言霊2 避けられても仕方ないと思っていた。端的に言ってしまえばKKを押し倒して逃げるように帰ったのだから。けれど、僕の予想とは裏腹に祓いの仕事の連絡が届いた。連絡は凛子さんからだった。よくよく考えてみれば、仕事は凛子さんから振られることが多い。KKが彼女に先日のことを話すわけもなく、ともすればいつもと変わらず「手伝いをお願いしたいのだけど」と凛子さんから連絡が来るのは当然のことだろう。
新たに懸念するべきかKKがごねて現場に来ない、ということだが、KKは仕事は真面目にこなすタイプだ。予定通りの時間に彼は現場に来た。常と変わらない態度で。KKに言わせればオトナの対応ということなのだろう。わざとこちらを意識しないようにしているのが癪で、僕はいつも以上にKKを目で追った。
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