運命の赤い糸④蒼山 ーblueー
指に結ばれた赤い糸を見つけようと家を出ると、その先には映画研究会の部室があった。
ゆっくりとその扉を開ければ、室内には修平の姿があった。
「おはよう、修平」
「瞭?今日は来る予定はなかっただろう。……何かあったのか?」
第一声で俺のことを心配する様子に、顔が見たかったと伝えて一緒に動画の編集作業を手伝うことにした。本当の目的だった赤い糸は、俺と同じように修平の小指に結ばれおり、それについて何も言ってこないということはきっと修平にはこの糸が見えてないのだろう。
しばらくの間そのことを伝えずにいたが、ふとした拍子にその正体に気がつく。
「もしかして……」
小指と小指に繋げられた『運命の赤い糸』なのではないかと。
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