光のお隣さん/第七話 親子は、長い間、話をしていた。好きに寛いでいてくれと自由を許された彼らの家の、客間とキッチンを往復し、茶を飲み、コーヒーを飲み、冷蔵庫から取り出した缶ビールを開けても、まだ。廊下の奥にあるリーンの部屋からは、二人が交わす静かな会話と、時折、止められなかったのだろう、少女の啜り泣きが聞こえた。
客間のソファに身を沈め、バッテリーのずいぶん減ったスマホで、ラハへのLINEを打つ。彼には既に電話で一度、リーンの無事を報告し、友人たちに礼を言って解散してもらうよう伝えたが、今一つ状況を把握しきれていない様子だったので、改めて、補足を送っているのだ。とはいえ補足の内容も「占い師が教えてくれた個人運営の博物館に行ったら、リーンと魔女とその娘がいて、サンクレッドがボロクソ言われたあと、魔女の娘がリーンを連れて先に帰った」というものなので、余計に混乱させるのは、火を見るより明らかなのだが。まあ、そのあたりは、追々整理しながら顔を見て話すしかない。
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