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    リョウ

    エペとゴスワイ。暁Kの沼にドボン。
    @andandryo

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    リョウ

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    ED後みんな生きてる世界線なのに幸せにならなそうな暁→→→→→Kくらいの暁Kです。
    病み気味な闇思考暁人くんの思考がうるさい話。需要はないだろうけど思いついてしまったから書きました。供養!

    #暁K
    ##GWT

    繋がらない想い 繋がれた糸「僕はKKのことが好きです。付き合ってくれませんか」
     アジトの一室。夜もすっかり更けて室内には僕とKKだけしかいない。
     なんの捻りもない愛の告白を口にすれば、KKの目が見開かれた。けれどそれはほんの一瞬で、彼は目を細める。
     ついにきたか、とでも思ったのかな?
     そんな風に邪推してしまうのは、僕がKKに気があるということをあからさまに態度に出してきたから。

     あの事件の後——まるで何事もなかったかのように僕らは渋谷に戻っていた。みんな生きたまま。こういうのを奇跡と言うのだろう。そして、生身のKKを目にした僕は決意したんだ。絶対に彼を離しはしないと。
     適合者になった僕はKKのアジトに出入りするようになった。事件以降、頻度は落ちたとはいえ怪異は起きる。今まではKKが一人で解決していたみたいだけれど、無理をしていたのは明白だ。だから僕は手伝いを申し出た。KKは態々面倒事に首を突っ込むなって反対していたけれど、凛子さんが僕の援護をしてくれた。一人でやれることには限度がある、でも二人ならって。なにより、あの夜の実績が大きい。その話を出されたらKKもNOとは言えなくなったみたいで、試用期間の条件付きで仲間に加えてくれた。
     そこからは粉骨砕身の言葉の通りに頑張った。
     怪異の調査やマレビトの浄化はもちろん、調べ物や雑用、不摂生な食事をしがちなアジトのみんなに手料理を振る舞ったりした。一通りの家事はこなせる僕は重宝された。
     怪異への対応についてはすでに十分な経験をあの夜に積んでいたこともあり、KKも文句はないみたい。なんなら弓の扱いは僕の方が上だってお墨付きまでもらった。
     そうやって信頼を勝ち取りつつ、僕はKKへのアプローチを忘れない。
     彼を目で追ったし、できるだけ一緒にいるようにした。邪魔だと思われない程度に注意して。表向きは相棒として、憧れを抱く青年としてそんな距離感に見えるように。でもKK二人きりのときは恋する少女のように純粋な瞳で彼を追った。少しわざとらしいかとも思ったけれど、KKは僕を子供だというから、素直な子供みたいな態度に見えた方がいいと開き直った。
     だから、きっとKKは気づいてる。そうであって欲しい。
     僕はタイミングを見計らっていた。いつ告白するのが良いのか。僕がアジトのみんなに認められたタイミング、使用期間から正式に仲間に変わるその時が良いと思っていた。だってみんなから必要とされている僕のことを、オトナで優しいKKが無下にするとは思えない。
     そして、それが今日だった。KKと二人になる時を待って僕は切りだしたんだ。

     僕の言葉に、KKの視線がわずか彷徨う。次に僕を捉えたときは困ったような曖昧な笑顔を浮かべていた。
    「お前のその好意は嬉しいよ。でも……それに応えることはできない。すまない」
     これは予想していた回答だった。
     僕にはわかっていた。KKが僕と付き合うなんてことはありえないって。だって、彼は家族を愛しているから。「家族じゃなくなってた」なんて言うけれど、それでもKKは家族を大切に想っている。そうでなければ写真を残して持ち歩いたりしない。
     それでいいんだ。そんなKKだから、僕は彼を好きだと、彼のために尽くしたいと、彼を大切にしたいと思ったんだ。
     優しいKKは申し訳なさそうに僕をみている。
     僕は笑った。寂しそうに。
    「ありがとう。ちゃんとふってくれて。わかってたんだ。ふられるって。でも気持ちにケジメをつけたかったんだ」
     これは僕の我儘だからと告げると、KKは苦しそうに眉根を寄せた。
     そんな表情させたい訳じゃないのに。ごめんね。KKは優しいから僕を可哀想とか、僕に対して申し訳ない気持ちとか抱いちゃうんだよね。
     それもわかってたんだ。
    「ねぇ、KK。もう一つだけ我儘言ってもいいかな……?」
    「……なんだ?」
    「これからも隣にいさせてくれないかな。相棒として」
     恋人になりたいわけじゃない。ただ、今までと変わらず接して欲しい。そんな僕の我儘な願い。そんな願いに、
    「いいに決まってんだろ」
     片方の口角を上げてニィっとKKが笑って応えてくれた。
     よかった。嫌われたり避けられたりはされなさそうだ。
    「ありがとう、KK。これからもよろしくね」
     相棒として、と差し出した右手をKKが握る。
     その手が汗で湿っていた。なのに手は冷えていて、KKが少なからず緊張と決断をしていたのだと察した。
     そのことに、僕は密かにほくそ笑んだ。
     

     ごめんね、KK。
     僕はあなたが思っている以上に狡くて、計算高い、我儘な子供なんです。
     オトナなあなたは僕の気持ちを知ったとしても、今まで通りの関係を僕が望めば応えてくれるだろうと、そうに違いないと思っていました。
     オトナなあなたの優しさにつけ込む、ずるい子供でごめんなさい。
     優しくて賢いオトナなあなたは、今までと変わらず僕に接してくれると確信していました。

     でもね、KK。
     人ってそんなに簡単に割り切れないものだよ。
     今までと変わらず。そんなの無理に決まってる。僕の気持ちを知ってしまったら、意識しないわけにはいかないよ。
     時間はかかるかもしれない。けれど、考えずにはいられなくなる。
     
     だって、
     あなたから離れた家族より、僕の方が一緒に過ごす時間は長くなる。
     あなたから離れた家族より、僕はあなたを大切にできる。
     少しずつ、でも確実に僕との時間が増えていくんだ。

     だから今はこれでいい。
     あなたの心を揺さぶれた。
     それだけでいいんだ。
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