怪我人の対応もひと通り終わって、時計を見る。今日開かれている食事会には間に合うか微妙な時間だった。どうしたものかなとスマートフォンを取り出すと、件の食事会に参加しているはずの後輩からメッセージが届いている。
『家入さん助けてください』
不穏な一文目の後、連続で送られて来ていた画像たち。
「……ふふ、これは、なかなか」
上から順に保存していく。なにかの時に使えるかもしれない、というより単純に可笑しい。
写真には、うさ耳を付けた五条と七海が写っていた。白のふわふわのうさ耳を付けた五条は、その髪の色と相俟って妙に似合っていて笑える。問題は七海だ。黒いうさ耳、しかも片耳が折れてるタイプのあれだった。真顔で、大して酔っている様子もない。悪ふざけだ。
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