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    妖怪おしぼり煮込み

    @SfDEN

    腹いてーなー、でも俺のせいじゃねーなー。

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    POIPOI 4

    何が真実か?
    自分が信じて疑わない物ならば、誰になんと言われようとそれは真実だ。
    例えそれが、自分にとって不都合な事であったとしても。

    #夢

    本当の自分瞼の裏に光を感じ、目を開ける。
    徐々にノイズが薄れ、脳に血が巡って行く。
    「えーっと…」
    俺の1日はいつもここから始まる。

    「今日はこれから楽しい事がある?」

    …いや、無い。

    「じゃあ、昨日は楽しかった?」

    …そんな気がする。

    「それは何故?」

    …思い出せない。

    2つの自分を離れさせて行く。
    視界に映る世界が徐々に明瞭になり、感じていたノイズも無視出来る程度まで落ち着いた。

    …俺、やっぱ昨日なんもしてねーじゃん。

    上体を起こすと2つの自分は完全に離れ、そして、自分で無くなった自分は消滅した。

    ベッドから足を下ろして座る姿勢になる。
    ハッキリとは覚えていないが、昨日もこうしていたような気がする。

    日々複雑化して行く社会に順応出来ず、ただいたずらに時間を過ごすだけの自分。
    そんな自分が堪らなく嫌いだった。
    時計の短針は頂点にある。
    外の気配からして昼の12時だろう。
    もう誰も何も言わない、期待なんかされない。
    それはそれで気が楽だったのは否定しないが、とても客観的に自分を見ようとは思えない。

    過去を振り返ると、どれもこれも嫌な記憶ばかりだ。
    楽しかった思い出もあったのかもしれないが、全て不快な記憶で塗りつぶされてしまって思い出せない。

    世界の解像度が高くなればなるほど、何もかも嫌になってくる。

    座った姿勢から身体に力が入らず、倒れるのに身を任せ、再び横になった。
    徐々にノイズに包まれて行く。

    全身の力が抜け、やがて、2つ目の自分が新たなる世界へと歩みを進め始めた。
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    Replies from the creator

    妖怪おしぼり煮込み

    CAN’T MAKE皆さんはお婆ちゃんの事、大切にしていますか?覚えていますか?
    私は実家にいた頃いつも喧嘩してばっかりでした。
    喧嘩は同じレベルの者同士でしか起こらないとも言いますし、これだけ歳が離れているにも拘らず何日も引きずるような喧嘩をしているのならば、逆に仲が良いのかもしれませんね。
    喧嘩をする事も、話をする事も、亡くなってからでは遅いのですから。
    あの景色を追いかけて。暑い、全身が痛い、でも、あと少し…
    視界に映る景色は呆れるほどの田舎道で、一車線程の道路を除くと全てが自然に溢れていた。
    徐々に足が地面から離れなくなり、焼けたアスファルトの熱が足に伝わる。
    脇に東屋が見えたので、少し道を外れて木造の椅子に腰を下ろした。
    視界は常に歪み、蜃気楼を捉えることすら難しい状態だ。
    もう動きたくない…帰りたい。
    こうして挫けそうになる度、朦朧とした意識でこの苦行の始まり、そして遠い昔の事を回想するのだった。

    あれは今から二時間前、俺はクーラーの効いた部屋で何をするでもなく、いたずらに時間を食い潰していた。
    我が家は取り立てて広いと言うわけでもない無難な一戸建て。
    祖父の代からあるらしいが、扉や壁は一式新しい物に替えられている。
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