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    Lys_sw

    @Lys_sw

    エリオットに狂いだした新参ばあや

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    Lys_sw

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    心にくる案件が多すぎたのでほっこりしたかった。ただそれだけです。

    完璧すぎる弟子「モニカ、何か食べたいものはあるかい?」
    モニカの弟子となったアイクという人間はすこぶる有能だ。
    モニカが苦手なことを大抵はできるし、料理も彼の得意とするものの一つ。
    アイクはモニカの知らないたくさんの料理を知っていて、彼の作る料理はどれも美味しいし、苦手だと感じたものもない。
    だからこの問いはモニカを大いに困らせた。
    何でもというのも少し任せっきりな気もするし、だからと言ってモニカは指折り数える程度しか料理名を知らない。
    うんうん悩み、一つの食べ物のことを思い出した。
    「えっと、あの……おひさまみたいに黄色いふわふわの卵の料理が…」
    拙すぎる説明にもかかわらず、アイクはにこやかに笑って、
    「わかった。少し待ってて」
    とキッチンへ消えていく。
    そしてあっという間にモニカの言っていた料理を置いた。
    「お待たせ。オムライスだよ」
    おひさまみたいに黄色いふわふわの卵の正体はオムライスというらしい。
    モニカの脳内に今度は名前がしっかりと刻まれた。
    見るからにふわふわで綺麗な表面の真ん中にはリディル王国の国旗が描かれた小さな旗。
    本当にアイクは器用だ。
    「アイクは凄いです」
    「ん?」
    「ほんとにほんとに凄いです」
    アイクはよく大したことじゃないよというけれど、モニカにしてみれば、アイクが生み出す料理はまるで魔法だ。
    それ以外にもアイクの飲み込みの速さや提出されるレポートは素晴らしい出来だし、自分に足りない配慮と気配りで幾度となく助けられている。
    それを上手く伝えたいのに、モニカは中々いい言葉を見つけられない。
    「それを言うなら僕のお師匠様だって凄いんだ。この前だって竜害被害に備えた論文を発表して、たくさんの人に希望を与えた」
    「そ、それはアイクが纏めてくれたレポートがあったからです。私一人の力じゃなくて……」
    「たったあれだけの情報を元にすぐさま魔術式を試算できるのはこの世で僕のお師匠様だけだよ」
    アイクを褒めるつもりが、いつの間にかモニカのほうが褒められている。
    あわあわと狼狽するモニカを見兼ねて、
    「さ、お喋りはここまでにしよう。ほら、冷めないうちに召し上がれ」
    そう言って掬われたオムライスはやっぱりとっても美味しくて、出来の良すぎる完璧な己の弟子を前にモニカは今にも落っこちてしまいそうな頬を押さえることしかできなかった。



    モニカ完敗なり。
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    sika_blue_L

    DONE幼なじみ345で5だけ♀。三十歳になってフリーだったら結婚しようって言わせたかっただけなのにこんなに膨らんだ
    十二年後の君たちへ 初めて彼氏が出来たのは、高校一年の夏だった。
     
     蝉の鳴き声が一層喧しい夏休み前の放課後、呼び出されたのは日陰になっている校舎裏。噂で聞いた話だが、どうやらそこは定番スポットというやつらしい。
     
     こんなことを言いたくはないが、正直なところまた?というのが感想だ。目立つ容姿をしているのは自覚している。
     
     肩甲骨まであるゆるくウェーブのかかった髪、甘い印象の垂れた目じり、形の良い桜色の唇。あまりいい思い出はないが発育もそれなり。生まれた瞬間から、今まで片時も途切れることなく可愛い可愛いと他者から愛でられて生きてきた。
     
     雪宮剣優は可愛い。かなり可愛い。これは嫌味でもなんでもない。事実そのもの。
     
     これまでに、容姿をめぐった人間関係のトラブルは色々あった。一悶着どころの話ではない。特に思春期が花開く中学時代。地獄をくぐり抜けてきた、と言っても過言でない。仲の良かった友人から、好きな人を取った、信じてたのに! なんて難癖を付けられたのも一度や二度のことではない。箱を開けたら、日直で話したことがある男子生徒が私のことを好きだと友人に打ち明けた、ただそれだけのことだった。私に非はないと訴えるも、ティーンの恋は盲目。彼女とは縁が切れ、卒業するまで不快な居心地の悪さを覚える羽目になった。
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