触れるジャスティスタワーの上階から見た時は、空は綺麗に晴れていた。夏らしく濃い青をしていて、イワンは目を細める。
外はきっと暑いだろう。
随分と向こうに大きな入道雲が出ていて、それがさらに夏っぽくて、窓に手を当てた。ひんやりしたガラスの感触が気持ちがいい。
ぺたりと掌を押し付けていると、トレーニングルームから顔を出した虎徹に呼ばれる。
「はい、行きます!」
もう一度だけ空を見て、イワンは小走りで虎徹の所に向かった。
「ほれ、これがトレーニングメニューだと」
「あ、ありがとうございます」
「だいぶハードそうなメニューだな。大丈夫か?」
「…はい」
わしゃっと虎徹に頭を撫でられてイワンは恥ずかしくなって俯く。
エドワードの一件があってから、イワンはそれまであまり積極的ではなかったトレーニングの量を増やした。トレーナーに相談しながら、少しずつ負荷をかけて行くメニューは、イワンの状態を見ながら変化していく。これで3回目の変更で、だんだんと厳しくなってきた。それでも虎鉄やアントニオたちに比べれば可愛いものだ。
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