「イルミみたいにサラサラのロングヘア目指してたんだけど切っちゃった…」
眉を下げ口元を緩く上げてにへらと笑う。
「へーえ、切ったんだ。その髪形いいじゃん」
さらさらと髪を撫でるイルミに嬉しいような微妙な感情になる。でもイルミのサラサラのロングヘアが羨ましくて隣に並びたくて伸ばしてたのに…切っちゃったのだもの。もう戻ってこない。サラサラと冷たい風にイルミの髪が揺れる。その髪が美しかった。嫌なものや塵とかを流水がなくすかのようなサラサラとした川のように流れる長い髪が欲しかった。
「何落ち込んでるの。切ったのはオレに出会う前の髪でしょ。そんなのいらないしいつか切ろうと思ってたからいい機会だよ。それに……」
艶めいたはこのようなバッグからふわりと天使の羽で包み込むかのように真っ白のマフラーを広げ私に巻き付ける。
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