見るだけでいいんです?」
    「……見るだけ?」
    「そうや、見てるだけでええんか?」
    「……え?」
    聡実の言葉に、狂児が固まった。
    聡実は年相応の羞恥心は持ち合わせているが、同時にそれ以上の気の強さ、大胆さや豪胆さを見せる。
    それは出会った十四歳のころから、そうだった。
    狂児にはあのとき、聡実の性癖を多少歪ませてしまった自覚がある。もう一度接触してしまったせいで、キラキラでピカピカの光の世界を歩いていた聡実を薄暗い世界に引き込んでしまった。
    さらに恋人という関係までもってしまった。
    だが聡実の気の強さは、もとからあったものであるのも確かだ。
    「ムショ帰りの変態クソヤクザのくせに、肝っ玉小さいねん」
    聡実がジトっとした目で見つめた。
    「どんどん口悪くなっとるやん」
    「誰のせいや?」
    「俺やないやろ」
    狂児はヘラリと笑った。
    「……そういうことにしといたる」
    聡実は微笑むと、狂児の膝から降りた。
    「ほんで、……見るだけでいいんですか?」
    聡実は狂児を見下ろすと、ニヤリと微笑んだ。
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