時を紡ぎ、心寄せる不意に意識が覚醒する。
辺りを見回すが全く覚えのない景色が広がるばかりで、現状を把握する術にはならなかった。
(……此処は、どこなのだろうか)
首を傾げつつも、何気なく自らの手を見て───ぼんやりと透けている事に気づき、思わず眼を瞪った。
そして思い出す、意識が覚醒する直前、自らの身に起きた事を。
(そうだ、私は……)
◆ ◆
それは、とある任務の最中の出来事だった。
この日の祓除対象は特級相当の呪霊で、幾ら一級の七海と言えども到底敵う相手ではなく、そもそもが抜擢される事だってない……通常ならば。
本来は特級呪術師である五条が別地での任務を終えた後、この呪霊に対応する予定であった。
しかし呪霊が想定外の動きを見せ始め、とうとう非術師に被害が及び始める。
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