萩原と迎える11月8日の朝「おはよ。…大丈夫?」
「うーん、なんか悪い夢見てた気がする…」
少し肌寒い朝に夢見まで悪いとなると仕事前とはいえ、布団から出たくないのは人の性だろう。心配そうに声をかける彼に抱きつけば寝起きのせいかいつもよりも温かく、とくとくと動く心臓の音が心地良い。
「よし、じゃあ研二くん特製スペシャルモーニングにしようぜ」
「スペシャルモーニング…?」
彼も今日は仕事だったはず。手の込んだものを作っている時間は無いだろうと首を傾げるとにこにこと笑って彼が言う。
「俺が作れば研二くんスペシャルでしょ?コーヒーくらいなら美味しく淹れちゃうよ」
どう?とウインクまでもらってしまっては布団から出るしかないだろう。
「うん、お願いします」
「任されてー♪」
「あ、そうだ。おはよう、研二くん」
一緒に起きた時のルーティンを思い出し頬におはようのキスをする。
一緒にベッドを出て、一緒に朝ごはんを食べて。こんな幸せな日々がいつまでも続きますように。