花を散らすその瞬間 喉が異様に熱い。いや、これはもはや喉だけの問題じゃない。体内の熱が無駄に活性化し、巡りまわっている感覚すらある。気を抜けば、その場でぶっ倒れそうな、そんな勢い。
「あ゙ーくっそ……」
悪態を一つ、吐き出す。
しかし当然ながら吐いた悪態は宙を舞い、誰の耳にも届かず霧散する。
こうなってしまう要因が起きた少し前の時間。いつものようにラボでタイムマシーンの設計図について考えごとをしていた時。ふと、机の上に見慣れないペットボトルがあった。ラベルもなく、中身は透明の液体。水かなにかだろうか。
「ンだこれ」
いつもなら絶対に変なものに手を出すことはしない。しかしこのラボに出入りしている人間は限られている。科学の師匠でもあるゼノ、科学王国時代からずっと仲間のクロムとスイカ、それから数人の信頼できる科学者のみ。
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