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    さくみ

    @393online

    随時ラクガキか小説更新。大分やりたい放題。なお、勝手に消すことあるます。気に入った、刺さったものあればリアクション、感想等どうぞ🌠

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    さくみ

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    フライイングかなみゆちゃんクリスマスプチ超小話。1番大きい彷徨誕話はほぼ出来てるよー!

    贅沢街はすっかりクリスマス一色。クリスマス商戦で溢れ、夜はイルミネーションが輝いている。
    迫ったクリスマスは1週間後で、何故かこの日が誕生日で。仏教用語にもあるくらいこんなにも"因果"と言う単語が似合うのは自分くらいなんじゃなんて思ってしまった。クリスマスが誕生日。誕生日だけど嬉しかった事って昔はなくて。多分初めて嬉しいと思ったのは、中2の時だったかも知れない。
    ☆:。・:*:・゚' ☆,。・:*:♪・゚'
    彼女は目の前で、グレーの毛糸を編んでいる。"初めての編み物"と記された雑誌と睨めっこしながら。そう言えば、11月に入った頃からがずっとしている。
    「えーと…ここがこうなって……」
    「…」
    所々解れてるけれど、そんなのお構い無し。まずは進めている、そんな感じ。マグカップのココアはすっかり冷めてしまって。でも雑誌との睨めっこは集中している。
    「あー、なんで?ズレちゃうよー」
    「休憩すれば?」
    「無理だよ時間ないもん!うえーんもっと早くやれば良かったよー」
    何故こうもたかが編み物に必死になるのか。ズレが出るのは、当然解れがあるからじゃないのかとか、編み込んだ場所が間違ってるからじゃないのかとか、正直ツッコミたい所は満載。多分突っ込んだら怒るだろうから、言わないけど。
    「これ、何?」
    「何って見れば分かるでしょマフラーだよ!」
    「マフラー…ね」
    「これは練習よ!うー初心者向けの買ったんだけどなぁ…」
    練習、時間ない、早めに、総合からして誰かにやるためのなんだろうけど、こんなペースで間に合うんだろうか?
    「まだ半分の長さもないじゃん…」
    「分かってるわよそんなの!」
    雑誌は図解まで付いてるのに何故分からないんだろうって言いたいけれど、言ったら最期になるかもしれない。
    「もぉーワンニャーいたらなぁー!教えてもらえそうだったなぁ!せめてあとひと月くらいまで居て欲しかったな」
    おにぎり持って救助船助けて、元の両親へ帰せたのは10月くらい。カレンダーはそれからひと月経っている。
    誰かあげるつもりの手編み。誰に?
    「ソレ、誰にあげるの?」
    ボロっと出してしまった。
    「えっ…」
    「…あ、いや…」
    何故か、醜い気持ちになってしまった。こういうのをヤキモチって言うんだろうな。
    「…それ、出来たらおれに頂戴」
    「えっ」
    「おれが、欲しい」
    「彷徨?」
    「だっておまえは、おれの……」
    ガキみたいだ。
    「悪い、忘れろ」
    「これ、彷徨に、だよ?」
    「…え」
    「で、でもまだ、暫くかかるから。く、クリスマスまでには頑張る!だから、待ってて!」
    そう言って出来上がって来たのは、まだまだ詰めが甘くて、とても外で巻けやしないもの。大粒の滴を零しながら「今度リベンジする!」って言ってたけど、無理に引き取った。初めてくれたプレゼントだったから。
    ☆:。・:*:・゚' ☆,。・:*:♪・゚'
    今年も、その日まであと、1週間。
    「彷徨、ごめーん参考書借りていい?」
    「参考書?何の?」
    「数Ⅲ!もーやだ意味分からない~」
    本棚から勝手に出してと言った後、未夢が叫んだ。
    「彷徨、来週暇でしょ?ね、クリスマス何が欲しい?」
    「はぁ?何急に…」
    「ほら、彷徨だって19になるんだよ欲しいものなんか山ほど思いつくじゃない?」
    と言うかあと1週間なのに何欲しいってそれ今聞くのか?
    「山ほどな程の欲はないんですけど」
    「無欲だなぁ。わたしが叶えられる範囲で叶えます!」
    「じゃあマフラー」
    「マフラー?」
    「グレーの」
    「グレーのマフラー?そんなんでいいの?」
    「だってリベンジもらってないし」
    そう言えばあからさまに慌てた。
    「い、1週間で出来る訳ないじゃない!」
    「バァカ作れって言ってないじゃん!クリスマスグレーのマフラー頂戴」
    「…わ、わかった選んでおきます」
    コイツから貰えるものは何でも貰いたいから、無欲ではないんだよな。絶対分かってないだろうけれど。
    「未夢は何か欲しいのある?おれ何にも考えてなかったからさ」
    「うーん…それ1週間前に言う?」
    「それはおまえもだろ…」
    あぁ、確かにって納得してる。
    「でも、わたし彷徨がくれるものなら何でもいいよ!全て全力でいただきます」
    「じゃあ、デート、行く?」
    「えっ、珍しい彷徨が連れてってくれるの」
    「おまえなぁ…誘う予定だったんだよこれでも」
    「えーどこに連れてってくれるの?楽しみ~!」
    あんまり嬉しそうにするから、こちらも自然と笑えてしまうから不思議なものだ。
    「クリスマス、と言うか彷徨の誕生日なのに何かわたし贅沢だなぁ」
    (おれも贅沢してるようなもんだ)
    何の因果かクリスマス生まれ。それまで楽しかった事はなかったけれど、お世辞にも上手ではないグレーの毛糸マフラーを貰ったあの日から、ずっと贅沢してる気がするんだ。
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    beni_0082

    DONE紅のカラプラのお話は
    「きっと仕方の無いことなのだ」で始まり「本当に嬉しいとき、言葉よりも涙が出るのだと知った」で終わります。
    #shindanmaker #こんなお話いかがですか
    https://shindanmaker.com/804548
    (締めの文変えてます申し訳。発想だけ貰ったような形)
    (第1部読んだ人向け)
    (婚約者確定している)
    (文がド下手)
     きっと仕方の無いことなのだ。私は王族で彼は騎士。そもそも結ばれることすら難しかったはずの恋だもの。だから今こうして彼と密接な関係を持つことができているだけでもありがたいことだと。これ以上を望むのは浅ましいことだと。ざわつく心に何度も何度も言い聞かせる。
     でも。それにしたって。

    (そろそろハグくらいはしてみたい……!!)

     は、はしたないかしら!?こんなことを思ってしまう王女なんて。でもカラムと正式な婚約者になってもう一ヶ月になるのに!一緒にお茶をしたり散歩をしたりすることのみに留まっているのは流石に、流石にペースが遅いのでは!?
     もちろん、王族としてちゃんと弁えてはいるつもりだ。本当の夫婦になるまでは身体を、身体を!か、かっ……さねるところまでいくのは!よろしくないことだってわかっている。……でもハグくらいまでなら、もう進んでしまっても大丈夫なのではなかろうか……?うぅ、なんとなく落ち込んできた。カラムのことは信じているのに。私に魅力がないとか、そういうネガティブな理由で手を出してくれないわけではないことだって、わかっているのに。
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    kinotokko

    DOODLEいつもの突然始まって突然終わる。自分以外置いてきぼりメモ。帰りの電車が暇だったのがわるい。

    ツラアズへのお題は『君の「大丈夫」が、大嫌い』です。
    #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/392860
    色々問題は山積みだったが、いつも通りアズサには笑って「大丈夫、大丈夫」と答えた。その途端、今まで心配そうに困り顔をしていただけのアズサが
    「は?『大丈夫』?今のツラヌキが大丈夫なわけないでしょ!何処をどう見たら大丈夫だって言えるわけ?頼りなさいよ?みんなも、私もいるでしょ?大切だから迷惑掛けたくないって思ってくれてるのかもしれないけど……でも私も大切だから間に合ううちに頼ってほしいの私は。……ツラヌキだって大切な人が頼ってくれたら嬉しく、ない?」
    怒るみたいに叱るみたいに烈火の如く喋りだしたが段々と声が詰まり、最後の方は不安そうに涙目でコチラを伺いながら「それとも、大切ですら……なかった?」と聞いてきた。脳裏に父親が『大丈夫、大丈夫!』と自分の頭を撫でる姿を思い出した。大丈夫では、なかったのだ。あの時は自分が頼りないのが腹立たしかった。頼ってもらえないのが悲しかった。あの時のオレは今のアズサみたいな顔をしていただろうな。
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