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    4_haru100

    @4_haru100

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    4_haru100

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    付き合ってる75ちゃんです

    #七五
    seventy-five
    #75
    #腐術廻戦
    theArtOfTheRape

    その色をもって「この寒いのに北海道?おまえ何かと行かされるよねなんかあんの?」
    明朝の行き先を告げると、五条はシーツに包まったまま目だけをこちらに向けてくる。落とした照明に構わずやたらに煌びやかな目が、かちりとこちらを捉える。
    「身に覚えはありませんね」
    タオルで髪を拭きながら、ベッドに腰掛ける。顔を寄せるとふふとやわらかく空気が揺れて、思う通りに唇に触れることが出来た。ぺろと悪戯に下唇を舐め上げていった人の頬に、七海の前髪からひとしずく落ちる。拭う指先を捉える五条の手があたたかくて、そろそろ風呂に運ばなければ、眠ってしまうかもしれないと思った。
    「ふうん?まずはバターサンドでいいよ」
    「チョコレートも?」
    「あ、まってまって」
    シーツの虫から白い腕が伸びて、ヘッドボードからスマートフォンを引き寄せる。お土産の人気ランキングを検索している。
    「この羊羹かわいいな」
    「画像送っておいてください」
    「いいの?」
    「数量も」
    「甘やかすねえ」
    こんなことくらい、と口に出そうになるのを飲み込む。画面の明かりで青が薄まるのがなにか面白くなくて、無防備な頸を指の背で撫でた。
    ふふと笑う声がとても機嫌の良い時の音で、もう少し聞きたいと思う。
    「雪見障子のある部屋に泊まってみたいんですよ」
    一拍置いて、青い目がこちらを見た。へえ、という音は先ほどと変わらないけれど、密かで少し甘い。
    「なあそれは、僕と?」
    「ええ」
    「ふうん」
    うれしそうに言って五条は七海を引き寄せる。シーツはいつの間にか開いている。
    「やらしいなあ七海」
    「なんですかそれ」
    それよりもう風呂にと続ける口は塞がれた。少し冷えた唇が甘いことを知ったのは、もう随分前のことだ。口が塞がるのは丁度いいなと七海は思う。雪でうっすら明るい夜半に、同じ色のこの人の髪が美しく流れるのが見たいのだとは、七海にはどうしても言えないので。

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    4_haru100

    DONEシャ白さんとの共同企画🍽
    5話目!

    ⚠︎ストレスに狂った七海がストレス発散のために五条に料理を食べさせる話です
    ⚠︎付き合ってないしロマンスの兆しはすごく微かです
    ⚠︎なんでも許せる方向け
    ■とびうお / クークー普通の先輩後輩みたいな、七海がそういう感じで思ってくれてたら良いな、なんて、つい先日思ったばかりのことが頭をよぎる。確かに思った、思ったけれど、じゃあ今この息苦しさはなんだろう。

    「え?五条さん?」
    いつも通り、七海の部屋に玄関からちゃんと来た。いつも通りじゃなかったのは、ドアを開けたのが家主じゃあなかったってところだ。
    「猪野くん、じゃあまた今度……」
    部屋の奥から言いかけた家主が、あと気が付いた様子で顔を上げた。入り口で立つ五条と、玄関を開ける猪野と、廊下から二人を見る七海。一同少し固まって、そうして一番最初に口を開いたのは自分だった。
    「帰った方がいい?」
    「は?」
    「えっなんでですか!」
    この部屋で誰かと出くわすことを考えていなくて、動揺する。頭が上手く回らない。いや、そうだよな別に誰かがいたって、帰ることないよなとようやく脳細胞が動き出した頃、猪野がドアを開けたままなことに気が付く。
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    4_haru100

    DONEシャ白さんとの共同企画🍽
    1話目

    ⚠︎ストレスに狂った七海がストレス発散のために五条にトンデモ料理を食べさせる話です
    ⚠︎付き合ってないしロマンスの兆しはすごく微かです
    ⚠︎なんでも許せる方向け
    ■パトゥルジャン・サラタスしくじったかもしれない、と珍しくも五条は自分の行いを振り返る。部屋に響き渡るのは斬撃の音で、それはキッチンからして良い音とはどうしても思えない。ソファで寛いていてください、と有無を言わせぬ微笑みでキッチンから追い出されて早二十分。
    「ね、なにしてるの……?」
    「料理です」
    大人しく身を置いていたリビングのソファからキッチンを振り返って恐々尋ねるが、斬撃の音が大きくて微かにしか聞こえない。調理中の音とはどうしても思えないし、右手の動きが速すぎて、五条なら追えるが普通の人が見たらどうだろう。
    七海の部屋は、己の体格に合わせて天井や扉や、浴室まで大きいものを選んでいたが、キッチンも例外ではなかった。
    使用頻度には見合わない広々としたアイランドキッチンが、真面目に使用されているところを五条は見たことがない。先日侵入した時など、キッチンで立ったままハイボール片手に魚を焼いていた。あんまりだと思ったし、それはそのまま口に出ていた。盛大に煽った。
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