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    mituguu

    @mitu_25pupu

    20↑|🔞腐向け小説を書く文字書き|アクナイ銀博♂︎中心|完成版は支部にて↓
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    mituguu

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    【銀博♂】銀灰の誕生日を忘れていて急遽休みをとる博の話|けるしぃと博が銀灰について話してるだけ|ギャグなので理性をポイしてお読みください|爆速で書いたので誤字脱字ありましたらお許しを

    #銀博♂
    #アークナイツ
    arkKnights
    #腐向け
    Rot

    ドクターは思い出した。大型猫シルバーアッシュの誕生日が、すぐそこまで迫っている事を。
    新しく加入してくれたオペレーターの履歴書を確認中に、シルバーアッシュの誕生日が直ぐだと気がついた。
    本日は二月十三日の夜。時刻はまもなく十四日に移ってしまう。
    バレンタインなどの季節性行事は、危機契約が終わって時間があるときにやろうと艦内に通達している。さまざまな事情があるオペレーター達が、季節を感じたいからとイベントをやる事を止めたくない。
    楽しみを見つけて、育んでくれるならロドスとしては大歓迎だからだ。
    (…まずいなぁ)
    シルバーアッシュの履歴書をテーブルの横にずらし、溜め息を吐く。バレンタインの通達、危機契約に続いていたイベント処理があり、すっかり忘れていた。
    (…バレたら怒るだろうな)
    灰色の天井をみあげて思案する。そういえばシルバーアッシュは、ここ数日ソワソワと落ち着きがなかった。
    ドクターと目が合えば、尻尾を揺らしてみたり丸みがある耳を左右に動かしたり。いま思えば完全に期待をしている動作だ。
    ここで真実の『忘れてた』という意見を発動したら、次に待つのはブチギレではすまないような気がする。
    連れ去られた後、長い時間をかけてゼロ距離の説教タイムが始まりそうだ。とても恐ろしい、あの無駄に綺麗な顔の圧に耐えられない。
    それに絶対にエロい事をされるに違いないし。どうせなら平和的なエロい事のが良い、監禁系はお断り申し上げたい。
    ふと新しく加入したオペレーターの履歴書を、ケルシーのしなやかな指先がリズミカルに叩いた。
    「ドクター、手が止まっているぞ。危機契約中だが通常業務を疎かに出来ないことを君はよく知っていると考えているのだが」
    「…ケルシー、突然で悪いんだけど15日に休みが欲しいな」
    怖々とケルシーを見つめれば、眉間にしっかりと皺を刻んでいた。
    「なにを言っているのか、理解できているのだろうな?私は危機契約中だと言ったんだが、ドクター」
    「分かってるよ、自分の状況も。現在の忙しさも全て」
    ケルシーは資材の把握状況のリストを手元にたぐり寄せながら、抑揚なく呟いた。
    「君を友人だと慕う者の生まれた日だと思い出したのか」
    「なんだ、知っていたの?教えてくれたら良いのに」
    「なぜ私が親切に、もうすぐ誕生日ではないのかと忠告しなければならない。それに特別扱いをしてどうする。君を友人だと言っていながら、おおもと理解できない者だというのに」
    ケルシーの意見はもっともだが、こちらにも事情がある。拉致された後に監禁されて、気がついたらシルバーアッシュ家に嫁いでるという、洒落にならない事態を防ぐためだ。
    「ケルシーの意見はすっごく正しいけど、私にも自分の身を守るという重大案件なんだよ」
    「この希望休暇を無碍(むげ)にした場合、どのような結果になりうるのか聞かせてもらおうか」
    ドクターは手を組んで、ケルシーを真っ直ぐに見据えた。
    「シルバーアッシュ家の嫁になる」
    ふふっとケルシーは声を潜めて笑った。口元を指先で抑え微笑む姿は、普段の冷淡さが嘘のように可憐に映る。
    「それは恐ろしいな、考えたくもない。君が嫁に行くのをアーミヤと見送るなんて恐怖以外なんと表現して良いのか、検討もつかないな」
    「あのねぇ、笑っているけど私は本気なんだよ。よく考えてみて、シルバーアッシュにとっ捕まったらロドスに絶対帰って来れないよ」
    お互い疲労を感じる時間帯だ。馬鹿馬鹿しいと笑いたくもなるが対シルバーアッシュには接し方を誤ると大きな犠牲を払う事になる。
    「ちょっと見てて」と言い、スマートフォンを手にしてシルバーアッシュにメッセージを送った。ケルシーは面倒そうな眼差しをドクターに向け、手元の資料へと視線を移す。
    「一応はデカイ猫に、お伺いをたてておく事にしよう」
    賭けても良い、絶対にドクターを寄越せと答えるに違いない。
    『夜遅くにゴメン。アンケート調査に協力してください。いま欲しいもの教えてくれる?』
    シルバーアッシュからのレスポンスはいつも早い。今日も秒で既読になったと思ったら返事がきた。
    『お前』
    資料を熟読していたケルシーがスマートフォンの画面を見遣り、うんざりとした表情をした。「私の想像よりも、かなり重症なようだな。ドクター」
    「ご理解、頂けてなによりだよ」
    続けてシルバーアッシュからメッセージが届いた。
    『できるだけ早急に受け取りたいのだが、いつ頃だろうか?』
    押しが強いシルバーアッシュの文面を見て、ケルシーは固まった。思考停止をしてしまうほどの圧を消化出来ずに、ふたりしてスマートフォンの画面を見下ろす。
    この男、本当に諦めが悪い。
    何百回も嫁に行かないと突っぱねているのに、全くもって諦めないし折れない。
    こっぴどく拒絶したら多少はしょげても良さそうだが、次の日に澄ました顔でロドスに来る神経が理解しがたかった。
    「…ここ数日の疲労を一手に引き受けているような気分だ」
    ケルシーが忌々しげに呟いた瞬間、またメッセージが届いた。
    『この話は此処で結論を出す訳にはいかない。少し待っていてくれ、直ぐに行く』
    今度は眩暈がするのか、細い指先でケルシーは額を抑えている。
    「胸焼けしてしまいそうだ、君はいつもこの調子に付き合っているのか」
    「こんなもん序の口だよ。深く考えたら負けだから、適当にいなす方が良いよ」
    「このような忠告を受けるとは考えもしなかった―」と言いながら、ケルシーは落ち着かない様子で資料を手元に集めている。
    「仕方がない。十五日の午後から休暇を許可しよう、ドクター」
    「…自分で提案したけど、全然嬉しくないよ」
    「なら断れば良い、部屋に立ち入りを禁じれば良いのではないか」
    淡泊なケルシーに向かって指をさした。
    「じゃあ、君が本気の真銀斬を受け止めてくれるの?」
    「私を痴話喧嘩に巻き込まないでもらいたい。ロドスの艦内を故障させる訳にもいかないからな、自分で処理をしてくれ」
    コートをもたつかせて、腕を組んで唸る。ケルシーのあっさりめな回答に出せる答えは、休みを取ることしか思いつかない。
    「やっぱり…時間を作って定期的に交流を持つ以外、穏便な解決策が思いつかないんだよねぇ」
    そうこうしてる内に、噂のデカイ猫がしたり顔してやって来そうだ。
    「せめて休暇の時間は厳守するっていう書類でも交わしておくか」
    「それは良い―」とケルシーは強く頷いた。
    休暇の時刻は決められていると、当たり前の話を契約書にするのもどうかと思うが、シルバーアッシュにはこれくらいしないと駄目な気がしてきた。
    「君にはまだ働いてもらわないと困るからな。帰ってきたら早急に仕事をしてもらおう」
    「やっぱり休みなの、楽しみじゃないなぁ」
    ブラック企業まっしぐらな会社にずっと居るか、貿易会社の社長様で貴族から寵愛を受けるのか。
    究極過ぎる二択。どちらを選んでも大変そうな道しかないので、真ん中を歩いて行くことにする。
    嫁に行かず、ほどほどに仕事したいのだけど。
    シルバーアッシュの誕生日まで、残り時間が少なくなってきた。大型フェリーンの誕生日を祝うのも、なかなかに楽じゃない。


    つづく…



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