「なあルーク。 子供扱い、やめていいの?」
僕の首の後ろをぐっと固定した手が大きくて、やたら熱く感じる。
じっとこっちを見詰める目が値踏みするような、それでいて怖がっているような、見たことのない色をしてる。
熱くて耐えられなくて、目を逸らした。
本当は視線だけじゃなくて身体を起こそうとしたのに手がびくともしない。
なにを、どう答えたらいいのか。頭が真っ白で回らない。
「……っ」
「……、………。」
「じゃあ試してみよっか」
「……え?」
「嫌だったら突き飛ばしてよ」
膝から重さが消えたと思ったら口になにか触れた。
それが何か考える前に、ぬるっとしたなにかが口の中に入ってきた。熱くて、少しお酒の味。
キスされてる。しかも、深いもの。
モクマさんがじっとこっちを見てる。
至近距離で視線が合う。瞳の暗いところの闇が深くて、吸い込まれそうで、目を閉じた。
突き飛ばせなんて言われたって目の前にテーブルがあるのに出来るわけないじゃないか。
少し猫背になっていたはずが、気付いたらソファーの背もたれに背中を預けてた。
上顎を舌で舐められるのがくすぐったくて変な声が出る。
そしたらモクマさんは少し笑った。舌を舐められるのも、くすぐったいのに、それだけじゃなくて、なんだかゾクゾクする。