オーケストラ「そして僕らは、」出演者・関係者様 控室
突如、集められた人たち室内にはオーケストラで使う楽器の数々
主催者からの手紙には、好きな楽器を選んでください。
律儀に全員の分の服も用意されていた
赤井 指揮者
弦楽器
蒼山 ヴァイオリン
藤堂 チェロ
打楽器
森本 ティンパニ
管楽器
栗栖 トランペット
黒川 チューバ
木管楽器
佐倉 ファゴット
零 サクソフォン
弦楽器がまとめられた部屋に入る
蒼山 藤堂
興味をもったのか、打楽器の部屋に入る森本
管楽器に交互に入っていく栗栖と黒川
木管楽器には佐倉、すぐに出てきた零
最後まで決まらない赤井
「決まったのか」
「うーん、どうしようか」
「これならどう?」
佐倉が手渡してきたのは、楽器ではなかった
「…指揮棒?」
「確かに、赤井さんに合ってますね!」
「そうだな」
「お前に俺達を指揮できるのか、見ものだな」
「金は貰っているからな。面白ければなんでもいい」
「……」
皆先にホール会場へ行ってしまったが、修平だけは残ってくれていた
「俺にできるかな」
「あぁ、瞭にしかできないと思う」
「修平…」
「瞭、行こう」
修平に手を引かれて、ホールに移動する
皆、それぞれ楽器なんて一度も引いたことが無い
きちんとした曲に、それ以前にそれぞれの音がまとまる思えない
それは予想するまでもなく、目に見えていたことだけれど
不思議とどこかワクワクしている自分もいる
「あぁ」
俺は、その部屋を後にした。