Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    kai3years

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 41

    kai3years

    ☆quiet follow

    #光サン
    luminousAcid
    #ひろサン
    spread

    ここを自転軸とする 幼い頃は常に貧し、飢えていたという話を聞いた。長じてからは周りに恵まれ、多くを貰ったとも聞いた。出会ってからのサンクレッドは、与える側の人間だった。
     二つの話、三つの姿。きっと、それらのいずれにも、嘘はないのだろうと思う。シビアな状況判断力は、確かに「そのとき必要なもの」を選び抜いてきた人間のものだし、ふとしたときに見せる達観は、既に満たされた人間のものだ。与える姿については実際この目で見たのだ、言うまでもない。サンクレッドは欲するものが「無い」「有る」双方を経験し、それを糧とした絶妙なバランス感覚を有している。
     貧窮から自暴自棄になる者の行動予測を果たし、満たされるばかりで人生に飽いた者の心に潜り込む。およそ欲望というものを知り尽くした手管には、いつも、舌を巻かされた。ミンフィリアやリーンに注いだ情の深さにも感心した。それは、世界を放浪する生き方を選んだ根無し草には、到底、真似のできないものだ。だから、サンクレッドの過去を、現在を、その生き方を、否定する気はさらさらないし、畏敬の念すら持っている。
     ゆえに、この欲求は、単なる興味本位に過ぎない。あるいは「それ」を目にした者たちに対する、僅かばかりの嫉妬。サンクレッドが知れば「くだらない」と一笑に付すだろう。実のところ、自分でも、くだらないとは思っている。
     だからこそ、今でなくてはならない。賢人たちが健勝で、終末を遠くに退けた、いわゆる「平和」な今でなくては。こんな些末な企みは、もう、許されないと思った。



     小雪の舞うグリダニアに、鈴を転がす音が鳴る。日はとっぷりと暮れたあとだが、この季節の子供たちには、遅くまで外出が許されている。星芒祭実行委員会の手際は確かなもので、有能な協力者たちの目は隅々にまで及んでおり、子供たちを街の外に出すことを決して許さない。それも、襟首を引ッ掴んで止めるような無粋はせず、街の中にこそ楽しみがあるのだと気付くよう仕向けていた。僅かに積もった雪には灯りが反射して星のように煌めき、プレゼントとして焼き菓子が配られることも多いためか、何処からともなく甘い匂いが、ふんわりと漂ってくる。もとより幻想的な雰囲気の強いグリダニアではあるが、今年は幻を振り撒くトナカイ、ブリッツェンの存在もあり、夢の世界に入り込んだかのような浮遊感があった。
     ツリー、ケーキ、プレゼント。大好きな家族、仲間たち。真ッ白な雪は冷たいが、それで遊べば寒さもへっちゃら。お腹を空かせて家に帰れば、温かなご馳走が待っている。
     子供たち向けに噛み砕かれた、詩もメロディも柔らかな歌を、吟遊詩人たちが奏でる。輪の中には満更でもなさそうなギドゥロの姿もあり、その雑な子供あしらいを、サンソンが「もっと優しく!」と言いたげな顔で眺めていた。
     そして、自分は。
     緋色に染めた服を着込んで、聖人の従者を肩書きに、手製の菓子を詰めた小さな袋を、配って歩いている。あの恐ろしい終末も、三都の子供たちにとっては幾らか遠い出来事で、自分を特別な存在として捉える目も、あまりない。何処かで見たような気がすると顔に寄せられかけた視線が、一瞬でプレゼントに吸われる様子は、たまらなく微笑ましかった。その場で包みを開けた子供からいただく評価も上々で、やはり調理人は料理を振る舞ってこそだと、改めて思う。栄養学を突き詰めた、自分が生きていくための料理を作るのも嫌いではないが、やはり供した相手からの「美味い」に勝るものはない。
     とはいえ、そろそろ在庫が尽きる。贈り物を持たない聖人の従者に、存在意義はない。
     新市街へと足を向け、エーテライトから辺りを見渡すと、どうやら、待ち人も来ていた。喧騒から少し離れたところで静かに佇んで、ごった返す子供たちを、緋色の服を着込んだ自分を、いかにも己は埒外でございという目で眺めている。微かに笑っている貌は、別の世界で暮らす娘を想っているようでもあった。

    「待たせたな」
    「構わんさ。もういいのか?」
    「ああ」

     傍へ歩み寄り、声を掛けた。役目は充分におおせたし、プレゼントを持った聖人の従者は、まだまだいくらでもいる。一人だけ単価の高そうなコートを配っているアイメリクには、若干の不安がないでもないが、まあ、大ごとにはならないだろう。
     サンクレッドは、いつもと同じ、白いコート姿だった。ガレマルドで着ていた厚い外套は置いてきたようだ。小雪が舞っているとはいえ、グリダニアにおける寒さは、ガレマルドやイシュガルドのそれに比べれば、ずいぶんぬるい。況してや、ここは街の中だ。少し歩けばカーラインカフェで熱い茶を飲むこともできる。
     とはいえ、チョーカーを巻いているだけの首は幾分、寒そうだった。賢人の証が刻まれた肌に手袋を脱いで触れると、くすぐったがるふりをして、小さく肩を竦めてみせる。なんともないという顔をしてはいるが、やはり冷えていた。

    「俺の部屋へ」

     エーテライトから、冒険者居住区へと移る。アパルトメントのロビーに入ると、管理人たちがお帰りなさいませと頭を下げてくれ、緋色の服を見て、お疲れさまでしたと労いの言葉もくれた。
     階段を上り、部屋に入る。暖炉の薪に火を点すと、狭い室内はたちまち暖まるが、それでも窓に近付けば、ガラス越しの冷気を感じた。なるたけ遮断するように、厚手のカーテンを閉める。

    「星芒祭の初日に来い、か」

     サンクレッドはさっさと湯を沸かし、二人分の茶を淹れていた。マグの在り処も、茶葉の好みも、勝手知ったるというやつだ。断りもなく二杯ともブランデーまで垂らしている。どうせ加えようと思っていたので別に構わないが。

    「わざわざ呼び立てた理由は何だ?」
    「星芒祭に決まってるだろ」

     差し出された茶を受け取りながら、わかりきった答えを返すと、わかりきっていなかった男が、琥珀の目を丸くした。こういう祝祭にかこつけて女性を口説いた時期もあるくせに、そんなことはすっかり忘れてしまったかのような顔をしている。
     星芒祭。かつて、エオルゼアの都市同士で、戦争をしていた頃。厳寒地であるイシュガルドで、凍えながらに星を数える孤児を見かねた兵士たちが、軍規に反することを承知で、兵舎の中に招き入れた。その逸話に準えて、冬を過ごす子供たちに、贈り物をする祝祭だ。
     無論、現在の内容は、逸話のそれとは大きく異なる。プレゼントを貰う子供らには概ね帰る家があるし、配る大人は兵士に限らず、自分のような冒険者が、気まぐれに参加することも多い。兵士たちが孤児に着せかけたという緋色の外套は、赤いものを身に着けていればなおよし、というくらいにまで薄まり、そもそもそんな色のことなど知らずに加わっている者もいる。自分だって、二度目を迎えるまでは、知らなかったのだ。実行委員会の面々はともかく、協力者たちは、てんでばらばらな色の衣服を身に着けていたので。
     とはいえ、祝祭の根っこのところは、発端の逸話と変わらない。温めること。贈ること。凍えて孤独を感じがちになる季節を過ごす隣人に、心ばかりのプレゼントをして、ほかの体温をあらわすこと。自分がさっきまでしていたように、そして、これからするように。

    「まずは、こいつだ。受け取れ」

     子供たちに配っていたものと同じ、小さな包みを取り出す。ほれ、と左右に揺らして見せると、あらかじめ想像していたとおり、サンクレッドは眉を潜めて、受け取ることなく茶を啜った。

    「そりゃ、子供たちのためのものだろ」
    「充分に行き渡らせたさ。それに、大人に配ってはいけないなんて決まりはない」
    「なら、お前が持っておけよ。多少の日持ちはするんだろう? 菓子だって甘味の旨さがわかる人間に食べられた方がいい」

     いかにも正論である。こと冒険者という稼業にとって、保存と持ち運びがしやすく、一口で多量のエーテルを摂取できる菓子は、使い勝手がいい。加えて、サンクレッドの好みは、いわゆる辛党になる。甘いものがまったく食べられないという訳ではないが、わざわざ選んで食べはしない。それこそ任務時の補給であれば、単なる砂糖の塊であろうと口にするだろうが、平時はどちらかといえば敬遠しているくらいのものだ。
     わかっている。しかし、だ。それらはすべて、理屈である。

    「俺は、お前にやりたいんだよ」

     この感情を覆すほどの力は持っていない。
     包装こそ配って歩いた菓子と何一つ変わらないが、中身はサンクレッドのために、甘さを抑えて作ってある。塩の利いたクラッカーや、苦みの強いチョコレートは、そのまま食べても悪くはないし、酒のつまみにもなるはずだ。自分でも味見は済ませてあるし、ざるの竜騎士、いや違う、元・蒼の竜騎士からも、太鼓判を捺されている。

    「今日は、いつになく強硬なんだな?」
    「星芒祭だしな」
    「意味がわからん」

     困った奴だ、と今にも言いそうな口が、穏やかに苦笑した。過ぎた子供の献身を諌める大人の顔をしている。買い物の帰り、自分の身に余る重さの荷物を持ちたがる子に、こちらが重いのだと嘘を吐き、軽い荷を預ける親のような。

    「気持ちはありがたいが、俺は──」
    「もう充分に貰ってる」

     続く言葉を先に盗ると、マグに落とされた視線が上がった。不意を突かれたらしい男に、今度はこちらが苦笑してやる。

    「お前のそれは聞き飽きてんだよ」

     困った奴だ、と今にも言いそうになっていたのは、お互いさまだ。
     確かに、今のサンクレッドは、充分に満たされているのだろう。たとえ人からはとても足りてはいないように見えたとしても。虚勢ではなく、心から、現状に満足しているし、それ以上を望むような男ではないことも知っている。
     しかし、望みはしないからといって、与えられてはいけないなんてことがあるものか。この男は、もっと、ずっと、人から尽くされていいはずだ。それを自分以外の誰かに強要するのなら見過ごせないが、誰にも求めないのなら、自分の役目に相違ない。

    「たまにはリアルタイムで見せろ。お前が『貰う』ところをな」

     単なる興味本位の欲求、あるいは「それ」を目にした者たちに対する、僅かばかりの嫉妬。くだらないと一笑に付されたところで、構いはしない。
     過去に誰からどれほどのものを貰っていたとしても、関係ない。出会ったときの彼は既に、与える側の人間だった。もう貰っている、もう充分だ、そんな言葉ならいくらでも聞いたが、彼が実際に「貰う」ところを、自分は終ぞ、見たことがない。
     あるいは、見ていたとしても、足りない。サンクレッドが「貰った」と言うのは、いつだって本当に些細なもので、しばらく降っていなかった雨を寿ぐかのようだった。もちろんそれとて何かを貰う喜びには違いないのだろうが、生憎、自分は強欲で、そんなささやかさでは満足できない。
     もっと、浴びせられるように、何かを貰うところが見たい。両手に持ち切れない贈り物を抱えて、よろける姿が見たい。

    「星からでも、俺からでも。お前の好きなようにとって構わない。受け取ってくれ」

     茶のマグを置き、菓子の包みを両手に載せて、捧げ持つ。見るからに戸惑っている眼差しが、よすがを求めるように揺れた。
     わからないのだろう。貰い方が。より正確に言うならば、今のサンクレッドに相応しい貰い方を、判じかねている。思惑のある贈り物なら、斜に構えた大人として、サンクレッドはいくらでも、それらしく喜んで見せられる。しかし、星芒祭だから贈り物をしたい、などという、馬鹿みたいな好意には、斜に構えた大人としての返しが存在しないのだ。だからといって、同じく馬鹿みたいに、嬉しがるようなこともできない。
     欲して、与えられて、喜ぶ。多くの人間が子供の頃に経験してきた流れに不慣れで、戸惑ってしまうサンクレッドは、そのことをやや恥じてもいる。だから、貰いたがらない。プライドが高く、かっこつけで、導かれるより導く側に立とうとする男だから。

    「……だったら、菓子より、ほかのものがいい」

     そして、あくまで自分のペースで、話を進めようとする。
     ことりとマグを置く音がして、項に腕が廻された。距離を詰めてきたサンクレッドの、茶に濡れた唇が押し当てられる。キスを拒んでそれより菓子を、と食い下がることは簡単だが、この時点では彼に手綱を譲ることこそが正解だ。腰を抱き、舌を挿し入れると、安堵したような笑みが聞こえた。
     しばらく、水の音を鳴らす。弱い上顎を何度も責めると、そのたびに抱いた体はひくつき、小さく喉声を漏らした。体内に点った情欲の火が、ゆるゆると全身を温めていく。やがて絡めた舌をほどくと、完全に調子を取り戻したサンクレッドは、煽る声を甘く蕩かした。

    「これだけか?」
    「まさか」

     温められた金具を解いて、白い首に這うチョーカーを外した。賢人の証に溶け込むように、いくつか吸い痕を刻む。心地好さそうに吐き出される息が、耳を熱く湿した。
     触れ合いながら、ベッドに移る。先に腰掛けたサンクレッドの足からブーツを抜いてやると、こういう奉仕であれば容易く受け取る男が、もう片方を揺らした。
     四つの裸足を、シーツの上へ。深く冷気を吸い込んだ白いコートを脱がせると、ようやく纏わり付いていた「冬」が剥がれ落ちた気がした。温められた肌の匂いが、ふわりと立ち上ってくる。香水などで変えられていない、サンクレッド自身の香り。久々に味わえたそれを、胸が一杯になるまで吸った。

    「ほかには、何をくれるんだ?」
    「お前のために用意した酒と、俺が作った料理。あと俺」
    「ベタすぎるだろ」
    「そうでもないぞ。何せ完全に根回しを済ませた俺だからな」
    「……どういう意味だ」

     余裕に満ちて綻んでいた口から、すうっと笑みが消える。ペースに乗ってやるのはここまで。そろそろネタばらしといこう。

    「今夜から明日の零時まで、俺とお前のリンクパールには、一切、連絡が入らない」
    「……は?」
    「暁の皆、各国盟主、ギルド各位も了承済みだ。たとえ終末がまた来たとしても、今夜と明日は、俺たち以外で凌いでみせると」
    「待て待て待て」
    「どうぞ」

     準備は既に済んでいる。待てと言うならいくらでも待つが、すべては手遅れだ。
     しばらくの間、サンクレッドは頻りにリンクパールを鳴らし、片ッ端から繋がりそうな相手に通信を試みていた。が、誰も出ない。当然である。そうなるように、仕込んだのだから。

    「冗談だろ……」
    「お架けになったリンクパールは、現在、使われておりません」
    「リオルすら出ない」
    「なんならあいついちばん張り切ってたぞ」

     芽が出る前に摘むことこそが、リオルの本領である。ある意味では誰よりも忙しくなるだろうとあらかじめ詫びたが、時折「サンクレッドが有能すぎてお株を奪われる」と零していた男は、この企みを聞いた瞬間に哄笑、そして快諾した。今頃は嬉々としてエオルゼア中を飛び回っているはずだ。

    「まさか──」

     小さく呟いて息を呑んだサンクレッドは、一瞬、通信を入れることそのものを躊躇ったようだった。しかし、意を決したのか、すぐにリンクパールを鳴らす。が、やはり出ない。そして、その相手には、心当たりがある。

    「お前のお師匠さんズも出ません」
    「師匠にまで何を吹き込んでくれてんだ! というかいつ連絡先を知った!」
    「オールド・シャーレアンでの一件以来、まあまあ話すが?」
    「ウッソだろお前……」

     残念なことに、事実である。冒険者は人脈が命。完璧な変装を見せてくれた、サンクレッドの師ともなれば、連絡先の一つや二つ、知っておくに越したことはない。先方にとっても自分は愛弟子の近況を聞かせてくれる男、無下にする理由もないらしく、結果、あちらの本当の顔も名前も知らないままに、時折雑談をする関係が出来上がっている。ロスティックとの関係も、こちらは名前も顔も知っているというだけで、ほとんど同じだ。

    「観念したか?」

     先んじて、リンクパールを外してみせる。鳴らないものをいつまでも着けていたって仕方がない。対抗するようにサンクレッドも耳から真珠を毟り取ったが、床に投げ捨てることはできずに、しつこく手の中で揉んでいた。その指を解かせて、中身を奪い、二つ一緒に、テーブルの上に置く。
     キスをする。今度は、こちらのペースで。菓子を受け取りたがらない大人の誤魔化しではなく、子供のようなシンプルさでもって、サンクレッドを求めた。

    「……本当に、また終末が来ても、この部屋から出ないつもりか」

     執念く不服を残す男が、強張った声で、尋ねてくる。

    「ああ」
    「星が滅びそうになっても?」
    「あいつらなら一日くらいは持ち堪えてくれるだろ」
    「無理なら?」
    「そのときはこの部屋が俺たち二人の墓になる」
    「本気で言ってる訳じゃないだろうな」
    「本気で訊いてる訳じゃないだろ?」

     もしも、を繰り返すサンクレッドは、こちらを責めているようで、その実、ごく単純に、腰が引けているだけだ。もし本当に終末が再来するというのなら、揃って武器を担ぎ出し、部屋から飛び出すに決まっている。リンクパールにだって絶え間なく連絡が入るだろう。
     けれど、それは、もしも、に過ぎない。確かに目の前に伸びた道だが、分岐点にいる今は、選ぶ必要は特にない。平和な世界の、星芒祭の、温かい部屋にいる二人には、ふわふわとした果敢ない睦言こそが大事なものなのだ。
     唇を噛み、目を彷徨わせる、自分のために何かをされるということに、いつまでも慣れない男。面倒なことこの上ないが、その面倒さを愛している。いつかは慣れてくれればいいが、慣れなくたって構わない。今回のように策を凝らして、捕まえてから、与えるだけだ。贈られるのを拒むのは、嫌がっているからではなく、戸惑っているからだと知っている。
     ならば、贈ろう。自分に贈れるものである限り、遍く、すべて。押し付けがましいと言われても、自分なら喜べる。この男は賢人であるが、だからといって、聖人ではない。雪を降らせる雲のよう、与えるばかりでいさせるものか。

    「繰り返すぞ。まずは、こいつだ」

     先ほどはキスに出番を譲った、菓子の包みを引っ張り出す。

    「星芒祭おめでとう。受け取れ」

     小さなものから始めよう。一人では持て余すというのなら、一緒に食べてやる。
     プレゼントを渡した子供らの笑顔には程遠い渋面をして、サンクレッドはしばらく唸り、大きく溜め息を吐く。それでも、やがて恐る恐ると、小さな包みは、手に載せられた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works