太陽の裏側窓を開けてから、今日が満月だということに気付いた。
温い風が木々を揺らすついでに、サニーの頬を優しく撫でる。
長時間向かい合っていたパソコンをシャットダウンし、身体をぐっと伸ばすと、時計の針が丁度日付を越えようとしているのが目に入る。
作業のお供に淹れた、冷めきったコーヒーの残りを飲み干し、マグカップを持ったまま、サニーは何をするわけでもなくぼんやりと外を見やった。
カチカチと秒針だけが響く部屋に、扉の開く音がひっそりと響いた。
音に対し、サニーは特に驚くこともなく振り返る。漠然と、彼が今日ここに来ることが勘付いていたからだ。
廊下の灯りと自室の暗がりに挟まれたままこちらを見つめる瞳に、サニーは柔らかく微笑んだ。
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