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    馬刺し

    @SakuraNiku_Suki

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    馬刺し

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    初の伏虎です! 🐺🐯
    捏造多めなので伏虎ならなんでもいい方のみ
    お読みください!
    誤字脱字は目を瞑ってください😭
    読んだ後の苦情はお受けしていません!

    #腐術廻戦
    theArtOfTheRape
    #伏虎
    subdueTheTiger
    #腐向け
    Rot

    クンツァイトに願いを込めて虎杖悠仁、十五歳。運動神経抜群で地元の高校に通ってた頃は良く運動部の助っ人をしていて、その明るい性格ゆえに好かれる事もしばしば。しかし当の本人にはそんな自覚なんてなく、ただ困っている人を助けずにはいられない。ただそれだけの話だとお礼も断ってきた。

    例の夜、所属している部活の先輩やその場で出会ったばかりの伏黒を助ける為に特級呪物である両面宿儺の指を飲みこみ、適合したのか宿儺をその身に宿した悠二は秘匿処刑が決まった。

    守られるべき一般人、しかも未成年を宿儺の指を飲み込んだというだけで恐れの対象にし、処刑を望むとは…と五条や、それを聞いた伏黒が聞いて呆れるという顔をしても当の本人はケロリとした顔で「なるほどな」と冷静だった。

    普通、誰かを助けるためにした行為を咎められ、しかも処刑が決まるとは理不尽極まりないが、執行猶予がついているのが唯一の救いだな、と思う。どうせ死ぬなら、と祖父の遺言通り大勢の人を呪物から守り、宿儺の指を全て飲み込んでから消えることを悠二は選んだ。

    ***

    高専にいる一年は三人だけ。伏黒、釘崎、そして悠二だ。殆どの時間を三人で過ごし、絆が芽生えかけた頃、野薔薇に対する感情と伏黒に対する感情が別なものに悠二は気づいた。

    野薔薇とは強い信頼関係で結ばれている。伏黒ともそうだと思っていた。いや、実際そうなのだが何かがプラスされている気がするのだ。

    「何だかなー…」

    最近、伏黒と一緒に行動したり、遠目からでも見ていたりすると何故だか心がドキドキとうるさい。そして肩や手がぶつかるだけでその心だけでなく顔が赤くなったりしてしまう。

    「アンタ…それは恋よ!!」

    野薔薇は稽古の休憩時間にジャンケンで負けた伏黒に少し離れた自販機まで飲み物をパシらせた時に悠二に、そう衝撃の一言を告げる。「はい!?」悠二は驚き大きな声を出すが野薔薇に「うっさい!」と頬を抓られてしまった。

    「いひゃい…」

    「アンタのあいつに対する視線は恋しているソレだったわ。数々の少女漫画を読破してきた私に狂いはないの!」

    やけに自信満々に言い放つ野薔薇に悠二は「そうなのか…」と頷く。どこかストンと胸の空いたパーツが収まるような心地がした。そうか、これが恋なのか…と納得したう悠二はスッキリとした顔で野薔薇に「ありがとな!」と言った。

    「は?」

    「この謎な気持ちに答えがあってよかったよ。これで諦められるというか」

    「何で諦めるのよ…」

    「や、だって男同士って何かキモく…なん…あれ??」

    自分で言っておいて傷ついたのか悠二はポロポロと涙が出てきたことに気づいた。野薔薇は一つ「はぁ」と溜め息をつく。

    「ほら、ハンカチ」

    新品なのよ、洗って返してよね。と言いつつ悠二の頭を背伸びしてポンポンと撫でる。悠二は自分より背丈の低いこの少女がやけに大きく頼もしい存在に思えた。

    「気持ち悪くない…?」

    「は?アンタって本当、遅れてるわね」

    今時、男性同士の恋なんて珍しくも何もないのよ。好きになった人が同性だっただけじゃない。と言い放つ野薔薇に悠二は「ありがとな」と笑った。

    暫くして悠二が完全に泣き止むとタイミング良く伏黒が戻ってきて、少し遠くの自販機だった事もあり、缶ジュースやペットボトルが結露で濡れていた。

    「ん?虎杖、目元が赤いぞ」

    「や、大丈夫」

    「そうか?」

    「それより私のスポドリ買ってきたんでしょうね」

    野薔薇が話を逸らすように伏黒の手からペットボトルを取ると、「あー!これはカロリーゼロじゃない方!」と伏黒に対して文句を言っていた。

    「なら自分で買いに行けよ」

    「カロリー入ってた方がうまくね?」

    「アンタ達は乙女心を分かってないわねー。不必要なカロリーは女の敵なのよ!」

    「へー」

    「ふーん」

    「ちったぁ興味もてや!」

    野薔薇の鉄拳が伏黒と悠二に降ってきて二人は頭を抑え呻いた。

    「いてて…じゃあ俺の水と交換しようぜ。俺、塩分欲しかったんだよね」

    「合格」

    「何が?」

    「気配り六十点、虎杖にしてはやるじゃない」

    「うん?ありがとう?」

    交換すると申し出たら謎の加点を貰った悠二は鉄拳を食らったところをさすりながら野薔薇に水を渡した。

    「伏黒は何買ってきたん?」

    「アイスのブラックコーヒー」

    「あらあら、奥様。伏黒さんちの恵ちゃんは大人ぶりたいお年頃のようよ」

    「まぁまぁ、温かく見て差し上げましょう?」

    「言ってろ」

    伏黒に聞こえるように悠二と野薔薇はヒソヒソと親戚のおばさんのようなことを言った。しかし伏黒からすればいつも通りの光景なので気にせずアイスコーヒーを開けグイッと飲んだ。ゴク、ゴクと喉の動作に悠二は思わずドキリとした。何故だかやけに色っぽく見えて思わず目を逸らす。

    暑いこの夏の日に一体何度、伏黒から滴る汗を見て胸の高鳴りを感じただろう。その度に「自分はおかしい、家入先生に診てもらおう」と思っていたが診てもらう前に野薔薇から診断された答えは至って簡単、「恋」というものだった。

    そうか、これが恋か。そう納得してしまえば何だかスッキリした反面、悲しい気持ちにもなる。明確な未来が無い不安定な悠二は伏黒とのことを良い思い出として冥土の土産にしようと考えた。

    「おい、おい?虎杖?」

    「お!?う…?なんだ?」

    「いや、ぼーっとしていたから。大丈夫か?もう少し休むか?」

    「あ、大丈夫。稽古に戻ろうぜ、禪院センパイおっかない顔してこっち見てるし…」

    「だな…」

    「うっし!野郎ども行くわよ!!」

    「悠二はそこまで」

    「へ?」

    いつの間に居たのか神出鬼没なグッドルキングガイ(自称)の五条悟が悠二の後ろに立っていた。

    「え!?後ろにいきなり立たないでよ先生!!」

    「気付かないなんて三人ともまだまだだなぁ…」

    伏黒も野薔薇も気づいていなかったことを悟られ少しバツの悪そうな顔をしていた。

    「悠二、ちょっとおいで」

    このまま悠二、早退だから〜。と五条は悠二を引き連れて稽古場から去っていってしまった。
    野薔薇は伏黒がやけに大人しいのを不審に思い、顔を覗き見る。

    「うわっ、こわっ!」

    「あ?」

    「今、アンタ人を殺してきました。みたいな顔をしていたわよ」

    「んな訳あるか」

    ほら、戻るぞ。と稽古に付き合ってくれている二年達の元へと歩く伏黒は普段の顔に戻っていて野薔薇は「あーやだやだ、男同士の恋愛って怖いわぁ」と小さく呟いた。

    ***

    「悠二、呼び出された意味わかってる?」

    「うん?宿儺の指が見つかったんでしょ?」

    悠二と五条は札がびっしりと貼ってある地下牢のようなところに居た。そして悠二を黒子のように顔を覆った、恐らく五条家の者が悠二を強引に椅子へと座らせ、太い綱で繋ぐ。その綱にも札がびっしりとついており、それは悠二が宿儺の指を飲み込んで自身の内にある宿儺を制御できなくなった時の為の予防線だった。

    「これで何本目?」

    「丁度、十本目」

    「お、キリがいいね。あと十本頑張らないとな」

    「……」

    「そんな顔すんなって先生、何かあったら俺を殺してくれるんでしょ?」

    「……悠二は強い子だから抑えれるよね?」

    「んー、とりあえず頑張ってみる」

    あ、と悠二は大きな口を開け、五条が宿儺の指を箱から取り出し悠二の口の中へと入れる。すると悠二はそれを飲みこみ、暫くすると身体を大きく痙攣させ、苦しみ始めた。どうやら自分の一部を戻し、暴れている宿儺を必死に押さえ込もうとしているらしい。

    「ヴァああっぁうゔ…!!」

    唸るような低い声、それはいつもの朗らかな悠二の声ではなく、悠二の中に閉じ込められている宿儺の声だった

    「ケヒヒッ、五条。あと、少しだ。あと少しで貴様を亡き者にしてくれるわ!」

    「僕を最初にしてくれるんだろ?楽しみだなぁ?」

    宿儺の強い圧に負けず五条も不敵に笑い、挑発をする。しかし、宿儺は「いや?気が変わった」と五条に向けて告げた。

    「こやつはどうやらあの小僧をいたく気に入っているらしい。まずはあの小僧を先にやってから貴様にするとしよう」

    「…」

    「その顔、傑作だなァ?ケヒヒッ」

    五条との一方的な会話に満足したのか悠二が抑えることに成功したのかはわからないがそう言って宿儺は悠二の中へと戻っていった。

    「…クソッ」

    抑えつけるのに酷く体力を消耗したのか意識が戻らない悠二を五条は悠二を縛っていた縄を切り、抱えて地下牢を出た。

    ***

    しかし悠二が眼を覚ますことはなかった。宿儺の指を飲み込んだ時にはよくあることだが、指を飲み込む回数が増えていくたび見るからに悠二が弱っていくのは目に見えていて、宿儺の瘴気を時折抑えきれない日もあって悠二は休学という形をとり、厳重な警備が施されている地下牢へと連れていかれることになった。

    「五条先生、虎杖の様子はどうですか」

    「もー、恵は僕に会ったら開口一番ソレだよね!」

    嫉妬しちゃう!とふざけ半分に五条が言うと伏黒はギロリと睨みつける。五条が一年の教室に入った瞬間、これだ。悠二より伏黒の方が重症だと五条は思っていた。しかし五条は動じず、「何も変わらないよ」と言いのける。

    「何も変わらないなら会わせなさいよ」

    伏黒に続いて野薔薇も五条に詰め寄るが五条は「はいはい、授業スルヨー」と宥めて教卓に着く。二人は納得していない顔だったが、悠二は眠り続け、本当に変わりは無い。それ以外は本当に何とも言えなかった。

    ***

    授業が終わり、任務の二人は任務の時間になり各々車に乗り込んで目的地へと向かう。悠二が眠っているからか悠二の分の任務も二人で分担している。日中は授業と稽古、夕方からは任務で伏黒は寮に帰ると倒れるように眠っていた。しかし悠二を恨むことはない、それは野薔薇も同じようで、「アイツ、寝過ぎ」と口では言いつつも心配をしているのが、日々の落ち着きのない動作で伺える。

    休日、野薔薇と伏黒は大型ショッピングモールに来ていた。朝、ベッドで疲れをとっていると野薔薇が部屋のドアを勢いよく開けて「いつまで寝てんのよ!出かけるわよ!」と伏黒を叩き起こし今に至る。

    疲れて眠っていた中、叩き起こされて機嫌良く「はい」という人間がいるだろうか?いたら是非とも教えて欲しい。伏黒が「何をしに行くんだ」と聞けば野薔薇はポツリと「虎杖の見舞いを買いに行くのよ」と答えた。そう言われたら嫌だとは言えない。

    「何を買うんだ?」

    「はぁ?自分で考えなさいよ、この唐変木!アンタと私は別々で買うのよ!」

    「は?」

    「私とは別々のが虎杖は喜ぶでしょうね」

    まぁ、私のプレゼントのが喜ぶと思うけど?と野薔薇が煽ると疲労と寝不足で余裕のない伏黒は、いとも簡単に挑発に乗った。

    「言ってろ」

    「じゃあ買えたら連絡しなさいよ。またここで落ち合いましょう」

    そう言うと野薔薇は買うものが決まっているのか、伏黒とは正反対の方へと歩いていった。

    「何なんだアイツ…」

    挑発に乗ってしまったが最後、手ぶらでは会えない。伏黒も色々な店を入っては眺めを繰り返すもののピンとくるものはなかった。するとパワーストーンという看板が伏黒の目に入る。石か…石は人の念が入り、呪いと成りやすいんだよな、と通り過ぎようとした時、店先においてあった薄桃色の石が目の端に入った。

    「……」

    「こちらはクンツァイトと言うんですよ」

    薄桃色の石の前で暫く立ち止まっていると、側にいた老齢の男性店員が伏黒に話しかけてきた。

    「石にも言葉がありましてね、このクンツァイトは無償の愛。というんです」

    隣のアメジストという石とも相性が良いんですよ、と店員はそういうと、奥にあるレジに呼ばれたのか「では、失礼」と離れていってしまった。

    「…無償の愛…」

    クンツァイトを見た時、何故か悠二の笑顔が浮かんだ伏黒は更に悠二に会いたくなった。早く起きないものか、あの笑顔をまた見せてくれないものか、と。クンツァイトが埋め込まれているネックレスを手に取り、レジへと向かう。

    レジから出ると、店先に野薔薇が仁王立ちで伏黒を待っていた

    「なんでここに…って顔してるわね。まさか此処を選ぶとは思わなかったわ」

    「……」

    「何買ったの?」

    「別に…なんでも良いだろう」

    「当ててあげるわ。クンツァイト、じゃない?」

    「…!」

    「…アンタって分かりやすいわよね」

    とりあえずどこかでコーヒーでも飲みましょ、と野薔薇は近くにあった喫茶店を目掛けて歩く。伏黒は「もうどうにでもなれ」と思いながら野薔薇についていくことにした。

    ***

    「うーわ、本当にクンツァイトなのね…しかもネックレス」

    「だから何だよ」

    「無意識なのね…しかもラッピングしてないし」

    そう言った野薔薇は自分のカバンから先ほどの店の名前が書いてある袋を取り出す。野薔薇はしっかりギフトとしてラッピングをしており、中を見ることは出来なかったが、中身は同じクンツァイトのピアスだという。

    「で、これはアンタの」

    「俺?」

    そう言って野薔薇は小さな紙袋を伏黒に渡す。伏黒が恐る恐る野薔薇を見ると「何よ、早く開けなさいよ」と急かされた。言われるがまま袋を開けると、そこには綺麗な小さなアメジストが埋め込まれているピアスが入っていた。

    「これ…」

    「私のも買ったのよ、私はインカローズっていう可愛いピンクなの」

    そう言って野薔薇はもう一つ袋を開けて見せると苺ミルクのような色のピアスを見せた。

    「そうか…」

    「そうか、とは何よ」

    「…ありがとな」

    伏黒は無意識なのか少し微笑んだ後、コーヒーを飲んだ。

    「虎杖、早く目覚めると良いわね」

    「そう、だな」


    ***

    「今日は付き合ってくれてありがと、じゃ」

    「おう」

    「あ、そうだ。さっき店員さんに聞いたんだけどパワーストーンって月の光に当てると良いみたいよ」

    そう言って野薔薇は女子寮へと帰っていった。

    「月か…」

    夜になり、入浴を済ませてベッドに入る。外を見ると満月なのか真丸の月が雲ひとつない夜空に浮かんでおり、伏黒は丁度いいな。と、今日、悠二のために購入したクンツァイトのネックレスを紙袋から取りだし、月の光に当てることにした。

    虎杖が、悠二が目が覚めますように。またあの笑顔を見せてくれますように、願わくば

    俺だけに。

    「……は?」

    今、自分は何を思ったのだろうか?しかしその考えを否定しようとすればするほど、悠二との楽しい思い出が溢れてくる。その時、初めて伏黒は自分の悠二への想いを知ったのだった。

    「はぁ、寝るか…」

    とりあえず寝ればまた考えは変わっているかもしれない。そう思い、伏黒は目を閉じた。

    ***

    「グッモーニン!二人ともお疲れのようだね〜

    翌日、教室に入ってきた朝から煩いほど元気のいい五条を普段は相手にしない伏黒だが、この日は五条に近づき「お願いがあります」と口に出した。

    「んー?悠二に会わせろとかは流石の僕でもまだ出来ないよ〜」

    「違うわ」

    伏黒の隣に座っていた野薔薇が否定すると伏黒は昨日購入し、月の光を沢山吸わせたクンツァイトのネックレスが入った。紙袋を五条に渡した。

    「ん?何これ…」

    「私も、はい」

    「えっやだ!僕ってばモテ期!?」

    はわわっ!と口元に手を当て、少女漫画のヒロインのような態度をとる五条に二人は若干…いや、かなりイラッとしたが流した。

    「違いますけど」

    「何言ってんの?」

    「朝から辛辣!いいね、元気でよろしい」

    五条は慣れているのか全く気にした様子もなく「悠二にだね?オッケー」と伏黒と野薔薇からの紙袋を受け取った。

    「一応、上のジジイどもが煩いから形式上、袋開けるけど戻しておくから」

    「はーい」

    「分かりました」

    「いいね、いいね、青春だね」

    僕も入れてっ!と嬉しそうに言う五条に今度こそ二人は何も言わず流した。

    ***

    「悠二、恵と野薔薇がプレゼントだって」

    五条が話しかけてもスヤスヤと寝息を立てる悠二に五条は「今日もダメか」と少し落胆する。二人から預かった紙袋からは温かい優しい、陽の光を沢山浴びたシーツのような柔らかい気配を感じた。開けてみたら、パワーストーンというもので二人が選んだものは形は違えど同じ種類の石のようだ。五条は少しの好奇心でその石の名前を調べる。

    「なるほどね〜。ま、野薔薇は分かってるだろうけど恵は無意識で選んでそうだな」

    色も形も。ピアスを贈る意味は、「いつも見守っている」で、二人の仲を見守る意外と面倒見の良い野薔薇らしかった。
    そしてネックレスを贈る意味は…

    「永遠に一緒にいたい、かぁ…重いねぇ」

    悠二は果報者だね!と五条は悠二のふわふわの髪を撫でる。そして伏黒からのネックレスを悠二に悪戯心でつけ、仕事の時間だと席を立った時

    「んー…せんせぇいるの?」

    「まじか…」

    「何が…?」

    悠二が眼を覚ました。

    ***

    「俺、一ヶ月寝てたの!?まじか、そりゃ身体が重い訳だ」

    てかこのネックレス何?と悠二がいうと五条は「愛しの恵からだよ」と告げる。「愛し!?」悠二は顔を真っ赤にし眼を逸らす。

    「いやーもうバレバレだよ。気づかなかったのって君たち位じゃない?」

    「…そんなに?」

    「そんなに」

    悠二が眼を覚ましたことで処刑を望んでいた者達は落胆したようだ。かといって悠二の生存を希望する者は上にはいないのだが。

    「まぁ、何はともあれ明日から復学ね。リハビリもするからよろしく!」

    じゃ、僕は仕事だから!と手を振って五条は部屋を出ていった。

    地下牢から出た五条は「愛だねぇ…」と口に出して車を出してくれる伊地知の元へと向かった。


    「ということで目覚めし乙女!悠二くんでーす!」

    「乙女じゃねぇし!?」

    五条が教室に入るや否や後ろから今も眠っていると思っていた悠二が入ってきたのを見て伏黒と野薔薇は驚きを隠せない。

    「つーか悠二すごくない?昨日起きて少しリハビリしただけで歩けるってもはやゴリラ」

    「や、先生に言われたくはねぇし」

    テンションもノリがいいのも以前と変わらない、少し違っているといえば以前と比べれば痩せ細った所だろうか。それでも今の元気の良さを考えれば心配は無さそうだ。授業を終え、放課後の稽古に向かうため三人は教室を出た。

    「虎杖、遅いわよ」

    「……」

    「俺の分の任務も分担してくれてサンキューな!」

    「フン…簡単すぎて何とも無かったわ」

    「……」

    「で、何で伏黒は黙ってんの??」

    「……」

    「…あ、私、真希さんに聞くことあったんだわ。先に行ってるわね!」

    そう言って野薔薇は走って先に稽古場へと行ってしまい、その足の速さに悠二は「お、おう?」と言うしかなかった。黙り切っている伏黒と二人きりになった悠二は少し気まずくなった。

    「あ、あのさ、」

    「虎杖」

    「お、おう」

    「目が覚めて、良かった」

    「ありがとな!」

    ニカッと笑う悠二の笑顔を見て漸く伏黒は「あぁ、虎杖だ」とホッとした。

    「伏黒、俺さ」

    「お前のことが好きだ」

    「さっきから被せすぎね!?…って…え?」

    「好きだ」

    「ヒェ…」

    大好きな伏黒からの言葉に悠二は思わず顔を逸らす。しかし伏黒はそれを許せないのか逸らした顔を悠二の顔を自分の方に向けた。

    「お前は?」

    「ひゃい…?」

    「俺のこと、どう思ってる?」

    そう言う伏黒の顔は「好きだよな?」という確信めいた顔なのか不安そうな顔なのか、分からない表情をしていて、その迷子のような顔に悠二は腹を括ることにした。

    「好きだよ」

    「…」

    「大好きだよ」

    「……嘘だ」

    「それ自分で言ってて悲しくならねぇ?」

    俺の言葉信じられない?と首を傾げると伏黒は「いや、違う」と言って俯いた。

    「自信がない。愛される自信が」

    「お前が俺を好きでいてくれるのに?」

    そう言われ伏黒は少し顔を上げると、悠二の首元にキラリと光るものがあった。

    「それ、は」

    「おう、お前が選んでくれたネックレスなんだろ?」

    「俺、これつけた瞬間起きたらしいぜ!」と笑う悠二に伏黒は信じられないと言いたげな顔をした。

    「そんなこと…」

    「嬉しいよ、お前からっていうのが」

    勿論、釘崎からのもだけど!と慌てるように付け足す悠二の言葉に伏黒はショッピングモールで野薔薇に言われた言葉を思い出した。

    「そうか」

    「俺はお前が大っ好きだし、お前も俺を好き。簡単なことだろ?」

    「好きじゃない」

    「心変わり早え!!」

    「愛してる、大切にする」

    そう言って伏黒は悠二の首元で光るクンツァイトを手に取り、軽くキスをして顔を真っ赤にしている悠二を強く、強く抱きしめた。
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    Replies from the creator

    馬刺し

    DONE⚠️必読⚠️
    🐯が女の子です。つまりは女体化
    身篭った🐯♀が逃避行する話
    捏造だらけ

    まともに書いたのは初めて!な五悠♀です
    単行本は持ってるので徐々に解像度上げていこうと思っています。

    読んだ後の苦情はお受けしていません

    なにか使い方間違っていたら
    そっと、できれば優しく教えて頂けたら幸いです🙇🏻‍♀️
    あの子 虎の子 逃走中!その日、五条悟は酷く疲れていた。悠二の元へと早く帰りたい。その一心で任務をこなし、ようやく家に帰ってこれた!と思いきや、部屋の中は既に真っ暗だ。寝ているのか?と思い、とりあえずリビングへと足を向け灯りをつける。するといつも食卓を囲む机に紙切れが置いてあった。

    「探さないでください。」

    それだけ書かれた紙にをポカンと見つめる五条は「へ?」と間の抜けた声を思わず出してしまった。「探さないで、ください?」なんだそれは、何か嫌な気持ちにさせてしまっただろうか。この間、間違えて食べた悠二のプリンはあの後、ちゃんと謝って許してもらったし、アイスを食べた時も、靴下を裏返して脱いだ挙句、ソファに置きっぱなしで怒られた時もしっかりとその後、機嫌を直して貰ったはずだ。いや、どれだけ自分は悠二に迷惑をかけているのか…?思い起こせば思い起こすほど嫌になってきた。
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